不動産投資のランニングコストの目安は?削減方法と元を取るまでの計算方法も紹介

最終更新日:2024年8月28日
  • 不動産投資で必要なランニングコストの目安はいくら?
  • 不動産投資でかかるランニングコストの削減方法を知りたい
  • 不動産投資で元を取るには何年かかる?

 

アパート経営などの不動産投資を始めるとき、物件価格などの初期費用に目が行きがちですが、実際に物件を購入した後は物件の維持や運用のためにランニングコストがかかります。

そこで本記事では、不動産投資で必要なランニングコストの目安と削減方法、また利回りなどから元を取るのにかかる年数の計算方法を解説します。

 

この記事でわかること

  • 不動産投資でかかるランニングコストの目安とその内訳
  • 不動産投資で必要なランニングコストの削減方法
  • 不動産投資で元を取るのにかかる年数の計算方法

不動産投資でかかるランニングコストとその目安

不動産投資では、物件の購入時だけでなく購入後の賃貸経営にもいろいろな費用がかかります。

購入時にかかる費用は購入後には発生しませんが、購入後に必要となる費用(ランニングコスト)はどれくらいか、またどのような項目でどれくらいの費用となっているのかみていきましょう。

ランニングコストの目安は家賃収入の20~30% 

一般的に不動産投資のランニングコストの目安は家賃収入の20〜30%ですが、購入する不動産によってランニングコストは変わります。

たとえば、購入した不動産が新築なら設備が新しいため費用はあまりかかりません。

しかし中古の不動産を購入したら、設備が老朽化していたり外壁などに不具合が生じやすかったり、修繕費用を新築より多めに見積もっておく必要があります。

家賃収入の30%がランニングコストと考えると、手元に入るのは残りの70%です。

 

ランニングコストの内訳

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不動産投資にかかるランニングコストは家賃収入の20〜30%が目安ですが、その内訳は大きく以下の6つに分けられます。

  • 建物の管理委託費用
  • 建物の修繕費用
  • 入居者の募集・管理費用
  • 共用部の水道光熱費
  • 損害保険料
  • 税金

それぞれの項目について、詳しく説明します。

建物の管理委託費用

不動産投資をする場合、自分で建物の管理をするのは大変なため不動産管理会社に建物の管理を委託するのが一般的で、委託費用の目安は賃料の3〜8%ほどです。

管理業務は大きく2種類あります。

1つはPM(プロパティマネジメント)業務です。

賃貸経営に関する管理業務のことで、おもに入居者の募集やクレーム対応、賃料回収などをおこないます。

もう1つはBM(ビルマネジメント)業務で、不動産の維持管理に関する業務で、設備の点検や警備、巡回などが業務内容です。

管理会社に業務を委託すれば、自分で管理する必要がないため会社員でも無理なく不動産投資ができます。

修繕費用

賃貸経営をするにあたり、修繕は必要不可欠です。

退去時の原状回復費用や設備に不具合が生じた際の修理費用、外壁塗装などの大規模修繕費用といったさまざまな種類の修繕があり、突発的に修繕が発生することも珍しくありません。

たとえば、冬に給湯器が故障したらお湯が使えず入居者が困るため、早急に対応する必要があります。

不動産投資では、突発的な修繕や定期的な大規模修繕に備えて日頃から修繕費用を積み立てておくことが重要です。

入居者の募集費用

入居者がいなければ家賃収入は得られません。

購入した物件に空室があれば管理会社に入居者の募集を依頼する必要があり、その際に、入居者の募集をする際の広告宣伝費や仲介手数料などがランニングコストとしてかかります。

ワンルームマンションなどの単身者向けの不動産は、入居期間が短めで入退去に伴う募集費用が高くなりがちです。

一方、ファミリー向けの不動産は入居期間が長いことが多いため、入居者の募集費用は単身者向けの不動産と比べるとやすくなる傾向があります。

共用部の水道光熱費

マンションやアパートの共用部分では水道光熱費が発生します。

共用部分とは、エントランスや廊下、階段、エレベーターなどです。

共用部分には照明や自動ドアが設置されていたり、清掃のために水道があったりするため、水道光熱費もランニングコストになります。

修繕費用などに比べれば微々たるものと思うかもしれません。

しかし、電力供給不足で電気代が上がったときやマンションの規模が大きい場合は、想像以上のランニングコストになりえます。

損害保険料

損害保険への加入は法律で義務付けられてはいませんが、万が一のために火災保険には加入しておくといいでしょう。

火災保険は、火災だけでなく台風や落雷、洪水、土砂崩れなどの水災も補償対象となるためです。

また、地震保険へも加入しておくと安心です。

地震によって発生した損害は火災保険の対象外で、地震を原因とする火災などは火災保険では補償されません。

いつ起きるかわからない災害に備えて、火災保険と地震保険への加入は必須といえます。

税金

ランニングコストとしてかかる税金は3つあります。

まずは固定資産税で、標準税率1.4%で市町村によって異なります。

次に都市計画税で、不動産評価額の0.3%が徴収されます。

最後は所得税と住民税で、家賃収入の額によって税額は変わるため、一概にいくらとは言えません。

どれも年に一度納税する義務があり、納税用の資金を忘れずに準備しておく必要があります。

 

ランニングコストを削減する方法

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ランニングコストを削減すればするほど手元に残る利益は多くなり、資金繰りが安定しやすくなります。

資金繰りが安定すれば、突発的な修繕などで多額の出費があっても賃貸経営が破綻する危険を回避できます。

毎月何に経費が発生しているのかを理解したら、賢く節約する方法を考えましょう。

 委託費用の安い管理会社を選ぶ

管理の委託費用は管理会社によって異なるため、費用の安い管理会社を選べばランニングコストを削減できます。

管理会社によって、PM・BM業務どちらも対応している場合もあればどちらか一方のみということもあります。

複数の管理会社から見積りを取得すれば、委託費用だけでなく業務内容も比較でき安心です。

PM・BM業務を別々の会社に依頼することもできます。

過度な修繕や設備交換を控える

大規模なリフォームをしたり設備を最新のものへ交換したりすれば、雰囲気を一新できて入居を検討している方へ大きなアピールポイントになるでしょう。

しかし、必要以上の修繕や設備交換は、かかった費用を家賃で回収できなければ収支を悪化させる原因になってしまいます。

修繕や設備交換をする際には、入居者募集に影響するなどの優先順位と家賃収入とのバランスを考え、無駄を省けばランニングコストを削減できます。

入居者の募集費用を抑える

入居者募集には、広告宣伝費と仲介手数料がかかります。

広告宣伝費は物件を宣伝するのにかかる費用で、家賃の50〜200%など不動産会社によって大きな差があります。

そのため、広告宣伝費が安い不動産会社を選べば入居者募集費用の削減が可能です。

仲介手数料は、入居者を決めた不動産会社へ支払う手数料です。

法律では賃料1か月分+消費税が上限となっていますが、不動産会社によって差があります。

広告宣伝費と同様に、仲介手数料が安い不動産会社を選ぶことが費用削減に効果的です。

経費として扱える費用の計上漏れをなくす

所得税や住民税は所得によって支払う金額が変わります。

経費として扱える費用の計上漏れをなくすことは、税金の支払いを減らすことにつながるのです。

所得は家賃収入から必要経費を差し引いて算出されます。

経費として扱える費用は以下です。

計上漏れがないように確定申告をしましょう。

  • ローン返済の利息
  • 減価償却費
  • 固定資産税などの税金
  • 管理委託量
  • 管理費・修繕積立金
  • 修繕費
  • 損害保険料 など

自分で確定申告をする

もし毎年の確定申告を税理士に依頼しているなら、自分で確定申告すれば税理士費用の削減ができます。

最近は簡単に確定申告できるソフトがあり、操作がわからなければ電話やチャットなどのサポート体制が整えられているものもあり安心です。

税理士に依頼するより手間はかかりますが、自分で確定申告をすれば税の仕組みなどが理解しやすくなります。

不動産投資で元が取れるまで何年かかる?

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一般的に、不動産投資で元を取る目安は5〜10年です。

なぜなら、1〜2年といった短期間では家賃収入が見込めず、20~30年経つと売却額が予想を下回る可能性が高いためです。

また、不動産の売却時には譲渡税の支払いが必要なこともあり、税率が変わる5年以降が目安となります。

まとめ

不動産投資でかかるランニングコストの目安は、家賃収入の20〜30%です。

ランニングコストには建物の管理委託費用や修繕費用などがあり、不動産投資をするうえで必要な支出ではありますがある程度は削減できます。

複数の管理会社を比較して委託費用の安い管理会社を選んだり、過度な修繕や設備交換を控えたり、ランニングコストを削減できれば資金繰りが安定し安定した賃貸経営が実現するでしょう。

 

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