【初心者必見!】不動産投資の減価償却とは?ゼロからわかる基本と出口戦略までを解説
- 新築と中古、自分に合うのはどっち?減価償却の基本もよく分からない
- 築古は節税に有利と聞くけど、修繕や空室といったリアルなリスクが心配
- 不動産会社の提案だけで決めるのは不安で、経験者の視点で判断する軸が欲しい
本記事では、そんなお悩みを解決します。
売り手の視点ではなく、実際に運用する経験者の視点で、減価償却の基礎から出口戦略までを体系的に解説します。
あなた自身が判断するための「軸」を身につけましょう。
この記事でわかること
- 減価償却の基本と新築・中古の違い
- 築古物件の強み・注意点とどのような人に向くか
- 郊外で成功するための実践知識(計画、相談先の選び方など)
目次
不動産投資における減価償却の基本
「減価償却は聞いたことがあるけれど、意味はよく分からない」という方は多いのではないでしょうか。
減価償却は、不動産経営にも必要となる重要な会計知識です。
ここでは不動産投資における減価償却について、その基本的な仕組みから詳しく見ていきましょう。
不動産投資における減価償却とは
減価償却とは、価格が大きく、長期間にわたって利用する資産の購入費用について、耐用年数で分割し、毎年の経費として計上していきます。
減価償却ができる資産(減価償却資産)は、「年数の経過に伴い価値が低下する」資産が前提です。
そのため、自動車や機械なども減価償却の対象に含まれます。
例えば、事業用に自動車を購入した場合を考えてみましょう。
自動車の購入額が300万円だった場合、その耐用年数は6年とされていますので、毎年50万円を6年にわたり減価償却費として計上します。
不動産投資における減価償却資産は、建物部分だけでなく付属する設備も対象です。
不動産投資の減価償却費は何で決まるのか
不動産投資で減価償却の対象となるのは、上述のとおり投資用物件の建物部分と付属の設備です。
そして、投資用物件の減価償却費を決めるキーワードとなるのが「法定耐用年数」です。
法定耐用年数とは、法律によって定められた「資産を使用できる期間」を指します。
住宅については、構造によってその耐用年数が決められています。
建物の法定耐用年数は以下のとおりです。
【新築物件】建物の構造別 法定耐用年数
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建物の構造 |
法定耐用年数 |
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木造 |
22年 |
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軽量鉄骨造(骨格材の厚さ3mm以下) |
19年 |
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鉄骨造(骨格材の厚さ4mm超) |
34年 |
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鉄筋コンクリート造 (RC) |
47年 |
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鉄骨鉄筋コンクリート造 (SRC) |
47年 |
新築であれば、法定耐用年数で建物価格を割って算出します。
また、耐用年数を一部経過している場合(中古物件)は、(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%で耐用年数を算出する必要があります。
例えば、築年数25年のRC造の建物を購入した場合の減価償却期間は以下のとおりです。
(47年(法定耐用年数)−25年(経過年数))+25年×20%=27年(減価償却期間)
ここで注意しておきたいのは、法定耐用年数はあくまでも税法上の考えであるという点です。
法定耐用年数と聞くと、その期間が過ぎてしまうと建物が使えなくなるように感じてしまうでしょう。
しかし、法定耐用年数が経過したからといって、実際の建物が壊れるわけではありません。
そのため、法定耐用年数が過ぎた建物も投資用物件として購入も可能です。
法定耐用年数が過ぎてしまった場合にも、簡易計算法を用いて法定耐用年数×20%で、減価償却期間を算出する場合が多いです。
新築物件と中古物件の減価償却の違い
新築と中古物件の減価償却方法は耐用年数の違いから大きく変わります。
新築は法定耐用年数に従って長期間で償却するため経費計上額は少なくなりますが、中古は短い期間で償却するため多額の経費を計上でき、節税効果が高まります。
新築は法定耐用年数と定額法が基本
新築物件の減価償却は、税法で定められたルールに沿って計算し、個人の場合は建物は毎年同額を費用計上する定額法を用いるのが原則です。
耐用年数は、建物の構造ごとに決められた法定耐用年数(例:木造22年、RC造47年)をそのまま適用し、長期間にわたって安定的に費用化していきます。
新築の大きなメリットは、当面の間は設備の交換リスクが低く、突発的な修繕費が発生しにくいため、キャッシュフローが安定しやすい点です。
一方で、耐用年数が長いため年間の減価償却費は少額になり、短期的な節税効果は限定的です。
このため、長期的な視点で安定した資産形成を目指す方や、初めて不動産投資を堅実に始めたい方に向いている手法といえるでしょう。
中古は短縮耐用年数で期間を見直す
中古物件の減価償却では、新築と異なり、まず耐用年数を実情に合わせて再計算します。
この計算は、合理的な見積りが難しい場合の実務的な方法として、国税庁が定める簡便法です。
- 法定耐用年数を過ぎた物件:法定耐用年数×20%
- 耐用年数内の物件:(法定耐用年数−経過年数)+経過年数×20%
なお、これらの計算結果が2年に満たない場合は、税法上、最低限の価値を考慮して耐用年数は一律で2年と定められています。
このように新築よりも意図的に耐用年数を短く設定すると、年間の減価償却費が大きくなり、短期的な節税効果を高められるのが中古物件の大きな特徴です。
これが、高所得者などが節税目的で築古物件を選ぶ大きな理由の1つとなっています。
建物と土地をきちんと分けて考える
減価償却の最も基本的なルールは、時間とともに価値が減少する建物や設備のみが対象となり、価値が劣化しないとされる土地は対象外である点です。
この大原則があるため、不動産の購入価格を建物価格と土地価格に正しく分ける(按分する)作業が、税務上とても重要となります。
その理由は、建物価格の割合が大きいほど、年間の減価償却費が増え、結果として節税効果が高まるためです。
按分は、売買契約書に記載された内訳や、固定資産税評価額の比率といった客観的で合理的な根拠に基づいておこなう必要があります。
もしこの按分が曖昧であったり、意図的に操作したりすると、税務調査で否認されるリスクや、将来物件を売却する際の税金額が想定と大きくずれる原因にもなります。
購入段階からこの点を意識し、適切に処理するのが不可欠です。
不動産投資における減価償却費の計算方法を解説
実際に減価償却費を計上する際に用いられる計算方法は主に2種類あり、それが「定額法」「定率法」です。
ここでは、2種類の計算方法について、具体例を挙げながら解説します。
計算方法1:定額法
定額法とは、1年間の減価償却費を原則、一定のものと考え、法定耐用年数に基づいて算出し計上する方法です。
定額法は、不動産投資における減価償却費の計算方法として多く用いられています。
計算式は以下のとおりです。
定額法による償却限度額=取得価額×定額法償却率
この式を理解するために、各項目を詳しく見ていきましょう。
償却限度額とは、当期の経費として計上できる減価償却費の上限額を指します。
取得価額は、建物にかかる費用と考えてください。
定額法償却率とは、耐用年数によって区分された定額法の償却率です。
定額法償却率は、減価償却費の計算において重要な数字となるため、国税庁のホームページでの確認をおすすめします。
それでは具体的な数字で計算してみましょう。
条件は以下のとおりです。
- 取得価額 3000万円
- 法定耐用年数 47年
- 定額法償却率 022
この条件を計算式に当てはめると、3000万円×0.022=66万円となります。
定額法は計算方法が単純であるため、比較的簡単にシミュレーションが可能です。
参照:国税庁 減価償却資産の償却率等表
計算方法2:定率法
定率法は、償却した金額を考慮しながら算出し、計上する方法です。
定率法の計算式は以下のようになります。
定率法の償却限度額=(取得価額−これまでに償却した金額)×定率法償却率
こちらも具体的な数字で計算してみましょう。
- 取得価額 3000万円
- 法定耐用年数 34年
- 定率法償却率 059
不動産投資1年目 3000万円×0.059=177万円
不動産投資2年目 (3000万円−177万円)×0.059=166万5570円
このように、償却率を乗じる金額が年数の経過ごとに減少していくのが定率法による計算の特徴です。
そのため、経過年数が長くなればなるほど少額になります。
また、定率法では、保証率が定められており、こちらも反映しなくてはいけません。
さらに、定率法では一定期間経過後に償却率が改定されるため、計算は複雑になります。
正確に算出したい場合は、税理士などの専門家に相談するのがお勧めです。
参照:国税庁 減価償却資産の償却率等表
不動産投資で減価償却を利用するメリット
不動産投資において、なぜ減価償却が重要視されるのでしょうか。
それは、減価償却を利用すると主に2つの大きなメリットがあるからです。
1つは「損益通算による節税効果」、もう1つは現金支出をともなわない経費計上です。
以下で、この2つのメリットについて、それぞれ詳しく解説します。
損益通算によって節税できる
不動産投資を始める際には、さまざまな費用がかかります。
特に、不動産投資の初期においては、印紙税や仲介手数料、登記費用など、手続きに関する出費が多いです。
投資用物件の購入代金を含めると損失が大きくなり赤字になるかもしれません。
不動産投資で赤字が発生した場合に役立つのが「損益通算」です。
損益通算を利用すれば、不動産投資から得られる家賃収入などの不動産所得と、給与所得など、その他の所得の利益と損失を相殺します。
副業として不動産投資をおこなっている方は、投資用不動産の運用で赤字となった場合、確定申告の際に損益通算をおこなえば、課税対象額を減額が可能です。
課税対象額が減額されると納税額も減り、節税に繋がります。
実際には支出がないのに経費計上できる
減価償却費は、実際の支払いはおこなわずに経費として計上できる便利な経費といえます。
不動産投資では、運用で得られた所得に経費を計上することで利益を減らし、税金を抑えるのが可能です。
しかし、ほとんどの経費は実際に支出をともなうため、手元に現金が残りにくいといえます。
減価償却費は会計上、経費として計上することで利益を減らし、納税額の減額ができるのに実際の支出はともないません。
つまり、減価償却費には、節税効果を得やすくなるうえに、手元に現金が残りやすいメリットがあります。
築古物件が減価償却に有利な理由
築古物件は、短い耐用年数を使って多額の減価償却費を計上できるため、不動産投資の節税戦略として有効です。
とくに所得税率が高い方ほど、帳簿上の赤字を作り出して損益通算するメリットは大きくなります。
ここでは、その理由を解説します。
年額の減価償却費を厚くできる仕組み
築古物件は、耐用年数が短く再計算されるため、新築に比べて年間の減価償却費を大きく計上できる仕組みになっています。
これにより、会計上の利益を大幅に圧縮し、所得税や住民税の負担を効果的に軽減するのが可能です。
減価償却は実際の支出をともなわないため、節税によって浮いた分だけ手元の現金(キャッシュフロー)は厚くなります。
この潤沢なキャッシュフローを、計画的な大規模修繕や次の物件購入の自己資金として再投資に回せる点が、中古物件投資が持つ最大の魅力といえるでしょう。
築古投資で失敗しない修繕と出口戦略に備える
築古物件は、修繕や空室といった特有のリスクを前提に事業計画を立てるのが成功のための重要なポイントです。
突発的な出費に備えて修繕費を予算化し、その内容が一括経費になる修繕費か、資産計上する資本的支出かの判断はとても重要です。
また、償却費が減り資金繰りが厳しくなるデッドクロスの時期や、売却時の税金(譲渡税)も事前にシミュレーションしておきましょう。
購入時から出口戦略まで見据えた計画性が、長期的な成功につながります。
向いている人と慎重に進めたい人
郊外の築古物件投資は、給与収入が安定しており、突発的な修繕にも対応できる余裕資金を持つ方に向いています。
中長期的な視点でじっくりと賃貸経営の経験を積み、駐車場や生活の利便性といった現地のリアルな需要を粘り強く検証できる方にも適しているでしょう。
一方で、本業が多忙で十分な現地確認が難しい方や、税率が高い短期譲渡を前提に考えている場合は、想定外のリスクを抱える可能性があります。
計画を慎重に見直すのをお勧めします。
不動産投資における減価償却3つの注意点
不動産投資において減価償却は、上手に活用することで節税につながるため重要な要素です。
しかし、減価償却をおこなう場合には、注意しておくべき点がいくつかありますので、以下で解説していきましょう。
売却時にかかる税金が高くなる可能性がある
不動産投資で減価償却をおこなうと、物件を売却する際に課せられる税金が高くなる可能性があるので注意が必要です。
減価償却は数年かけておこなわれるため、そのたびに帳簿価額は減少していきます。
物件を売却する際には、その売却額と帳簿価額との差が売却益となり、譲渡所得税が課せられるため、その差額が大きければ大きいほど課税額が高くなるのです。
しかし、物件を売却するまでに譲渡所得税よりも大きな節税効果を得られなかった場合、大きな損失となるでしょう。
不動産投資をおこなう際には、運用時の節税効果だけを考えるのではなく、出口戦略までしっかりと考えておくのがおすすめです。
デッドクロスが発生しやすくなる
ローンを組んで投資用物件を購入した場合、デッドクロスにも注意しましょう。
デッドクロスとは、ローンの元金返済額が減価償却費を上回っている状態です。
つまり、会計上は利益が出ているものの、資金繰りが悪化している状態を言います。
デッドクロスは、特に築年数の古い物件で発生しやすいとされています。
築古物件は、減価償却費が初期段階で大きく発生し、期間も短いのが理由です。
デッドクロスを回避するには、減価償却期間が終了した時点で物件を売却するか、新築物件や築浅物件を購入し、減価償却期間を長く取ると良いでしょう。
土地代は減価償却ができない
減価償却の大前提として、年数が経過することにより、資産価値が低下する資産である点は、先述の通りです。
投資用物件の建物部分や付属の設備などは、この条件に該当しますが、年数が経過しても資産価値が低下することがない土地は条件に該当しません。
つまり、購入した土地については減価償却ができない点を押さえておきましょう。
意外と見落としてしまうこともあるので注意が必要です。
出口の考え方と税率の基本
不動産投資は出口戦略から逆算して考えるのが重要です。
売却時の税金は、売却年の1月1日時点での所有期間が5年超か以下かで税率が大きく変わります。
一般的に長期保有の方が税率は低くなります。
所有期間で変わる税率を押さえる
物件売却時の利益(譲渡所得)にかかる税率は、最終的な手残り額に直結する重要なポイントです。
所有期間が売却した年の1月1日時点で5年以下の短期譲渡では税率が約39%にもなる一方、5年を超える長期譲渡なら約20%に抑えられます。
この1月1日時点のルールがとくに重要で、実際の保有期間が丸5年を超えていても、売却タイミングによっては短期譲渡の高い税率が適用されるケースがあるため注意が必要です。
目先の売却価格だけでなく、この税率の違いとローン残債、市場動向を天秤にかけ、総合的に出口戦略を考えるのが求められます。
デッドクロス前後の選択肢を比べる
減価償却費が減少し税負担が増えると、資金繰りが厳しくなるデッドクロスは、不動産投資における重要な転換期です。
この時期を漫然と迎えるのではなく、具体的に次のような選択肢を比較し検討してください。
- 安定した家賃収入が見込めるなら長期保有を続ける
- 月々のキャッシュフローを改善するためにローンを借り換える
- 資産を組み替えるために売却する
その時点での賃貸需要や大規模修繕のサイクルといった外部環境と、自身の投資目標を照らし合わせ、最適な道筋を選択するのが、その後の資産形成に大きく影響します。
不動産投資における減価償却の効果を高めるポイント
最後に、減価償却の効果を高めてより大きな節税効果を得るための方法を解説します。
減価償却の効果を高めるポイントは以下の3点です。
- 構造は木造を選ぶ
- 築年数が古いものを選ぶ
- 長期間(5年以上)所有する
木造物件の法定耐用年数は22年と、他の構造に比べて短く設定されています。
そのため、同じ価格と築年数の物件であれば、減価償却費を大きく計上できるのがメリットです。
築年数が古い物件も減価償却期間が短くなるため、年間の減価償却費が大きくなる傾向にあります。
特に法定耐用年数が超過した物件は、一般的に法定耐用年数×20%の期間で計算されるため、より早く減価償却を終えられるでしょう。
ただし、築年数が古い物件は、修繕に大きな費用がかかる場合や入居者が付きにくいなどの問題もあるため、慎重な検討が必要です。
購入した物件を売却する際、5年以上の長期にわたり所有していると譲渡所得税が低く抑えられます。
長期譲渡所得の場合、税率は約20%ですが、5年以内に売却した場合は短期譲渡所得となり、約40%の税率が課せられます。
その差は2倍近くになるため、物件売却を考える際には、所有期間も考慮しましょう。
※築年数が古い物件への減価償却期間の対策については、他にも方法が存在します。
弊社ではそういった方法も鑑みて、築古物件への投資も推奨しています。
郊外で成果を出すための見方
郊外の物件は、取得単価を抑えやすく高い表面利回りを提示するケースも多いため、魅力的に映ります。
しかし、都心部と異なり賃貸需要がエリア全体に広がっているわけではなく、ごく一部の場所に集中するピンポイントな市場である点を理解する必要があります。
重要なのは、地図上の駅距離だけでなく、そこに住む人のリアルな生活の想像です。
スーパーや学校へのアクセス、そして車社会である郊外では生命線ともいえる駐車場の有無や使いやすさは、入居者の満足度と長期入居に直結します。
さらに、大学や工業団地といった賃貸需要の源泉となる雇用の受け皿が地域にあるか、人口動態がどうなっているかのマクロな視点も、長期安定稼働には不可欠です。
これらの要素は空室率や家賃設定を大きく左右するため、必ず現地に足を運び、住む人の目線で厳しく確認するのが、郊外投資を成功させるための鍵となります。
付属設備の減価償却と費用計上の線引き
給湯器やエアコンといった建物付属設備は、建物本体と分けて会計処理をすると、節税効果を高められる可能性があります。
なぜなら、多くの場合、設備は建物本体(例:RC造47年)より耐用年数が短く(例:給排水設備15年)、より早く多くの減価償却費を計上できるからです。
とくに重要になるのが、設備を交換した際の費用の扱いです。
たとえば、壊れた給湯器を同程度の性能のものに交換した場合、その費用は修繕費として一括で経費にできます。
しかし、より高機能なモデルにアップグレードした場合、それは資産価値を高める資本的支出と見なされ、資産として計上し、あらためて減価償却で処理する必要があります。
この線引きをどう判断するかで、その年の納税額が大きく変わるため、国税庁の指針を事前に確認し、計画的に修繕をおこなうのが重要です。
キャッシュフロー計画でデッドクロスに備える
不動産投資を成功させるには、どんぶり勘定ではなく、将来を見据えた計画的な経営が不可欠です。
物件を取得したら、購入から最初の出口戦略までを見据えた事業計画表を作成し、お金の流れを具体的に可視化するところから始めましょう。
これは、賃貸経営における未来の羅針盤を作る作業で、具体的には以下の項目を時系列で一枚の表にまとめます。
- 年間の減価償却費の推移
- 大規模修繕の時期と費用
- ローン元金返済額
- 保守的に設定した空室率
これらの項目を1つの時系列の表に落とし込むと、キャッシュフローが厳しくなるデッドクロスの時期や、最適な売却タイミングの候補が明確になります。
事前にリスクを把握し、対策を講じると、将来の資金ショートを防ぎ、より有利な条件で次の意思決定ができるようになります。
相談先は経験者コミュニティを選ぶ
不動産投資の成功は、情報の質と量に大きく左右されます。
物件を販売する不動産会社は重要なパートナーですが、彼らの情報は売り手の視点から発信されるため、どうしても良い面ばかりが目立ってしまいます。
そこで、判断の精度を高めるために不可欠なのが、利害関係のない先輩投資家からの生きた情報です。
投資家コミュニティなどには、成功談だけでなく、想定外の修繕費や空室対策の苦労話といった、教科書には載っていないリアルな一次情報が集まっています。
こうした情報は、甘いシミュレーションの裏に潜むリスクをあぶり出し、より現実的な減価償却や修繕の計画を立てるうえで何よりの羅針盤となるでしょう。
また、既に成功している方々の経験やノウハウを惜しみなく情報共有しているコミュニティー、体系的かつ網羅的な実践ノウハウを学べる塾などで知識習得をお勧めします。
まとめ
不動産投資の減価償却は、現金支出なく利益を圧縮できる節税の要です。
新築は耐用年数が長く安定的に、中古は短い耐用年数で短期に大きく費用計上できる特徴があります。
とくに中古は高い節税効果が期待できますが、将来のデッドクロスや売却時の税金が高くなるリスクも必ず理解しなくてはなりません。
目先の節税だけでなく、購入時から出口戦略まで見据えた総合的な事業計画を立てるのが重要です。






















































