不動産投資でFIREは可能?目安やメリット・デメリットについて

最終更新日:2024年8月28日
  • FIREするにはいくら必要なの?
  • 不動産投資だけでFIREできるか不安
  • 物件を購入するのに自己資金がいくら必要なのか

 

しばしば耳にするFIREですが、不動産投資でFIREするには、どれだけの規模の投資が必要なのでしょうか?

「FIRE」に魅力を感じ、不動産投資に挑戦してFIREを達成したものの、思い描いていたものとは違う現実に「こんなはずでは…」と後悔する人も少なくありません。

そうならないためにも、今回は具体例を挙げつつ、実現可能な方法までご紹介していきたいと思います。

 

この記事でわかること

  • 不動産投資でFIREを目指す理由とメリット
  • 不動産投資でFIREするにはいくら必要?
  • 不動産投資でFIREする際の注意点とデメリット

不動産投資でFIREを目指すその理由とメリット

昭和に建てられた古い団地のある風景写真 B 12

FIREを達成するために不動産投資を検討する理由には、金融市場の影響を受けにくかったり、運用の手間が少なかったりといったケースなどがあります。

株式や債券は値動きが激しく、専門家でも予測が難しいため、突然の大暴落で大きな損失を被るリスクがあるため注意が必要となります。

ここでは、不動産投資でFIREを目指す理由とメリットについてそれぞれご紹介します。

不動産投資でFIREを目指す理由

不動産投資は、FIRE(経済的自由と早期退職)を目指す人にとって非常に有力な選択肢です。

そのおもな理由は、リスク分散が可能な点にあります。

複数の物件を所有し、災害や空室率などのリスクを分散でき、1つの物件が火災に遭った場合でも、他の物件からの収入で損失をカバーできます。

さらに、キャッシュフローを再投資して資産を拡大できる点も魅力に感じる理由の1つです。

収益を頭金として新たな物件を購入して、資産形成が加速し、財務的な自由を達成しやすくなります。

不動産投資は、株式やFXのような短期的なハイリターンを狙うものではなく、毎月安定した家賃収入を得られるため、長期的な資産形成に適しています。

また、管理業務を専門の管理会社に委託して運営の手間を大幅に減らし、時間の効率的な活用が可能です。

これにより、複数の物件を持つ場合でも効率的に管理できます。

最後に、レバレッジの利用が挙げられます。

不動産を担保に金融機関から融資を受けて、少ない自己資金で大きな物件を取得できるのが特徴です。

たとえば、自己資金1,000万円で5,000万円の物件を購入し、年間400万円の家賃収入を得るのも可能です。

これらの特性により、不動産投資は安定した収入を得ながら資産を拡大しやすい投資手法であり、FIREを目指す人にとって非常に有力な選択肢となります。

不動産投資でFIREを目指すメリット

不動産投資は、FIRE(経済的自由と早期退職)を目指すための投資手法として非常に魅力的です。

その理由はいくつかあります。

まず、不動産投資ではレバレッジ効果を活用できる点です。

これにより、少ない自己資金で大きな投資が可能であり、高いリターンを期待できます。

たとえば、1,000万円の自己資金で年間100万円の利益を上げる物件を購入する場合、利回りは10%ですが、ローンを利用して5,000万円の物件を購入すると、実質的な収益は年間380万円になります。

ローンを活用して、自己資金以上の物件を手に入れ、収益を増やすのも可能です。

さらに、不動産は株式やFXなどと比べて景気や金融市場の変動に左右されにくい投資です。

これにより、長期的な資金計画を立てやすく、とくに老後の資金計画に適しています。

また、不動産は現物資産であり、インフレに対しても価値を保ちやすく、常に一定の需要があるため、安定した投資といえます。

不動産投資のもう1つのメリットは、管理業務を外部に委託できる点です。

管理会社に物件の運営を任せられるので、オーナー自身の日常管理業務がありません。

入居者募集や家賃回収、クレーム対応などの業務も管理会社に任せられるため、手間を大幅に軽減できます。

これにより、時間を効率的に使え、他のビジネスや投資に集中できるでしょう。

最後に、不動産投資は節税効果も期待できるのがメリットの1つです。

不動産の取得や維持にともなうコストは、減価償却や損益通算を利用して節税できます。

減価償却により、資産の耐用年数に応じて取得費用を経費として計上し、課税対象となる所得を減少できます。

また、損益通算を適用して、不動産の赤字を他の収入から差し引ける場合もあるでしょう。

さらに、不動産の評価額は現金よりも低く算定されるため、相続時の相続税を軽減できる可能性もあります。

これらのメリットを最大限に活用するためには、事前の計画が重要です。

不動産投資の特徴とリスクを十分に理解し、FIREの実現に向けた計画を立てるのが成功への鍵となります。

不動産投資でFIREするにはいくら必要?

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不動産投資を通じて年間500万円の生活費を賄うためには、以下のような規模の投資が必要となります。

たとえば、鉄筋コンクリート造、築15年、物件価格1億円、表面利回り8%の条件で見ていきましょう。

満室年間家賃収入が800万円で空室率が10%の80万円だったとします。

そのほかの、諸経費(管理費・修繕費・固定資産税など)が120万円で、融資利用(借入額1億円・金利1.5%・30年返済)の返済額416万円で計算してみましょう。

年間税引前キャッシュフローは、「800万円(家賃収入) – 80万円(空室率) – 120万円(諸経費) – 416万円(返済額) = 184万円」の計算で求められます。

この規模の物件を3〜4棟購入して、資産規模は3〜4億円、満室家賃収入は2,400〜3,200万円となり、FIREが実現可能です。

「4%ルール」と呼ばれる有名な指標があります。

アメリカの成長率7%からインフレ率3%を指し引いたものであり、年間支出の25倍の資産を確保すれば年間4%の運用益で生活費が賄える考え方です。

たとえば年間の生活総資金が500万円であれば1億2,500万円の資金が必要となってきます。

日本版のFIREで考慮した場合、アメリカよりインフレ率が低いと考えられるため、年間の生活総資金5〜6%とゆとりをもって考えるのも可能です。

先ほどの例と同様に、生活総資金が500万の場合、運用資金が8,300〜1億円ほどになるため、年間の生活総資金の16〜20倍の資金でFIREが可能になります。

しかし、昨今は物価高騰も顕著になってきているので、それらを加味するのも必要です。

不動産投資でFIREする際の注意点とデメリット

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不動産投資でFIREを目指す際には、リスク管理と入居者視点を重視するのが不可欠です。これにより、投資の成功確率を高められます。

ここでは、不動産投資で失敗しないための重要な注意点とデメリットについてご紹介します。

余裕を持ったシミュレーションをおこなう

不動産投資では、リスクを事前に見越した長期的な運用計画を立てるのが重要です。

まず、空室リスクや家賃滞納を考慮する必要があります。

入居者が退去した際、次の入居者が見つかるまでの空室期間を見越して、収支にどのような影響が出るかを確認しておくのが大切です。

また、物件の老朽化や競合物件の増加により家賃を下げる必要が生じる可能性もあります。これに対応するための資本投下や、家賃の下げ幅を見越した収支シミュレーションをおこない、リスクを最小限に抑えられます。

さらに、大規模修繕や自然災害に備えた対応策も考慮すべきです。

管理会社と協議し、これらのリスクに対応するための予算を設定するとともに、保険でどの程度カバーできるかを確認しましょう。

収益性の低い物件への投資を避ける

不動産投資をおこなう際には、単に表面利回りに惑わされないよう注意が必要です。

立地条件や修繕費用などを含めた総合的な収益性を評価するのが重要です。

購入前にホームインスペクションを受け、隠れた不具合を確認して、予想外の出費を防ぎましょう。

一時の感情で運用しない

投資判断において、感情に左右されず、冷静にリスクを評価する必要があります。

物件への愛着が投資判断に悪影響を及ぼす場合があるため、客観的な視点を持ち続けるのが重要です。

売り時を適切に判断し、感情に流されないようにするのが成功への鍵となります。

業者の話を鵜呑みにしない

不動産投資会社との関係が浅い段階では、業者の甘い話に注意する必要があります。

価格が安い物件には再建築不可や旧法借地権、物理的瑕疵物件など、何らかの理由があるかもしれません。

情報をしっかりと精査し、自身で確認・判断するのが大切です。

FIRE後の懸念点

不動産投資でFIREを達成したものの、期待通りにならず「こんなはずではなかった」と後悔するケースも少なくありません。

不動産所得だけでは不安を感じる場合もあり、税引き後のキャッシュフローが給与年収を超えたタイミングでFIREを決断した投資家が、突発的な高額費用や予想以上の出費に対応できないケースがあります。

これを防ぐためには、サラリーマンを続けながら十分なキャッシュを蓄え、収入が安定し、十分なキャッシュフローを得られるまでFIREのタイミングを慎重に見極めるのが重要です。

また、属性の変化によって融資が難しくなる場合もあります。

大手企業で毎月の給料が保証されているサラリーマンがFIREして独立した場合、サラリーマンとしての属性と安定収入を失うかもしれません。

FIRE後に不動産収入があっても、金融機関からの信用を得るのは難しい場合があります。融資を受けるためには、利益とキャッシュフローを厚くし、黒字決算の継続が求められるのが一般的です。

不動産投資で成功するためには、これらのリスク管理と冷静な判断が欠かせません。

FIREを目指すための強力な手段として、不動産投資を上手に活用しましょう。

まとめ

FIREを実現するためには、一般的に4,000万〜6,000万円が必要といわれています。

サラリーマンでも可能なのが不動産投資で、物件を担保に金融機関から融資を受けられるため、少ない自己資金で大きな物件を取得することが可能です。

また、株式や債券は値動きが激しく、専門家でも予測が難しいため、安定的な資産形成には不向きだと考えられます。

不動産投資は、金融市場の影響を受けにくいため安定的な収益が得やすいことと運用の手間が少ないなどのメリットがあります。

 

確実な資産形成とFIREを目指したいという方は、余裕を持ったシミュレーションをおこない、収益性が十分に確保できる物件への不動産投資がおすすめです。

 

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