今後の不動産市場を予測して不動産投資をするメリットとデメリットを解説
- これから不動産投資を始めて利益は出せる?
- 不動産の2024年問題で不動産投資は打撃を受けている?
- 不動産投資をするうえで知っておくべきことはある?
本記事では不動産投資を始めようか悩んでいる方へ、現在の不動産市場の実態をお伝えしたうえで、今後の予測と投資を始める前に知っておくべき知識を解説します。
この記事でわかること
- 2024年の不動産市場の実態
- これから予測される不動産市場の変化
- 不動産投資のメリットとデメリット
目次
2024年の不動産投資市場
結論からお伝えすると、2024年の不動産投資市場は2023年の現状維持もしくは上昇すると予測されています。
現在は日本国内・アメリカを中心とする世界全体で低金利が続いているため不動産投資家たちは積極的に取引を進めているのが現状です。
また、世界的にもビジネスやカルチャーで注目されている東京の中古マンション価格は2013年〜2022年まで上昇し続けており海外投資家たちからも人気を集めています。
「不動産の2025年問題」による影響
2025年は、第一次ベビーブーム(1947年〜1949年)に生まれた世代が2025年に75歳以上の後期高齢者になる年です。
社会全体では、医療費や社会保障費の増加・現役世代の負担・人材不足などの問題を抱えるおそれがありますが、不動産投資市場にも影響が出ます。
空き家が増加する
不動産の2025年問題では、配偶者を亡くした高齢者が子どもの家・施設に住み替えをしたり、一人暮らしの高齢者が亡くなったりして空き家が増えるといわれています。
実際に、直近の調査では全国の空き家率は13.6%で、7棟に1棟は空き家の状態です。
少子高齢化が改善されない限りは空き家率が増え続けますが、空き家に対しては固定資産税を追加したり管理しないとペナルティが課せられたりします。
よって空き家を手放そうとする人が増えているため、不動産市場の供給数が増えて価値が下落する可能性があります。
相続不動産が市場に出回る
空き家の増加に通ずる問題が相続不動産の増加です。
マイホームを所有している高齢者が亡くなると法定相続人が不動産を引き継ぎますが、住んでいるエリアが離れていたりすでにマイホームがあったりすると使い道がありません。
空き家として所有すると税金・維持費が高くつくため、早めに売却して現金化しようと考える人が多く、結果的に不動産市場に相続物件が多く出回る事態に直結します。
立地適正化計画による街の縮小
日本政府は少子高齢化による人材不足を解消するために、医療・福祉・教育・商業施設などを1つのエリアにまとめて生活の利便性を高める立地適正化計画を推進しています。
全国各地で少ない世帯数が点在する状況ではインフラ整備の費用が高くつくうえ、雇用の機会・行政や民間のサービスを維持するのが困難です。
そこで街をコンパクト化させて人材不足を解消させようとしていますが、結果的に1つの地域に人が集まるため計画対象外の地域では空き家問題が深刻化するでしょう。
人手不足により新築物件価格が高騰する
少子高齢化による人材不足は建築業界にも大きな影響を与えており、建築業界の劣悪な労働環境が問題視され、2024年に労働時間の上限が設けられました。
労働時間見直しにともない人材不足・人件費と建築費の高騰・労働制限によって、今まで以上に家を建てるための費用は高額になると予想されます。
人材不足が解消されなければ人件費・建築費が高騰するのみにとどまらず、工事期間が伸びたり施工精度の低下を引き起こしたりするリスクも懸念されます。
不動産価値が二極化する
東京のような都心では不動産価値は高騰している一方で、空き家が増え続けている地方では買い手が見つからずに不動産価値が暴落しているのが現状です。
2025年に後期高齢者が一気に増えるのであれば、さらに需要のある不動産と需要のない不動産が明確に分かれてくるでしょう。
ただし、日本政府が推進している立地適正化計画は人口減少が問題視されている地域が対象のため、システムがうまく機能すれば二極化は先延ばしにできる可能性があるでしょう。
不動産投資市場の予測
日本国内の不動産投資市場は、今まで高騰し続けていますが、ここからは現状維持・緩やかな下落になると予測されています。
住宅ローンの低金利が不動産市場の活性化に大きく貢献していたものの、2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除すると発表しました。
2024年中盤になっても金利が大幅上昇しているわけではないものの、住宅ローンの金利が高くなれば投資に参入する人も減少するため物価の高騰も落ち着くでしょう。
さらに現在は円安が続いているため海外投資家たちからの注目度も高いですが、円安の動きが変われば、今のような需要の高さを維持できるとは限りません。
不動産投資を始めるべきか
不動産投資を検討しているのであれば、できるだけ早く始めるのが得策です。
現在は低金利な住宅ローンと円安の影響で、日本国内に限らず海外の投資家もお得に不動産を所有できるため、需要が高い状態が維持されてます。
不動産市場はいつまでも右肩上がりを維持できるわけではないため、日銀の政策や円安の動向が大きく変化が起こる前に投資を始めた方が賢明といえるでしょう。
今後に不動産投資を始めるメリット
今後、不動産投資を始めるメリットを2つ紹介します。
働き方の多様化で大都市圏以外も注目されている
日本国内では、コロナ禍を経て各企業がリモートワークを推進していたり、自由業・フリーランスを選ぶ人が増えたりしているのが現状です。
今までは東京など大きな都市に住んで仕事をしなければ所得を増やせないと懸念されていたものの、これからは地方に住みながら好きな仕事をできるチャンスが増えてきます。
よって、空き家が増えている地域でも自然の豊かさやのどかな田舎生活に関するアピールをできれば不動産経営がうまくいきやすいでしょう。
金融緩和が継続されている
2024年3月の時点で日銀は金融緩和政策を解除すると発表したものの、現時点では具体的に利上げがされておらず低金利で不動産投資ローンを組めます。
不動産投資市場では金利の動向は大きな影響を及ぼしますが、現状の低金利が維持されている間は、極端に不動産価値が暴落する可能性は低いです。
ただし金利に関しては日本国内のみならずアメリカなど全世界での変動を見たうえで、為替にどう影響するか判断しなければなりません。
今後に不動産投資を始めるデメリットと対策
今後不動産投資を始めるメリットをお伝えしましたが、必ずしも良い点だけではありません。
5つのデメリットを知ったうえでそれぞれ対策方法を知っておく必要があります。
金利の上昇リスク
2024年3月、日銀は金融緩和政策解除を発表したため、これから利上げが始まるのであれば不動産市場の需要は減少するおそれがあります。
ただし現時点で変動金利の利上げは確認されておらず、アメリカの金利も一時上昇したものの落ちついており、このまま低金利が維持されれば問題ないでしょう。
円安の影響が長引くのであれば海外投資家からの注目度が下がって市場にも影響が出る可能性があるため、常に為替と金利を注意深く確認するのが重要です。
人口減少の激化
日本が抱える少子高齢化と人口減少は、空き家・相続不動産を急増させる一因になっており、仕入れる不動産の立地や条件によっては負債になる可能性があります。
東京のタワーマンションなどの高級エリアは、海外投資家からの注目度が高いエリアにはなりますが、地方の物件は特有のニーズを正確に把握しなければ不利になります。
働き方の多様化により大都市圏一強の時代は終わりつつあるからこそ、地方の持つ魅力・事情を積極的にアピールするのがポイントです。
日本経済の停滞
不動産市場は経済状況が大きく影響する分野であり、社会全体でお金が回らない状況が続くと節約ムードが高まり不動産の需要も減少するのが一般的です。
一方で経済状況がよければよりよい住環境を求めて引越しをしたり、新しい会社が数多く設立されて事業用の不動産の需要が高くなったりします。
どんなに安く物件を仕入れられても借り手・買い手が見つからなければ利益にはつながらないため、経済状況を見ながら不動産市場の流れを分析しましょう。
国際情勢の悪化
海外からも注目されている不動産市場に参入するのであれば、海外情勢の流れで価値が暴落する可能性がある点を頭に入れておきましょう。
日本国内の投資家と海外の投資家は異なる動きをするケースも少なくありません。
日本の経済が大きく変動しなくても、海外で戦争・経済停滞などが起きれば自国の状況を理由に海外投資家が突然撤退するリスクも出てきます。
そのため、日本に直接的な影響がなくても国際的に大きな情勢の変化があれば不動産投資市場への影響を常に懸念するように意識を払いましょう。
自然災害による被害
日本国内で不動産投資をする場合、所有している物件が自然災害の被害に遭うリスクがあると将来的に高額な損害をうむ可能性があります。
もちろん火災保険・地震保険などに加入するのは前提として、さまざまなリスクヘッジをするのであればランニングコストは高くつくでしょう。
さらに実際に被害に遭った場合は、補填してもらえても賃貸ビジネスなどでは一時的に収益がストップするため、物件選びから注意するのがポイントです。
まとめ
日本国内の不動産市場は、10年以上不動産価値が上昇し続けているのが現状ではありますが、今後は「2025年問題」の影響もあり流れが変わる可能性があります。
日銀の金融緩和政策解除による金利の変動や円安が続く状況で海外投資家たちの撤退が懸念されているものの、直近では不動産価値は上昇・維持されています。
今後、不動産投資を検討しているのであれば、広い視野を持って国内外の情勢を見たり地域ごとの物件の特性を的確に把握したりなどの対策をすれば十分な利益を出せるでしょう。