ワンルームマンション投資はやめとけと言われる理由とは?よくある失敗パターンも解説

最終更新日:2025年1月31日

ワンルームマンション投資は少ない資金でも始めやすいため、近年注目されている不動産投資方法です。ですが同時にさまざまなリスクや注意点があるため、知識や経験に乏しい初心者の方に対しては、やめておけ、と言われるケースも少なくありません。

この記事では、ワンルームマンション投資はやめておけと言われる理由や、よくある失敗パターンを紹介します。最後には失敗しないためのポイントも解説していますので、ワンルームマンション投資に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

ワンルーム不動産投資とは?

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ワンルーム不動産投資とは、マンションの1室を購入して賃貸物件として運用する投資方法です。区分所有マンション投資、と呼ばれる場合もあります。

マンションの1部屋だけを購入するため、アパートやマンションを1棟購入して運用するよりも少ない資金で始められるのが特徴です。1部屋だけの運用であるため管理も比較的容易で、サラリーマンの方も取り組みやすく、近年注目されています。

ワンルームマンション投資はやめておけと言われる理由

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比較的少ない資金でも始められるため人気があるワンルームマンション投資ですが、得られる利益が小さい、収支が赤字、売却が難しいなどのデメリットが多く、思った通りの結果を得られないケースが少なくありません。

特に知識や経験に乏しい不動産投資初心者は、失敗してしまう可能性が高いため、やめておけと言われるケースが多いです。

まずは「やめておけ」と言われる理由を、確認してみましょう。

得られる利益が小さい

ワンルームマンション投資の投資対象は、その名の通りワンルームです。ワンルームの家賃は地域や物件によってさまざまですが、5〜10万円程度が基本で、どんなに高くても15万円程度が上限となっています。

たとえ利回りが高い物件だったとしても、年間の家賃収入が小さいため収益性も低くなりやすく、単純に利益を出すのが難しくなってしまうケースが多いです。

たとえば入居者の入れ替わりが激しく、原状回復費や新たな入居者の募集費用の負担が大きい場合は、収益を大きく圧迫してしまうでしょう。

空室になると収入が得られなくなる

ワンルームマンション投資は、マンションの1部屋を貸し出す投資法であるため、空室になると収入が得られなくなるデメリットがあります。収入がない間は自己資金をローン返済に充てなければならないほか、入居者を募集するための広告費なども負担する必要があるでしょう。

ワンルームマンションの主なターゲットとなる若年層や単身者は転居率が高いため、空室が発生しやすい面があります。退去が発生すると原状回復のための費用が発生してしまうため、需要が見込める物件だとしても注意が必要です。

家賃が下がったときの影響が大きい

収入源がマンションの1室のみになるため、家賃が下落してしまった際の影響が非常に大きいです。

ワンルームマンションの場合、新築から築10年までの間に家賃が10%低下すると言われています。購入前に現実的な家賃下落を想定してシミュレーションしているのであれば良いのですが、甘めに想定していたためシミュレーション結果と齟齬が生じ、想定よりも利益率が低くなってしまうケースも見受けられます。

場合によっては、赤字経営に陥ってしまう可能性もあるでしょう。

運用にコストがかかる

ワンルームマンションの運用には、固定資産税や火災保険料、修繕積立金、原状回復費用など、さまざまなコストがかかります。

特に中古のマンションの場合、築年数によっては想定よりも修繕費がかかり、収益を圧迫してしまうケースが少なくありません。工事中は家賃収入も途絶えてしまうため、負担が大きいです。

退去の頻度が高い場合も原状回復費がかさんでしまうため、想定よりも利益が出ない可能性があります。

収益性の判断が難しい

ワンルームマンションは単身者や若年層からの賃貸需要が高いため、空室期間よりも入転居の回数が問題になりやすく、収益性の判断が難しい場合があります。また投資額や家賃収入が少ないため、利回りが高くても思ったような収益につながらない可能性もあり、特に初心者にとっては予測が難しくなってしまう可能性が高いです。

購入前の収益予測が難しければ、投資に失敗する可能性も高くなります。ワンルームマンションの収益性を判断する際は、信頼できる専門家や、投資経験者の意見も参考にする必要があるでしょう。

節税効果が薄い

手頃な価格で購入できるのがワンルームマンション投資の魅力ですが、だからこそ節税効果はあまり高くありません。

不動産投資における節税効果は、損益通算と減価償却によって生まれます。損益通算に関しては問題なく利用できますが、減価償却については購入価格が低い分、経費として差し引けるトータルの金額が少なくなってしまいます。

またアパートや戸建てに比べると、マンションは耐用年数が長いため償却期間も長く、結果として1年あたりの償却費は少額になりがちです。減価償却による節税効果を期待している場合は、思ったよりも効果が得られない可能性があるので、注意してください。

なお損益通算を活用して節税したいがために、赤字を前提として物件を購入・運用するのは、あまりお勧めできません。ワンルームマンションは築年数が古くなるほど、修繕費や修繕積立金などの運用コストが高くなる傾向があります。購入当初は問題がなくとも、運用期間が長くなるにつれて赤字が膨らんでしまうおそれがあるため、危険です。

生命保険の代わりとしては不十分

ワンルームマンション投資のメリットや宣伝文句として、「ローンを組む際に団体信用生命保険(団信)に加入するので、生命保険の代わりになる」という理由が挙げられる場合があります。結論からお伝えすると、ワンルームマンション投資が保険代わりとして機能する可能性があるのは確かですが、一般的な保険と比べると不十分、というのが実際のところです。

そもそも団信への加入によって保険代わりとなるのは、ローン返済中に購入者が亡くなってしまった場合、その時点での残債が保険金として支払われるのが理由です。これにより毎月の返済が不要となるため、物件の維持費が大幅に低下し、安定した家賃収入を得やすくなります。こうして得られる物件そのものや家賃収入が、死亡保険金の代わりになる、という理屈です。

ですがこの話は、あくまでも家賃収入が得られる前提の話です。空室率が高いなどの理由で赤字になっている物件の場合、売却するのも難しく、とても保険代わりにはならないでしょう。

病気や怪我などの保障についても、団信だけではカバーできません。もしもの際に備えたい場合は、一般的な生命保険や医療保険に加入したほうが良いでしょう。

サブリース契約の扱いが難しい

ワンルームマンション投資では、空室によって収入がなくなってしまうリスクに対応するため、サブリース(家賃保証)契約が勧められるケースもあります。

サブリース契約とは、サブリース会社が物件の所有者から借り上げて毎月一定の家賃を支払う代わりに、サブリース会社が入居者に物件を又貸しする契約です。入居者が見つからず空室が続いたとしても、契約期間中はサブリース会社から一定の家賃が支払われるため、物件の所有者としては魅力的な契約といえるでしょう。

ですがサブリース契約は、契約当初の家賃を保証し続けてくれるとは限りません。一定期間ごとに支払われる家賃は見直され、減額されるケースが大半です。礼金や更新料についても、入居者と直接契約しているサブリース会社が受け取る形になるため、その分だけ収益が減ってしまいます。

収益悪化の対策として売却をしようにも、サブリース契約期間中は自由に売却できません。契約途中での解約は可能ですが、家賃の1年分などの高額な違約金が請求されるケースもあるため、扱いが難しいです。

売却が難しい

思っていたよりも収益が得られず、売却を検討する場合もあるでしょう。ですが収益性の低い物件は購入する価値が薄いため、買い手を探すのが難しくなります。仮に売れたとしても、相場よりもかなり安い値段での売却になる可能性が高いでしょう。

ローンの返済期間中に物件を売却する場合、売却代金でローンを完済する必要があります。完済できなかった場合は残債を借金として、売却後も支払い続けなければなりません。

特に新築マンションの場合、新築プレミアム(販売・建築業者利益が加わり)によって購入価格が高めに設定されているため、完済できなくなる可能性が高いです。

ワンルームマンション投資でよくある失敗

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ワンルームマンション投資の成功率を上げるには、典型的な失敗事例を知っておくのが効果的です。

ここからは、3つのよくある失敗事例をご紹介します。

物件の収益性を誤って判断してしまった

ワンルームマンション投資はマンションの1室を購入して運用する投資方法であるため、空室になってしまうと収入が一切得られません。物件の需要を見誤って空室期間が長くなってしまうと、赤字経営に陥る可能性が高くなります。

たとえば家賃が10万円の物件を2,000万円で購入したケースでは、毎月の返済が8万円になるため、月の収益を2万円(年間収益24万円)と想定していました。ですがマンション運営には毎月の返済以外にも、固定資産税や都市計画税、火災保険料、修繕積立金など、さまざまなコストが発生します。首尾よく入居者を確保できても、これらのコストを考慮すると、どうやっても赤字運営にしかなりません。

事前のシミュレーションを間違えてしまうと、物件の収益性を正しく判断できず、投資に失敗してしまう可能性が高まります。可能な限り正確に収益性を判断できるよう、心がけましょう。

入居者を見つけられず売却できなかった

入居者がいないために赤字経営に陥り、自己資金も底を付いてしまったとしたら、もはや物件を売却する以外に方法はありません。ですが収益性が低い物件は買手を探すのが難しいため、相場よりも売却価格を低くしなければ売れないケースがほとんどです。

しっかりと収益を得たうえで、出口戦略としてある程度の価格で売却するのが、ワンルームマンション投資の理想的な形の1つです。ですが需要を見誤り、思うように入居者を見つけられない場合は売却すらスムーズに進められず、ただ赤字を垂れ流し続ける状態になりかねません。

高値での売却を可能とするためにも、黒字運営できる見込みがある物件を購入するよう心がけましょう。

ワンルームマンション投資のリスクを把握していなかった

ご紹介した例以外にも、さまざまな失敗パターンがあります。ですが多くのパターンで共通しているのが、ワンルーム満床投資のリスクを把握できていなかった、という点です。

これまでお伝えした通り、ワンルームマンション投資には「やめておけ」と言われるほどさまざまなリスクがあります。それらのリスクに適切に対処できない限り、成功は掴めません。

たとえばワンルームマンション投資で失敗する典型的な事例の1つに、悪質な不動産会社に言われるがまま物件を購入したものの、言われたような利益が得られなかった、というものがあります。相手が専門家だと、つい言われた話を鵜呑みにしてしまうかもしれません。ですが実際に物件を購入し、リスクを背負うのは購入者自身です。

投資への挑戦を後悔しないためにも、事前にしっかりと投資を勉強し、リスクについてもしっかり把握したうえで、自分の責任で判断するように心がけましょう。

ワンルームマンション投資で失敗しないためのポイント

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ワンルームマンション投資に失敗しないためのポイントを事前に把握しておけば、投資に失敗する可能性を減らしやすくなります。

やめておけと言われるワンルームマンション投資への挑戦を検討している方は、しっかり確認しておきましょう。

不動産投資の基礎を学んでから検討する

ここまでお伝えしてきた内容からもわかる通り、ワンルームマンション投資での失敗を避けるには、ある程度の専門知識が必要です。

たとえば購入物件を選ぶにしても、賃貸需要や収益性をある程度事前に判断できなければ、運任せになってしまいます。物件購入後も、賃貸物件の管理や税金の支払いなど、さまざまな知識が必要です。

できるだけ投資の成功率を上げるためにも、まずは不動産投資やワンルームマンション投資について、基礎を学ぶところから始めましょう。

人任せで投資をしない

ワンルームマンション投資は初期費用が少なく済む不動産投資ですが、それでも少なくない資金が必要です。不動産投資の一種である以上、少なからずリスクもあります。だからこそ、不動産会社やサブリース会社に言われるがままに投資をするべきではありません。

中にはオーナーの利益のために尽力してくれる会社も存在していますが、すべての会社がそうとは限りません。自社の利益を優先するあまり、オーナーの利益をないがしろにしてしまう悪徳業者も、決して少なくないのが実際です。

事前に不動産投資やワンルームマンション投資の基礎を学んでおく、わからない話をわからないままにしないなど、自分が主体となる投資を心がけましょう。

新築マンションは避ける

新築マンションは人気がありますが、新築プレミアム(販売・建築業者利益が加わり)と呼ばれる特有の価値があるとされるため、中古物件と比べて購入価格が割高になりがちです。

また新築直後は資産価値や家賃の低下率が高めで、思っていたよりも利回りが低くなるケースも少なくありません。そのためワンルームマンション投資をおこなう際は、新築マンションよりも築浅の中古物件を狙うのがお勧めです。

中古であれば実績があるので、物件の状態や利回りなど、事前の収支シミュレーションもしやすくなります。また中古でも築浅であれば物件の状態は新築とさほど変わらず、新築よりも安価に購入できる可能性が高いです。

まとめ

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ワンルームマンション投資は、空室になると収入がなくなる、収益性の判断が難しい、節税効果が薄いなど、さまざまな理由からやめておけと言われています。

投資のリスクを把握できていないまま始めてしまうと、典型的な失敗パターンに陥ってしまいやすく、大変危険です。

挑戦する際は事前に基礎を学んでおく、人任せにしない、新築マンションは避けて投資するなど、ポイントを抑えておきましょう。

これから不動産投資を始める方は、基礎知識を身に付けてから投資をおこなうことをお勧めします。

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