不動産投資を始めるための事前準備は?資金調達計画の立て方や注意点を解説

最終更新日:2025年6月11日
  • 不動産投資を始めるのに何から準備したらよいのかわからない
  • 不動産投資用の資金調達の方法が知りたい
  • 銀行からの融資を受ける際の注意点を知っておきたい

不動産投資を始める方に向けて、始める前に準備しておきたいポイントをお伝えしたうえで、銀行の資金調達計画の流れや自己資金のみで投資するメリット・デメリットも解説します。

この記事でわかること

  • 不動産投資を始める前の事前準備
  • 不動産投資の資金調達の種類
  • 自己資金のみで不動産投資するメリットとデメリット

不動産投資に成功するための事前準備

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不動産投資を始めるときは何から手を付ければ良いか分からない方も多いのではないでしょうか。

きちんと事前準備をしていれば、安心して投資を始められるでしょう。

ここでは不動産投資を始める前に準備しておきたい3つのポイントを解説します。

投資に関する基礎知識を入れておく

不動産投資の知識がないままいきなり投資を始めると、物件の良し悪しを判断できず赤字物件に投資してしまったり、予期しないリスクに直面したりする可能性が高まります。

これから投資を始める方は、投資に関する基礎知識を身につけるのがポイントです。

書籍やインターネットで情報収集するよりも、投資家向けのセミナーや勉強会に参加して知識を身につける方法がお勧めです。

セミナーや勉強会では専門家や投資経験者が講師となり、投資を成功させるために必要な知識とは何かを教えてもらえます。

最新の不動産投資市場や法改正などの最新の動向も把握できるのもメリットになります。

不動産投資を始める理由を明確にする

投資を始めるきっかけは人それぞれです。

不動産投資を始める目的が副収入や老後の収入源にしたいからか、相続や税金に備えてなのかで投資の手法も変わるでしょう。

目的を曖昧にしたまま不動産投資を始めてしまった場合、戦略が立てられず、一貫性のない投資をするおそれがあります。

目標を明確にすると目標にしている収益を得るまでの戦略が立てやすく、何かリスクが生じた際に適切な状況判断ができます。

これから投資を始める際は、投資する目的を明確にし、どのくらい収益を目指すのかを決めるのが大切です。

投資資金を確保する

投資を始めるにあたって多額の資金が必要です。

不動産投資では投資物件の購入や購入後の建物の管理など、様々な費用がかかります。

投資物件1件につき数千万円から数億円かかるため、その分は用意しておきましょう。

自己資金で足りない分は、基本的には銀行から融資を受けて資金調達するケースが多いです。

どの金融機関に融資を実行してもらうかで検討している方は、不動産投資の経験者から紹介してもらう手段があるでしょう。

経験者は金融機関の情報も詳しく知っているため、どの金融機関がお勧めなのか教えてもらえます。

金融機関からの資金調達計画の流れと注意点

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投資物件の決定から融資を受けるまでには書類の提出や審査などいくつかの工程があります。

資金調達をスムーズにするには一連の流れを理解しておくのが望ましいです。

ここでは、金融機関から資金調達するまでの一連の流れと注意点を解説します。

物件と個人に関する情報の提出

投資したいマンションやアパートを決定したら、銀行の審査担当者に物件概要書やレントロール、登記簿謄本・公図、物件地図などの物件情報を提出して事前審査をします。

物件情報を提出する理由として、投資物件の収益性を評価するためです。

収益性が低い物件は、安定した家賃収入が見込めず、融資を実行しても返済が滞る可能性が高いです。

したがって、投資物件の立地と築年数、間取り、想定される賃料から、収益性を審査します。

事前審査では、融資を受ける方が月々の返済により生活に大きな影響を与えないかの返済能力も見られます。

返済能力を証明する書類として、3年分の源泉徴収票と借入の返済予定表、本人確認書類が必要です。

事前審査の結果が来たら本審査を行う

約2週間から1か月で事前審査の結果が届き、書類には融資の可否や借入可能額、金利が記載されているでしょう。

事前審査の通過で100%融資が認可されたわけではありません。

融資の実行には、本審査の承認が必要となります。

本審査は事前審査よりも細かくチェックされるでしょう。

もし審査期間中に新規の借入があったり、会社を退職したりすると本審査が非承認となる可能性が高いです。

本審査で落ちてしまった際は、再度銀行を探して事前審査の手続きから始める必要があります。

資金贈与は課税される点に注意

銀行の融資が受けられるかどうか不安になり、友人から金銭を借りたほうがよいのではないかと考える方がいます。

日本では家族や親族間でも、投資用の資金を贈与されると贈与税の課税対象です。

贈与税とは、1年で基礎控除額の110万円以上の財産を贈与した場合に、贈与を受けた方へ課せられる税金です。

贈与税の税率は高額であり、納税への金銭的負担が発生するため、資産贈与は避けるのを推奨します。

複数人で出資すると共有持分になる点に注意

たとえば3,000万円の投資用物件に対して1人あたり1,500万円ずつ出し合い2人で購入すると、それぞれの持分が1/2ずつ所有権を得ます。

共有持分の物件を売却したり、建て替えたりするときは、双方の同意が必要です。

もし、どちらかが反対した場合は売却できなくなるため、自由度が下がってしまう点に注意してください。

自己資金のみで投資するメリット・デメリット

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自己資金とは、手持ちの資金で投資にかけられる金額を示します。

預貯金や退職金、株式などから捻出したり、自動車や骨董品などの資産から得たりした金額が該当します。

高額の資産を有している方や企業の経営者であれば、投資物件を現金一括で購入する方が多いです。

また、小規模物件や地方にある物件は比較的安価で購入できるため、自己資金で買えるケースもあるでしょう。

ここでは、自己資金のみで投資する場合の3つのメリットと3つのデメリットを解説します。

ローン返済の負担がかからない

通常銀行から融資を受けた際は、金利分もあわせて返済する必要があります。

金利には固定金利と変動金利があり、変動金利の場合は経済状況に合わせて金利が変わるため、金利が上がると返済額も増えるでしょう。

自己資金のみの投資であれば、ローンの返済や金利の変動リスクを考える必要がありません。

また、収支計算の方法が、家賃収入と維持費、税金と単純化され、将来的に収支がどのようになるのかを予測しやすくなります。

これから不動産投資を始められる方にとっては、今後どのように動けばよいかの戦略が立てやすくなり、安心感が得られます。

資金の自由度が高い

ローンの返済がない分、収益分の使い道の自由度が高いのがメリットです。

収益分を事業拡大や他の投資へと充てたり、緊急での修繕が必要な際の資金に充てたりと柔軟な対応が可能です。

不動産売却や資金の引き出しにおいても制限がないため、意思決定が迅速にできます。

好きなタイミングで投資が始められる

銀行の融資を受ける場合は、事前審査と本審査の手続きをしなければなりません。

必要な書類を揃えたり、金融機関に出向いたりする必要があるため、投資を始めるまでに時間がかかりやすいです。

融資が実行されるまでの間に、他の方が先に物件を購入されてしまったケースもあるでしょう。

自己資金のみの投資であれば、審査の結果を待つ必要がなく、好きなタイミングで始められます。

購入できる物件が限られる

通常、立地条件が良くて建物の状態も良好、さらに維持費もかからない物件は、資産価値が高く、高価になります。

自己資金で投資物件を購入する際は、自己資金よりも高い物件には手が出しにくいでしょう。

もし好条件の物件が見つかっても、予算が足りない状況であれば諦めなければなりません。

自己資金で購入する方法は、銀行からの融資を受ける方法よりも、購入できる投資物件数が限られてしまうデメリットがあります。

また、小規模物件や地方の物件では保有戸数が少ないうえに需要も少ないため、多額の家賃収入は見込めない可能性が高いのもデメリットとなります。

団体信用生命保険の恩恵が得られない

ローンを利用する場合は団体信用生命保険の加入が可能です。

団体信用生命保険とは、契約者が返済中に亡くなったり、病気や事故で高度障害状態となったりして、支払いが難しいときに保険金としてローンの残債が免除される制度です。

たとえば、3,000万円の投資物件をローンで購入し、団体信用生命保険の契約者が亡くなった際は、ローンが完済され、家族に3,000万円の不動産を残せます。

もし自己資金のみで投資物件を購入した場合は、団体信用生命保険の恩恵が受けられないため、投資家が病気や事故に遭っても、相続人が負担を背負う形となります。

手持ちの資金が減る

自己資金へ投じた分だけ手持ち資金が大きく減るでしょう。

不動産投資では2軒目、3軒目と規模を拡大していくと高収入が目指せる可能性が高いです。

しかし、2軒目以降の融資を受けたくても、手持ちの資金が少ないのを理由に融資を断られる可能性があります。

1軒目の投資実績が好調でしたら、2軒目以降の融資も期待できますが、実績が好調でなければ審査にとおりにくくなります。

このように手持ち資金が少ないと、今後の投資計画でまとまった現金が必要になったときに柔軟性が失われやすいです。

レバレッジ効果のメリットとデメリット

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レバレッジ効果とは、ローンを組んで自己資金以上の物件を購入し、リターンを得る効果です。

ここでは、レバレッジ効果を活用して投資するメリットとデメリットを3つ解説します。

関連記事:「不動産投資のレバレッジ効果とは?活用のポイントや逆レバレッジ回避補法を解説

少額の自己資金で早く投資が始められるのがメリット

融資を受けなければ、投資物件を購入する資金が貯まるまで投資がスタートできません。

投資を始めてからは、ある程度のスピード感が求められるでしょう。

レバレッジ効果を活用する方法は、自己資金のみでは買えなかった高額な物件を購入でき、早く投資を始められるのがメリットです。

たとえば、年間100万円貯められると仮定した場合、100万円貯めてから投資を始めるのと500万円貯めるまで待つのでは、投資を始める期間に5年の差があります。

早く始められるとローンの完済時期が早くなり、貯めた400万円を別の投資へ充てられるメリットもあります。

リスクを分散しながら投資できる

融資を受ける方の信用情報が高く、融資での借入可能額が多い状況では、手持ち資金を残しての不動産投資が始められるでしょう。

金利の変動が生じたり、空室で家賃収入が低下したりするリスクが生じても、自己資金での対応が可能です。

自己資金があると残債の一部を予定より早く返済する繰り上げ返済にも充てられるため、返済期間や月々の返済額が短縮されます。

逆レバレッジが起きる可能性がある

逆レバレッジ効果は、利回りよりローンの金利が高くなる状態を意味します。

経済情勢の変化や空室、経年劣化で家賃収入が下がるのが主な原因です。

金利が高くなると返済額が増えるため、損失の金額が大きくなるでしょう。

レバレッジ効果を利用して不動産投資する際は、長期的に見ても収益性が見込める物件を選ぶのがポイントになります。

まとめ

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これから不動産投資をされる方は、いきなり投資物件を探すのではなく、投資に関する基礎知識を身につけつつ、投資を始める目的を明確にし計画を立てましょう。

金融機関から資金調達する場合は、事前審査と本審査に通過する必要があります。

審査担当者に物件情報と融資を受ける方の情報を提出しましょう。

また、不動産投資は物件を買って貸すだけと思われがちですが、実際には融資や税金、空室対策など、幅広い知識と判断が求められます。

塾や会などに参加する事で、基礎から実践的な内容まで体系的に学べるほか、講師や仲間との交流を通じて、リアルな事例や経験談を吸収することができます。

また、一人では気づけないリスクや改善点も、客観的なアドバイスによって早期に気づけるのも大きなメリットです。

安心して第一歩を踏み出すためにも、塾への参加はとても有効な選択だと思います。

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