マンション投資をするなら新築と中古どちらが良い?それぞれのメリット・デメリットを解説
- マンション投資に挑戦してみたいが、新築と中古どちらを選べばいい?
- 新築と中古、それぞれのメリットやデメリットを知りたい
- 新築と中古、自分はどちらの投資に向いている?
マンション投資は大きく分けて、新築マンションに対する投資と中古マンションに対する投資の2種類があります。
この記事では、新築・中古マンション投資それぞれのメリット・デメリット、それぞれに向いている方、マンション投資に失敗しないためのポイントを解説します。
マンション投資への挑戦を検討している不動産投資初心者の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 新築マンションに投資するメリットとデメリット
- 中古マンションに投資するメリットとデメリット
- それぞれの投資に向いている方
目次
新築マンションに投資するメリット
新築マンションに投資するメリットは、以下のとおりです。
- 空室リスクが低め
- 家賃が下がりにくい
- ローン審査に通りやすい
- 修繕費が発生する可能性が低い
- 付加価値が高い(新築プレミアム)
- 売却しやすい
それぞれ解説していきます。
空室リスクが低め
新築マンションの大きなメリットの1つとして、空室リスクが低い、という点が挙げられます。
マンション投資において、空室期間の長さは収益性に直結する要素で、特に注意が必要なリスクです。
入居者が見つからない期間が続くと、その間は家賃収入が得られず、ローン返済や管理費だけを払い続ける状況になってしまいます。
その点、最新の設備や清潔感のある内装を備えた新築マンションは魅力的に映りやすく、人気が高まりやすい傾向があります。
交通アクセスのよい、利便性の高い地域に建設されるケースが多い点も、空室リスクが低くなりやすい理由の1つです。
ローン審査に通りやすい
新築マンションに限らず、マンション投資をおこなう際は不動産投資ローンを利用するのが一般的です。
審査では本人の年齢や年収、勤続年数などが評価されますが、それに加えて物件自体の資産価値も重要な審査基準となっています。
融資を受ける際は担保として購入物件に抵当権が設定されますが、その物件の価値が高くなるほど貸し倒れリスクを抑えやすいと判断されるためです。
その点、経年劣化のない新築マンションは資産価値が高く、金融機関からの評価も良好です。
審査に通りやすくなるのはもちろん、融資額や借入期間など、有利な条件も引き出しやすくなるでしょう。
修繕費用が発生する可能性が低い
新築マンションへの投資は、修繕費用の面でも大きなメリットとなります。
新築マンションはその名の通り、建物全体ができあがったばかりの最新の状態です。
配管や外壁、水回りなどの劣化がなく、大きな修繕が必要となる可能性は低いといえるでしょう。
設備の故障や交換のリスクも同様に低く、突発的な支出に悩まされにくいです。
メンテナンスにかかるランニングコストも、少なく抑えられます。
付加価値が高い(新築プレミアム)
新築マンションには、「新築プレミアム」と呼ばれる特有の付加価値が発生します。
新築物件はもちろん、築5年以内の物件であれば新築に近い状態と見なされるため、高い付加価値が反映されやすい傾向があります。
そのため新築マンションは、価値を高く評価されやすいだけでなく、入居率や売却のしやすさなど、さまざまな面でも有利に働きやすいです。
新築を希望する入居者も多いため、成約率の高い新築物件を優先して紹介する不動産会社も多く見られます。
さまざまな賃貸物件を検索できる不動産ポータルサイトにおいて、物件を探す際の表示条件に「築年数が新しい順」が含まれている点を見ても、新築の価値の高さが伺えるのではないでしょうか。
売却しやすい
買手を見つけやすく、スムーズに売却しやすい点も、新築マンションの大きな魅力です。
マンション投資を検討する際には、将来的な売却のしやすさ、いわゆる出口戦略の立てやすさも重要なポイントとなります。
購入後の状況の変化や、利益確定のために物件を手放す場面では、いかにスムーズに売却できるかどうかが重要となるでしょう。
その点新築マンションは、建物の状態や設備、外観などの劣化も少なく、買い手にとって魅力的に映りやすいため、需要が安定している特徴があります。
中古マンションに比べると修繕の必要性が少ないという点も、大きな魅力でしょう。
築年数が浅いうちに売却すれば、新築プレミアムの効果が残っている可能性もあり、その分だけ価格の下落も抑えやすくなります。
新築マンションに投資するデメリット
魅力的な面が多い新築マンションですが、残念ながらデメリットも相応に存在しています。
具体的には、以下の通りです。
- 価格が高く購入しにくい
- 物件数が少ない
- 利回りが低くなりがち
- 家賃や資産価値の下がり幅が比較的大きい
より良い投資をおこなうために、デメリットについても詳しく確認していきましょう。
価格が高く購入しにくい
新築マンションは一般的に割高で、購入しにくいデメリットがあります。
物件の販売時には、広告宣伝費や人件費などの販売コストが価格に上乗せされるため、似た条件の中古物件と比べると、高額になりがちです。
新築プレミアムによるさまざまな付加価値も、価格を引き上げる大きな要因となっています。
初期費用の負担が大きくなりやすいため、物件選びに慎重さが求められるでしょう。
新築の魅力に惹かれて安易に購入を決めるのではなく、収益性や将来性などもを見極めたうえで、長期的な視点で検討するのが好ましいです。
流通が少ない
新築マンションへの投資には大きな魅力がありますが、一方でデメリットとして注意すべきなのが、物件数の少なさです。
中古マンションの物件数と比べると、新築マンションは市場に出回る数が圧倒的に少ないため、購入可能な物件の選択肢も狭くなり、立地や間取り、周辺環境など、希望条件に合致する物件を見つけるのが難しくなりがちです。
そのため新築にこだわりすぎると、物件選びで妥協してしまう可能性が高くなってしまいます。
不動産投資において、物件選びは成否を分ける重要なポイントの1つです。
冷静に市場全体を見渡し、柔軟に物件選びができるよう意識してみてください。
利回りが低くなりがち
利回りとは、投資した金額に対して得られる収益の割合です。
不動産投資では、物件の良し悪しを判断するうえでの重要な指標の1つとして用いられています。
購入価格が高めな新築マンションは、この利回りが低くなってしまう傾向があるため、注意が必要です。
利回り(表面利回り)は、以下の計算式で求められます。
利回り(%)= 年間家賃収入 ÷(購入価格 × 100)
この計算式からもわかる通り、物件の購入費用が高くなるほど、購入費用を回収するまでに時間がかかってしまいます。
なお実際に物件の運用を始めた場合は、物件を維持するための費用も発生してしまう点に注意してください。
このように費用も考慮した利回りを、実質利回りといいます。
実質利回りの計算式は、以下の通りです。
実質利回り(%)=((年間家賃収入 - 年間経費)÷ 購入価格)× 100
新築物件はプレミアムの影響で家賃が高めに設定されている場合もあるため、表面利回りが高めになるケースが見受けられます。
新築マンションについては、実質利回りも確認したうえで購入を検討するのがおすすめです。
家賃や資産価値の下がり幅が比較的大きい
マンションの家賃や資産価値は、新築時がもっとも高く、築年数の経過にともなって低下していきます。
以下の画像は、三井住友トラスト基礎研究所が2013年に発表した、「Report 経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」からの引用です。
新築から築10年までは10〜20%、新築から20年までは30%前後の下落が見られるケースもありますが、この画像からもそれが読み取れるかと思います。
資産価値も家賃と比例して低下していくため、新築で購入したマンションを売却する場合は、価格が大幅に下落している可能性が高いです。
大規模修繕などによって価値を回復させる場合もありますが、基本的には価格の下落は避けられないと考えたほうが良いでしょう。
新築マンションの購入を検討する際は、このような家賃や資産価値の下落リスクについても、しっかり検討しておく必要があります。
中古マンションに投資するメリット
中古マンションに投資をするメリットは、以下のようにさまざまです。
- 価格が手頃で購入しやすい
- 物件数が多い
- 利回りが高め
- 家賃や資産価値の下がり幅が緩やか
- 収益予測が立てやすい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
価格が手頃で購入しやすい
中古マンションは、新築に比べて購入価格が手頃である点が大きなメリットです。
新築プレミアムの効果も失われているため、実勢に即した価格で取引される傾向があります。
中古マンションは築年数が経過している分、すでに価格が下がった状態で流通しているケースが多く、特に築30年を超えると価格の下落が緩やかです。
そのため資産価値が安定しやすく、将来的な価格変動のリスクも抑えやすい特徴があります。
少ない資金でも購入しやすく収益予測も立てやすいため、投資初心者にもおすすめです。
物件数が多い
中古マンションの物件数の多さは、物件選びにおいて大きなメリットとなります。
新築マンションは物件数が少ない分、立地や間取り、価格帯など、条件面で妥協しなければならない可能性が高いです。
ですが中古マンションはさまざまなエリアに多数存在し、選択肢が豊富にあります。
自身の投資戦略や将来的な収益計画に合わせて柔軟に物件を比較・検討できるため、後悔のない物件選びがしやすくなるでしょう。
特定の地域に絞って探したい場合や、利回り重視で物件を選定したい場合にも、中古マンションであればニーズに合った物件を見つけられる可能性が高いです。
このように選択肢の広さは、不動産投資での成功を目指すうえでの大きなアドバンテージになるでしょう。
利回りが高め
新築マンションに比べて利回りが高めな点も、マンション投資において大きなメリットとなります。
購入価格が低く設定されている分、同条件の新築マンションに比べた場合、中古マンションのほうが利回りが高くなりやすいです。
また、築年数が経過している物件ほど、入居率や家賃推移などのデータも、多く蓄積されています。
そのため収益性を把握しやすく、将来的な収支の見通しも立てやすいです。
中古マンションの実績に裏付けされた利回りの高さは、投資先を検討するうえで大きな魅力となるでしょう。
家賃や資産価値の下がり幅が緩やか
家賃や資産価値の下がり幅が緩やかで、下がり幅が少ない点も、中古マンションのメリットの1つです。
新築マンションの場合、築10年までに10〜20%程度家賃が下落してしまうケースが多いですが、中古マンションはすでに下落が進んでいる分、下がり幅が緩やかです。
特に築30年を超えると、資産価値が横ばいになるケースも見られます。
築年数の増加にともない、維持管理費用や修繕費用が増加する傾向はありますが、資産価値に比例して家賃の変動もしにくいため、対策次第では安定して収益を生み出し続けられるでしょう。
大規模修繕がおこなわれた直後など、価値の一時的な上昇タイミングにあわせて売り出せば、売却益を狙うのも可能です。
中古マンションに投資するデメリット
購入費用や収益の安定性が魅力的な中古マンションですが、もちろんデメリットも存在しています。
- 空室リスクが高め
- ローン審査が不利になる可能性がある
- 修繕費用が発生する可能性が高い
- 売却しにくい
1つずつ確認していきましょう。
空室リスクが高め
築年数が経過しており、設備や内装も古くなりがちな中古マンションは、新築マンションに比べると空室リスクが高めです。
物件そのものの魅力が薄れてしまうと、周辺の競合物件に入居希望者が流れやすくなり、空室が長期化してしまう可能性があります。
周辺地域での新しい開発計画やアクセスの向上などの影響で、地域全体の賃貸需要が低下してしまっているケースも少なくありません。
そのような場合では、大規模修繕やリノベーションをおこなっても、それに見合う投資効果が得られない可能性があります。
中古マンションへの投資を検討する際は、物件そのものの賃貸需要だけでなく、地域全体の将来性についても十分に考慮する必要があるでしょう。
ローン審査が不利になる可能性がある
不動産投資ローンの審査では、個人の属性だけでなく、物件の担保価値も重視されます。
中古マンションは経年劣化にともなって資産価値が低下しているケースが多い分、金融機関が評価する担保価値も、相対的に低くなりがちです。
特に築年数が古い物件ほど、建物の劣化や修繕リスクも懸念されるため、融資額が希望より少なくなる、金利条件が厳しくなる、といった影響を受けやすくなります。
あまりに築年数が古い物件や、再建築不可などの不利な条件を持つ物件の場合、金融機関の融資対象から外れてしまう可能性すらあるため、特に注意が必要です。
修繕費用が発生する可能性が高い
中古マンションへの投資では、修繕費用が発生する可能性が非常に高いです。
築年数が経過した物件ほど、外壁や屋上防水、共用部の設備などに経年劣化が見られる割合が多く、突発的に修繕工事が必要になるケースも少なくありません。
特に長期修繕計画や修繕積立金が不十分な場合には、物件購入後に修繕積立金が大幅に値上げされてしまう可能性もあります。
ランニングコストの増加は、利回りの低下やキャッシュフロー悪化の原因につながりやすいので、購入前に修繕リスクを盛り込んだシミュレーションをおこなっておきましょう。
売却しにくい
買い手が見つかりにくく、売却しにくい点も、中古マンションの大きなデメリットです。
築年数が経過するほど物件の資産価値は下がりやすく、需要も限定的になる傾向があります。
特に築古物件は、購入後に大規模修繕やリノベーションが必要となる可能性があるため、買い手にとってはコスト面でのリスクが高く映りやすいです。
スムーズな売却のために、大規模なリノベーションが必要になる場合もあるでしょう。
人口の減少が続いている地域や、賃貸需要が低下している地域では、購入当時に見込んでいた売却価格を大きく下回る可能性もあります。
このようなケースでは、大規模な修繕やリノベーションの効果も薄くなりがちです。
中古マンションに投資する場合は、より一層の入念な調査と、将来性の予測が必要になるでしょう。
新築マンション投資がおすすめな人
新築マンション投資は、安定して高い収入を得ている方や、物件管理に手間や費用をかけたくない方に向いています。
できたばかりの新築物件は、購入後に修繕工事が発生する可能性が低く、中古マンションに比べて管理に手間やコストがかかりません。
建物の新しさが入居者に安心感や魅力を与えるため、空室リスクも低く、毎月安定して収入を得やすくなるでしょう。
その分だけ購入費用が高額になりがちなため、高い年収や資産が求められます。
年収が高いほど不動産投資ローンも利用しやすく、資金的な余裕を持ちやすいため、割高な新築マンションでも長期的な視点でカバーしやすく、堅実な資産形成を目指せるでしょう。
一方で、新築プレミアムの存在や利回りの低さといった側面もあるため、投資に関する十分な知識や戦略を持たない初心者の方には、あまり向きません。
中古マンション投資がおすすめな人
中古マンション投資は、初期費用を抑えて効率的に運用したいと考える方におすすめです。
新築物件に比べて価格が手頃なため、少ない資金でも始めやすく、利回りも高めな傾向があります。
すでに賃貸実績のある物件であれば、入居率や家賃の相場などのデータを参考にでき、収支の見通しも立てやすくなるでしょう。
築年数がある程度経過した物件は、家賃や資産価値の下落幅が緩やかになるため、安定して運用しやすいです。
ただし、突発的な修繕が発生する可能性があるほか、空室リスクも相応に高いため、物件に応じた適切な対処が求められます。
立地や管理状況、過去の修繕履歴をしっかり確認し、条件に合った物件を見極める目が必要になりますが、初期費用が少ない分だけリスクも低く、安定した投資を求める方や、不動産投資初心者の方にもおすすめです。
マンション投資で失敗しないためには
マンション投資で失敗しないためには、さまざまな知識や経験が必要不可欠です。
投資に関する基礎知識はもちろん、不動産投資ローンや税金に関する知識、投資物件の見極め方、調査方法、出口戦略など、非常に多岐にわたります。
そのため初心者の方は、専門家のアドバイスを受けながら学びつつ、経験を積み重ねていくのがおすすめです。
不動産の専門家といえば不動産会社を連想するかもしれませんが、不動産会社はあくまでも営利企業であり、利益を出すのが存在理由です。
そのため利用者や相談者の利益よりも、自社の利益を優先してしまいがちで、相談先としてあまり適当とは言えません。
その点、すでに不動産投資で結果を出している経験者は、アドバイスを受ける存在としてうってつけです。
不動産投資セミナーや不動産投資の塾に参加すれば、不動産投資経験者の成功体験だけでなく、貴重な失敗談や、経験に基づくアドバイスに触れる機会も多くなるでしょう。
マンション投資に失敗しないためには、典型的な失敗例を学ぶのが効果的です。
可能な範囲でセミナーや勉強会、塾などに参加し、ぜひ多くの経験者の話を聞いてみてください。
まとめ
新築マンション投資と中古マンション投資には、それぞれメリット・デメリットがあります。
闇雲に新築物件ばかりに投資するのではなく、それぞれの特徴を理解し、ご自身の投資目的にあった物件を選ぶのがおすすめです。
利回りや出口戦略についても、忘れずに確認しましょう。
弊社ではマンションに限らず、戸建てや中古アパートを含めたさまざまな不動産の買い進め方に関するレクチャ―を始め、定期的なセミナーや塾も開催しております。
これから不動産投資を始めたいという方は、ぜひ一度ご相談くださいませ。
また、区分マンション投資は少額から始められるというメリットはありますが、「収益性・自由度・将来の選択肢」という点で、他の不動産投資と比べて慎重になるべき側面があります。
決して「絶対にダメ」というわけではありませんが、知識や経験がまだ浅い方には、まずリスクや構造をしっかり理解してから判断することをおすすめします。