不動産投資ローンの金利相場が知りたい!金融機関ごとの金利相場や審査基準から不動産投資ローンの選び方まで解説します!

最終更新日:2024年1月17日

不動産投資の魅力は、金融機関でローンを組むことによって、自己資金以上の大きな投資ができることです。

しかし、ローンを組むと聞くと金利のことが不安になって、不動産投資を迷っている方もおられるかもしれません。

本記事では、各金融機関で扱っている不動産投資ローンの金利相場から、低金利で融資を受ける方法などを解説します。

不動産投資を始めたい方はもちろん、不動産投資ローンの金利で悩んでいる方は、ぜひ、ご覧ください。

各金融機関における不動産投資ローンの金利相場

不動産投資ローンは、金融機関が投資用不動産に対して実施する融資です。「アパートローン」や「マンションローン」と呼ばれることもあります。

不動産投資ローンを扱っている金融機関は、メガバンクから政府系金融機関の日本政策金融公庫までさまざまです。

住宅ローンと比較して、金利は高くなりますので、不動産投資ローンを組む際には比較・検討する必要があるでしょう。

ここでは各金融機関の不動産投資ローンの金利相場を紹介します。

メガバンク・都市銀行

日本においてメガバンク・都市銀行といえば、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などが有名です。これら、メガバンク・都市銀行でも不動産投資ローンを利用することができます。相場としては、一般的に1%前後とされています。

メガバンク・都市銀行の不動産投資ローンのメリットは金利の低さです。しかし、審査基準が厳しいため、不動産投資初心者にはハードルが高いといえるでしょう。

地方銀行

地方銀行の特徴は、地域に根差した経営をしている点です。メガバンク・都市銀行と比較すると金利は高くなりますが、地域の人の利用に積極的な傾向があるため、不動産投資初心者が利用するのに適しているといえます。

地方銀行の不動産投資ローンの金利相場は1〜3%前後、とされています。金利水準を公開していない地方銀行もありますので、ローンを申し込む際に確認しておくようにしましょう。

信用金庫・信用組合

地方銀行と似た性質の金融機関に信用金庫・信用組合があります。信用金庫・信用組合の不動産投資ローンを利用する際の金利相場は、2%〜3%とされており、地方銀行と比較して金利は高い傾向にあります。

信用金庫・信用組合も地域に根差した金融機関のため、その地域に非居住や投資用不動産が地域内にないと不動産投資ローンを受けられません。

その一方で、地域に居住している場合や、投資用不動産が地域内にある場合は親身に相談に乗ってくれることがあるため、ローンを組む際の選択肢として考慮しておきましょう。

ノンバンク

ノンバンクは、預金を受け付けておらず、主にお金を貸す業務を扱っています。ノンバンクと聞くと、消費者金融などをイメージしてしまい、利用は控えたいと考える方もおられるかもしれません。

しかし、不動産活用をメインとしている企業もあります。例えば、三井住友トラスト・ローン&ファイナンスやアサックスなどです。

ノンバンクの不動産投資ローンの金利相場は、3%〜6%程度となっており、地方銀行に比べると高い傾向にあります。

高金利ではありますが、融資スピードが速いこと、築古物件であっても積極的な姿勢であることがメリットです。利用を考えている場合は、シミュレーションをしっかりと行い、戦略を立てるようにしましょう。

日本政策金融公庫

政府系金融機関として知られている日本政策金融公庫からも融資を受けることが可能です。ただし、不動産投資を目的とした融資は受けることはできないため注意しましょう。

日本政策金融公庫は、銀行などの金融機関を補完し、国民生活の向上を図るのが目的のため、不動産投資ではなく不動産賃貸業として融資を申し込む必要があります。

日本政策金融公庫は非営利団体であることから、金利も低い傾向にあります。担保を提供する場合は1%前後、担保を提供しない場合でも1%後半〜2%強程度です。

金利が低いのが日本政策金融公庫から融資を受けるメリットですが、融資額は購入する不動産の評価額で決まるため、自己資金を多く確保しておく必要があります。

不動産投資ローンは固定金利と変動金利どちらが有利か

不動産投資ローンを利用する際には、金利を「固定金利」と「変動金利」から選ぶことができます。

固定金利の場合は、契約期間内は金利が変わらず、一定の金額を返済していくことになります。一方、変動金利は年に2回、金利の見直しが行われるため、返済額が変動することがあるので注意が必要です。

このような説明を聞くと、固定金利で不動産投資ローンを組んだ方が良いように思われるでしょう。しかし、変動金利は金利変動の影響を受けるため、金利が下がれば返済額が下がるというメリットがあります。

不動産投資ローンを組む際、変動金利を選ぶ人がほとんどのようです。金利に関しては、どちらが良いと一概には言えず、安定的に返済したいと考える方は固定金利を、金利変動のメリットを享受したいと考える方は変動金利を選ぶというように、自身の考え方に合ったものを選ぶと良いでしょう。

固定金利と変動金利について記載した記事があります。詳細を知りたい場合には以下の記事をご覧ください。

不動産投資ローンとは?不動産ローンの基本的な考え方や審査通過のコツを解説!

銀行・金融機関の審査基準について

ここでは、不動産投資ローンを組む際に銀行などの金融機関で受ける審査の基準について解説します。

不動産投資ローンは審査が厳しいことと、さまざまな要素を加味する必要があるため、通過するまでに早くて1週間程度、長い場合には数ヶ月かかることもあります。

投資用不動産の担保価値

不動産投資ローン審査において、投資用不動産の担保価値は重要です。不動産投資では、投資用不動産を利用して得られる収益(家賃収入など)から返済を行っていく必要があるためです。

投資用不動産の担保価値は、利回りや耐用年数、地価などを金融機関が総合的に判断し、評価します。当該不動産の空室リスクが低く、収益性が高いと判断されると審査は通過しやすく、好条件でローンが組める可能性が高くなるでしょう。

投資用不動産の資産価値

不動産投資ローンを組む際、返済不能となった場合に備えて投資用不動産には抵当権が設定されます。そのため、投資用不動産の資産価値も審査においては重要な基準です。

投資用不動産の資産価値を評価する際には、次の要素が加味されます。

交通の便が良い:駅やバス停に近いなど

生活に必要な施設が充実している:周辺に飲食店やスーパー、病院、学校などがある

建物の質が良い:耐震性や耐火性が良い

災害リスクが低い:地盤や海抜などの条件、防災対策の状況など

以上のような要素が該当すると、資産価値が高いと判断され審査が通過しやすくなると考えられます。

利用者の属性

不動産投資ローンの審査基準は、利用者の属性も重要です。不動産投資ローンは住宅ローンに比べて返済の確実性が低いことがその理由です。

利用者の属性として、年収はもちろん、職業や雇用形態、勤務先の情報、勤務年数、年齢、他社からの借入状況、滞納歴などが対象となります。

また、健康状態も審査基準とされているため、不動産投資を始める際にはご自身の健康にも配慮しておきましょう。

不動産経営者としての適正

不動産投資は、購入する不動産を運用して利益を出す必要があるため、不動産経営能力も重要です。

例えば、不動産の資産価値を高めるための判断や、収益を上げるための情報を整理する能力などが不動産経営には欠かせない能力といえます。

これらの能力を審査段階で見抜くことは難しいかもしれませんが、挨拶ができるかや話し方など、人間性を見られているということも忘れないでください。

不動産投資ローン審査を通過し低金利で利用するためには

前述の通り、不動産投資ローンの審査は住宅ローンよりも厳しく、金利も高く設定されています。そのため、できることなら低い金利でローンを組みたいと考える方もおられるでしょう。

そこで、ここでは不動産投資ローンの審査を通過し、低金利で利用するためのポイントを紹介します。

属性を上げる

利用者の属性を評価する際、返済能力が高く、安定していると金融機関が判断すれば、審査は通過しやすくなります。そのため、属性を上げておく努力をすることが大切です。

最も簡単な属性を上げる方法として考えられるのは、他社からの借入金の状況でしょう。審査では他社からの借入状況も調査されるため、審査までに借入金を返済し終えることで属性を上げることができます。

自己資金を増やす

自己資金を増やしておくと、不動産投資ローンを組む際に有利に働くことが考えられます。

融資を実行する金融機関にとっての懸念事項は、返済が滞ってしまうことです。自己資金が多い場合、空室が続いてしまい、家賃収入などが入らなくなった場合でも支払いが滞る可能性が低くなるため、金融機関の信用度は高まります。

また、自己資金から頭金を多く出すことで、低金利でローンを組める可能性があります。頭金の割合を増やすことで、貯蓄を行えるだけの返済能力があると判断され、金融機関の信用度が高まるためです。

投資用不動産の収益性を見直す

不動産投資ローンを組む際、金融機関は投資用不動産の収益性を重視します。不動産投資ローンは家賃収入を返済原資とするため、投資用不動産の収益性が返済に直結するためです。

もし、不動産投資ローンの対象となる投資用不動産の収益性が低い場合、審査を通過しにくかったり、金利が高くなったりする可能性が大きくなります。

投資用不動産の収益性を高めるためには、交通の便が良いものや住環境が良いものを選ぶようにしましょう。

事業計画書を用意する

不動産投資の実態は、不動産を利用した事業経営と言っても過言ではありません。そこで、投資を考えている不動産の情報をもとに不動産事業の計画書を作成してみましょう。

当該不動産を所有することによって得られる利益の見込みや、その利益を得るために要する経費を事業計画書にまとめます。融資先から見れば、返済の見通しが立てやすくなるため、良い印象を持ってもらえます。

融資に強い不動産会社を利用する

金融機関と提携している不動産会社は、融資に強いといえます。融資に強いとは、融資経験が豊富にあり、融資先から評価を得ていることです。

融資先から評価を受けている場合、融資実績が認められていることの証明となります。融資実績がある不動産会社であれば、通常であれば融資が難しい場合でも実績を重視して、融資を実行してくれる可能性があります。

まとめ

不動産投資ローンを利用する際、1%金利が変わるだけで返済額に大きな差が出るため、金利は非常に重要です。少しでも低い金利を選びたいというのは、誰もが考えることでしょう。

低金利で不動産投資ローンを利用するためには、金融機関の選び方や審査条件を理解することが肝心になります。その上で、投資用不動産の収益性の見直しや、利用者自身の属性を高めていくようにしましょう。

本記事を読むことで、不動産投資について、ローンを組んだ際の金利に悩んでいる方の助けになっていれば幸いです。

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