不動産投資の築年数の重要性とは?築浅と築古のメリットやお勧めの人を解説
- 不動産投資では物件の築年数によって何がどう変わってくるの?
- 築年数の違いでどのようなメリットやデメリットがあるのか知りたい
- 築年数も含め、投資物件を見るときはどこに着目するべき?
ここでは不動産投資で中古物件を検討されている方向けに、築年数の重要性や築浅・築古物件のメリットとデメリット、それぞれのお勧めの人を解説します。
築年数以外の物件のチェックポイントや不動産投資の相談先もあわせて解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 不動産投資をする場合の築年数の重要性
- 築浅物件と築古物件のメリット・デメリットやお勧めの人
- 物件のチェックポイントと不動産投資の相談先
目次
不動産投資における「築年数」の重要性とは?
不動産投資で失敗しないためには、物件を選ぶ際の築年数のチェックは不可欠です。
なぜ不動産投資で築年数が重要視されるのか、築年数が不動産投資に与える影響を理解しておきましょう。
築年数とともに不動産の資産価値は落ちる
いかなる建物も、時間が経てば劣化してしまうため、築年数とともに資産価値が落ちていきます。
経年による市場価値の減少は、築10年の物件であれば新築時の約70~80%、築20年の物件であれば新築時の約50~60%が目安です。
そのため、築年数の古い物件を購入すると、資産価値の下落や売却が難しいリスクなどに対処しなければいけません。
物件のエリアや状態にもよりますが、築年数によって投資の成功率は左右されるため、投資物件を選ぶときは築年数のチェックが必要です。
築年数により不動産を運用できる期間が変わってくる
収益性に関わらず、不動産投資で十分な利益を出せる期間は限定的です。
物件の築年数が浅ければ、購入したあと運用できる期間は長くなり、それだけ多くの利益を生み出せます。
逆に、築年数がかなり古い物件は、運用期間は短く、得られる利益は少なくなるでしょう。
つまり、築年数であとどのくらい不動産を運用できるかの残存年数が変わってくるため、不動産投資で築年数は無視できない存在といえます。
家賃収入がおもな収入源となるため、物件選びでは、購入後ある程度の期間運用ができ、利益を得られる物件かどうかが大切なポイントです。
築年数とともに修繕費が高くなる
不動産投資の際には、物件の状態により設備の維持費やハウスクリーニング・メンテナンスなどの修繕費が必要になります。
新築はもちろん、築浅物件であれば修繕費はあまりかかりませんが、築年数が古い物件では同じようにはいきません。
とくに、経年劣化の激しい築古物件は状態が悪く、運用のためには高額な修繕費を捻出する必要があります。
突発的に修繕の必要性が出てくるケースも予測されるため、不動産投資への影響は大きく、築年数の見極めが肝心です。
築年数により耐震基準が異なる
地震大国とされる日本では、不動産投資の物件選びで耐震基準も重要なポイントになります。
建物の建築の許可を得るには、耐震基準を満たす必要があり、現行の「新耐震基準」と呼ばれる耐震基準は1981年6月に更新された基準です。
新耐震基準は、地震の震度が6強から震度7の揺れでも倒壊しない耐震構造とされています。
しかし、新耐震基準が導入される前の旧耐震基準では、震度5でも倒壊しないのを条件とした耐震構造です。
つまり、大地震が発生した際の被害は、新耐震基準と旧耐震基準では大きな差が生まれます。
よって、投資物件を選ぶときは、1981年6月以降に建てられた新耐震基準を満たした物件であるのが望ましいでしょう。
築年数は融資条件にも影響する
建物には、構造により耐用年数が設けられており、築年数が古くなるほど少なくなります。
金融機関で投資ローンを受ける場合、この耐用年数が重要視されるケースが多く、築年数が経過している物件だと融資期間が短くなる可能性が高いです。
また、先述した新耐震基準かどうかもチェックされ、安全性に不安がある場合は融資条件に影響を及ぼすケースもあります。
融資期間が短くなれば月々の返済額も大きくなり、不動産投資が立ち行かなくなる恐れもあるので築年数には十分注意しましょう。
「築浅物件」と「築古物件」それぞれのメリット・デメリットとは?それぞれのお勧めの人もご紹介
築年数があまり経過していない物件を築浅(ちくあさ)、かなり経過した物件を築古(ちくふる)と呼びます。
築浅物件と築古物件それぞれにメリット・デメリットがあるため、不動産投資の物件選びではそれらを理解したうえで検討する必要があります。
築浅物件・築古物件がどのような人にお勧めなのかも含めてチェックしておきましょう。
築浅物件のメリット
築浅物件のメリットは、やはり新築に比べて割安の価格で収益性の高い物件を購入できる点です。
設備の劣化も少なく、状態が良ければ大規模な修繕も不要、初期投資を抑えられるうえに、入居者の確保もしやすいでしょう。
また、耐用年数が残っているため、金融機関からの融資が受けやすく、長きに渡り減価償却による節税効果が狙える可能性もあります。
築浅物件は、比較的リスクが低く、安定収入を見込めるため、不動産投資の初心者や長期的かつ安定した収入を重視する方などにお勧めです。
築浅物件のデメリット
築浅物件は、中古物件のなかでは比較的価格が高い点がデメリットです。
さらに、中古物件は新築物件よりも家賃を低くする必要があり、結果的に利回りも下がってしまいます。
これは、年間の家賃収入を物件の購入金額で割る計算方法で利回りが算出されるためです。
また、築10年までの間は物件価格の下落幅が激しく、投資をやめて売却する場合、購入価格を大きく下回る価格でしか売却できない可能性が高くなります。
築古物件のメリット
築年数が古くなると、建物の資産価値が低くなっているため、新築に比べると安く購入できます。
また、築年数の古い物件は、そのエリアの開発が始まった当初に建てられた建物であるケースが多く、駅近など好立地な場所にある可能性が高いです。
さらに、大規模な修繕やリフォーム・リノベーションが必要になるケースが多いものの、きちんと修繕をおこなえば、需要も高く安定かつ高い家賃収入が見込めます。
そのため、築古物件は、初心者よりは、不動産投資の上級者にお勧めの物件です。
築古物件のデメリット
設備や室内の劣化状況が進んでいる場合が多く、購入後に交換や室内のリフォームが必要になる点です。
建物の老朽化が激しければ、現代のニーズにあわせて大規模なリフォームやリノベーションをしなければならず、修繕費も高額になります。
さらに、建物の資産価値が低いため、投資ローンを利用しようにも好条件は望めず、いくらか自己資金を持ち出す必要性が出てくる可能性もあるでしょう。
また、築古物件は新耐震基準を満たしていないケースが多いため、安全面でも不安が残ります。
築年数とあわせてチェックすべき物件のポイント
不動産投資のための物件選びでは、築年数のほかにもチェックすべきポイントがあります。
購入物件の候補をピックアップしたら、以下のチェックポイントを比較しながら検討するようにしましょう。
販売価格
不動産投資は収益性が見込まれる場合でも、自己の財力で賄えない物件に手を出すべきではありません。
そのため、自分の経済状況を把握し、年収から無理なくローンの返済ができる金額を割り出したら、「○○円までの物件」と明確な予算を設定しておきましょう。
投資につまずいてもしばらくは継続できる価格の物件を購入しておくと、空室が続いたケースでもローン返済に対応できます。
利回り
不動産投資で少しでも利益を上げるには、利回りも考えて物件を選ぶ必要があります。
利回りとは、「物件の購入金額に対し、家賃収入で年間どのくらいの利益が出るのか」を示す割合です。
簡単にいえば、投資物件の収益性をあらわす指標であり、投資では必要不可欠なチェックポイントになります。
ただし、広告などに掲載されているのは最大値の表面利回りのため、維持費を引いた実質利回りでチェックする必要があります。
関連記事:不動産投資の理想的な利回りは?利回りの基礎知識から最適化のための活用方法などをやさしく解説!
利便性
賃貸のニーズを考えるうえで、無視できないチェックポイントが立地の利便性です。
不動産投資は家賃収入が主な目的となるため、借り手の立場になって、できるだけ立地条件の良い物件を探すようにしましょう。
具体的には、最寄り駅からの距離、人気のエリアかどうか、商業施設やスーパーマーケット、コンビニエンスストアが近くにあるかなどを確認します。
なお、ワンルームか集合住宅か、単身世帯向けかファミリー向けかなど、ターゲットによってもニーズが変わってくるので注意しましょう。
周辺環境
周辺環境の良し悪しも、入居者を確保するために重要なポイントです。
たとえば、スーパーマーケットをはじめ、物件周辺に幼稚園や学校、公園などの公共施設があるかどうか、郵便局や銀行、派出所の有無もチェックしておきましょう。
また、見落としがちなのが、工場や火葬場、墓地などの嫌悪施設の有無の確認です。
さらに、カラオケやスナック、風俗店などの有無、電車や自動車の騒音、周辺の治安状況などもチェックポイントになります。
新耐震基準
上述したように、古い物件は耐震基準が現行より低く、安全面を考えれば、新耐震基準をクリアした物件を選んだほうが安心です。
耐震性の低さが原因で入居者が決まらなければ、収入が途絶えてしまうおそれもあります。
耐震基準は融資にも影響を与える要素のため、物件選びの際は、築年数とあわせて耐震基準も確認しておきましょう。
築年数に関する相談は誰にするべきか?
築年数も含め、不動産投資に関する相談をするときは、実績や信頼性があり、自分の状況に応じたアドバイスをもらえる相手を選ぶべきです。
不動産投資の知識を深めておけば、状況に応じた選択ができるようになるでしょう。
主な相談先
不動産投資の築年数を知りたい場合、金融機関や不動産投資会社などがわかりやすい相談先です。
お金の相談や税務関連の要件が含まれるときは、行政書士や税理士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家を頼るのもよいでしょう。
あるいは、不動産投資の経験者が周りにいる方は、その人に相談するのも有効な手段です。
知識や経験のある人に相談すれば、築年数などの疑問に対して具体的かつわかりやすくアドバイスしてもらえるでしょう。
さらに、そのような人は塾やコミュニティに属しているケースが多く、相談すれば様々な知識が得られます。
自分で勉強する
不動産投資に関して自分で勉強するなら、不動産投資のセミナーを活用したり、本を読んで情報収集したりする方法がお勧めです。
独学なら費用が安く済み、セミナーに参加しても数千円から数万円の出費で投資を深く学べます。
また、モチベーションを高めるためにも、不動産や金融に関連した資格取得を目標にするのもよいでしょう。
関連記事:不動産投資は勉強した方がよい?おすすめの勉強方法と流れについて解説
まとめ
築年数によって資産価値や物件の運用期間、修繕費用、耐震基準、融資条件まで変わってきます。
不動産投資で物件選びをする場合、築年数はチェックするべきポイントとなります。
ここで解説した築年数の重要性とメリットやデメリットを理解したうえで、不動産投資を始めるようにしましょう。
また、わからない点があれば、投資分野の専門家に聞いたり、不動産投資に詳しい専門家に相談したりするのがお勧めです。
賃貸経営には多岐にわたる情報収集や費用対効果を見越した対策の継続が成否を大きく左右します。既に経験された大家さんが集う、不動産賃貸経営を学べる塾やセミナーに参加し、継続的に良質な情報やノウハウを学ぶことをお勧めします。