公務員が不動産投資は問題にならない?副業禁止規定に該当しないための条件や成功のためのコツを詳しく解説します!

最終更新日:2024年1月17日

公務員の方の中には、副業規定に抵触してしまうので不動産投資を諦めているという方もおられるのではないでしょうか。

確かに公務員は副業が禁止されていますが、一定の条件を超えなければ副業に該当しないため、不動産投資を行うことが可能です。

本記事では、公務員が不動産投資を行う際に副業に該当しないための条件や成功のコツ、注意点を解説します。

不動産投資に興味がある公務員の方や、公務員という立場から不動産投資は諦めているという方は、ぜひ、ご覧ください。

公務員の副業は禁止されている

 

公務員が副業を禁止されているのは、法律による制限があるからです。ここでは、なぜ公務員が副業を禁止されているかについて解説します。

法律で公務員の副業は禁止されている

公務員は法律の定めによって副業は禁止です。大前提として国家公務員の場合、国家公務員法第96条1項において、全国民の奉仕者として、職務に専念するように定められています。

その上で、国家公務員法第103条において、営利目的の民間企業や団体の役職の兼務、自ら営利企業を営むことを禁止(私企業からの隔離)しています。

また、同法第104条では、職員が営利企業の役員や自営業以外の兼業を行う場合には、内閣総理大臣、および所轄庁の長の許可が必要と定めています。兼業内容に利害関係がないこと、兼業することで公務の信用を損なわないこと、経営上の責任者ではないことなどの要件を満たされなければいけません(他の事業または事務の関与制限)。

地方公務員も、地方公務員法第38条において国家公務員同様の制限が設けられています(営利企業への従事等の制限)。

公務員の不動産投資を可能にする条件

上述の通り、公務員は副業が禁止されていますが、特定の条件を満たすことで副業に該当しなくなり、不動産投資が可能になります。

ここでは、公務員の不動産投資が可能になる条件について解説します。

5棟10室以内の小規模で行う

5棟10室以内の規模であれば、副業とみなされず、不動産投資を行うことが可能です。これは、「人事院規則14−8(営利企業の役員等との兼業)」で規定されています。

つまり、不動産投資の対象となる物件について、独立家屋の場合であれば5棟以内、アパートやマンションなど区分所有建物の場合は10室以内であれば副業には該当しません。

投資による収入は年間500万円以内に抑える

不動産投資によって得られる家賃収入や、駐車場収入などが年間で500万円未満であれば副業に該当しないため、不動産投資を行うことができます。

この500万円未満については、キャッシュフロー(不動産投資によって得られる収入から経費を差し引いたもの)ではなく、実際に得た収入によって判断されるので注意が必要です。

自分で管理業務を行わない

投資用不動産について、公務員自身が管理業務を行った場合、公務員としての業務に支障をきたす可能性があるため、副業とみなされてしまいます。

投資用不動産に関する管理業務は、専門業者(不動産管理会社など)に委託することで副業とみなされなくなるため、不動産投資を行うことが可能です。

条件を満たさない場合は申請を行う

上記の条件を満たしていない場合でも、申請を行うことで不動産投資を行うことができます。例えば、相続等によってアパートやマンションを取得した場合や、転勤によって居住中の自宅に住めなくなった場合などです。

このようなケースでは、申請書類を提出し承認を受けることで不動産投資を行うことが可能です。分からないことがある場合には、所属長や人事課の担当者に相談するようにしてください。

申請のタイミングは、実際に不動産運用を始める前や相続前が良いでしょう。

公務員が不動産投資を行うべきメリット3選

公務員は、不動産投資に有利だと聞いたことがあるのではないでしょうか。ここでは、なぜ、公務員は不動産投資に有利なのか、そのメリットについて解説します。

社会的信用が高く審査に通りやすい

公務員は、社会的信用が高いため、審査に通りやすく、レバレッジ効果を最大化することができるといわれています。

公務員が、社会的信用が高いといわれているのは、「失業の可能性が低い」「収入が安定している」「退職金による一括返済が可能である」という理由があるためです。

社会的信用が高いと、自己資金を大きく上回る不動産の場合でも、低い金利で融資を受けられる可能性が高く、レバレッジ効果による恩恵を受けやすくなります。

融資の通りやすさ、低い金利、レバレッジ効果などのメリットを社会的信用の高い公務員は受けることが可能です。

収入が安定しているため収支計画が立てやすい

公務員には、毎月安定した給与と規定額の賞与が支給されるため、収支計画が立てやすいというメリットがあります。

初期費用が大きいという特徴がある不動産投資において、安定した収入が見込める公務員は、頭金を多めに用意することもできる上に、繰上げ返済も可能です。

不動産投資で収益を出すには、ローン返済が重要なポイントになります。公務員は収入を予測しやすく、収支計画を立てやすいため、繰上げ返済のタイミングも計画しやすいでしょう。

このように、安定した収入をもとに投資計画が立てやすいことは、不動産投資において収益を出しやすくなるというメリットがあります。

手間をかけずに行えるため本業の支障にならない

例えば、株式投資やFX投資、近年人気を得ている暗号資産などは、常に価格が変動しているため、ほんの僅か目を離した際に、急激な価格変動があると大きな損失を生んでしまうこともあります。

一方で、不動産投資は急激な価格変動が起こる可能性はほとんどありません。そのため、価格変動を気にせず職務に専念することが可能です。また、投資用不動産の管理業務についても、専門業者に委託できるので手間もかかりません。

国民や住民のために奉仕する存在である公務員にとって、職務に専念できる不動産投資は大きなメリットがあると言えるでしょう。

公務員が不動産投資を成功させるためのポイント

ミドルリスク・ミドルリターンの投資といわれている不動産投資ですが、投資である以上は損失が出る可能性がなくなることはありません。

それでも、リスクを最低限に抑えたいと考えるのは、当然のことだといえるでしょう。

ここでは、公務員が不動産投資を成功させるための主なポイントを解説します。

不動産投資の知識を身につける

投資用不動産を購入し、不動産投資を開始した後は、専門業者にすべてを任せることができます。職務に専念する必要がある公務員にとっては、それがメリットであることは上述のとおりです。

しかし、すべてを任せてしまうと、リスクを負う可能性があるので注意が必要です。例えば、複数の投資用不動産を購入する場合、不動産会社がすすめるままに購入するとリスクを負う可能性があります。

すべての不動産会社に当てはまるわけではありませんが、資産価値の低い不動産や利回りの低い不動産を、優良物件として紹介される可能性もあるため注意が必要です。

すべてを任せてしまうのではなく、自分自身も不動産投資の知識を身につけておくことで、このようなリスクを回避することができます。

また、さまざまな不動産を実際に見てみることも、物件選びの際に非常に有用です。休日などに不動産巡りをすることも、不動産投資の知識を身につけることにつながります。

返済可能な額で融資を受ける

公務員は社会的信用が高いため、自己資金を大きく上回る金額の投資用不動産を不動産ローンを利用して購入が可能です。

しかし、返済能力を大きく超えた高額な投資用不動産を購入することはおすすめできません。いくら安定した収入があるとはいえ、不動産投資にはリスクがともないます。

例えば、空室リスクが発生すれば、不動産からの収入は得られず、自己資金で返済しなくてはいけません。最悪の場合には、自己破産という状況に陥る可能性もあるので、返済能力を超えた高額な融資での不動産投資は止めましょう。

公務員が不動産投資を行う際に注意すべきこと

公務員が不動産投資を行う場合、成功のためのポイントも大切ですが、注意すべきことを考慮する必要があります。

ここでは、公務員が不動産投資を行う際の注意点を解説します。

法律違反にならないように気を付ける

公務員でも、一定の条件を満たしている、または満たしていない場合でも申請書類を提出して承認されれば不動産投資を行うことができます。

もし、申告を行わずに不動産投資を行なっていると、法律に抵触してしまい処分を受けることになるでしょう。

実際に、消防副士長の立場にあった人物が、不動産投資によって年間7000万円もの収入を得ていたことを申告しなかったため、減給(後に懲戒免職)処分になっています。

このように、公務員が法律に抵触する不動産投資を行なっていると、懲戒処分が課されるので注意が必要です。

高額な投資用不動産の購入は慎重に検討する

成功のポイントでも言及しましたが、公務員が不動産投資を行う際には、返済能力を超えた高額な投資用不動産の購入はおすすめできません。

公務員は社会的信用が高いため、高額な投資用不動産をすすめられやすい職業です。それは、高額な不動産を購入してもらえると、不動産会社は多くの手数料を得ることができるという背景があります。

しかし、高額な投資用不動産を購入するためには、不動産投資ローンを利用することになり、返済能力を超えてしまう可能性があります。

高額な投資用不動産の購入には、慎重に検討するようにしてください。

確定申告は必ず行う

不動産投資で利益を得ている場合、投資を開始した翌年以降、毎年確定申告を行わなくてはいけません。確定申告は期限が決められており(2月16日〜3月15日)、期間内に申告を行う必要があります。

確定申告を行う際には、毎月収支を帳簿に記載し、証明となる書類を残しておかなくてはいけないので注意しておきましょう。

公務員の不動産投資は信頼できるパートナー選びが重要

公務員が不動産投資を行う際、重要なのが信頼できるパートナーである不動産会社選びです。

不動産投資は投資用不動産の選定から購入まで、不動産投資のプロフェッショナルである不動産会社の力が必要になります。

しかし、不動産投資は投資用不動産の購入がゴールではありません。投資用不動産を購入してからが本番ともいえます。安定した収益を上げ続けるためには、投資用不動産の売買や空室対策、費用対効果を向上させるための不動産管理などが必要です。

このようにオーナーのことを考慮しながら、不動産経営を幅広くサポートしてくれるのが不動産会社です。

そのような手厚いサポートを提供できる不動産会社を選ぶことができれば、不動産投資の成功に一歩近づけたといえるでしょう。

まとめ

公務員の副業は、基本的に禁止されています。そのため、不動産投資を始めたくても始められないという方もおられるでしょう。

しかし、一定の条件をクリアすることで、公務員でも不動産投資を行うことは可能です。不動産投資に興味があるのに、法律違反になる可能性が懸念材料であったという方は、ぜひ、本記事を参考にしてみてください。

そして、不動産投資の収益を最大化するためには、手厚いサポートを提供できる不動産会社を見つけるのが一番です。不動産投資を成功させるためにも、信頼できるパートナーを見つけることをおすすめします。

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