不動産投資で発生しやすいトラブルとは?トラブル回避の方法や遭遇した際の対処法を解説します

最終更新日:2024年4月4日

不動産投資を始める決心がつかないという方には、次のような考えがあるのではないでしょうか。

「不動産投資はトラブルに巻き込まれそうで不安だ」

「最近、不動産投資詐欺が流行っているようだから怖い」

「不動産投資トラブルにあったらどうしたら良いのか分からないから悩んでいる」

確かに、不動産投資ではトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。しかし、そのトラブルの内容を知り、未然に防ぐことができれば、不動産投資は怖いものではありません。

本記事では、不動産投資において注意するべきトラブルや、未然に防ぐ方法などを解説します。

不動産投資において注意するべきトラブル5選

ここでは、不動産投資において発生するトラブルの中でも、主要なトラブルを5種類紹介します。

この5種類はあくまでも一例ですので、こまごまとしたトラブルが発生することが想定されます。しかし、この5種類については、特に注意しておくべきトラブルですので、ぜひとも内容を把握しておいてください。

入居者とのトラブル

投資用物件を購入して賃貸に出すと、入居者によるトラブルが発生する可能性があります。特に、悪質な入居者だった場合、大きなトラブルに発展することも考えられるため、注意が必要です。

具体例として、以下のようなことが挙げられます。

  • 家賃を滞納し続ける
  • 夜間に大きな音を出す
  • 部屋を適切に扱わない

これらのトラブルに対処するのは管理会社ですが、投資用物件のオーナーにも被害が及ぶことがあります。家賃の滞納が続けば、収入を得られなくなりますし、室内で破壊行為を行なって連絡なしに退去してしまえば、修繕費を出さざるを得なくなるでしょう。

また、管理会社のトラブル対応が不十分であった場合には、オーナーがさらなるトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。入居者とのトラブルには、最善の注意を払う必要があります。

サブリース契約における不動産管理会社とのトラブル

サブリース契約とは、不動産管理会社がオーナーから物件を借り上げて、入居希望者に貸す方法です。このサブリース契約について、不動産管理会社とトラブルになる可能性があります。

サブリース契約では、不動産管理会社が入居者の募集から連絡、物件管理までを任せることができるため、オーナーにとっては有用な契約です。しかし、景気の悪化を理由に家賃の引き下げをされることや、多額の修繕費用や原状回復費用を請求されるなどのトラブルが考えられます。

サブリース契約を結ぶ際にリスクを説明されない場合や、誇大広告によって契約を結んでしまうなどのケースがあり、注意が必要です。この問題は、国土交通省や消費者庁でも注意喚起を行っています。不動産投資で起こりうるトラブルの中でも、最も注意が必要です。

投資用物件購入後の修繕費負担

中古物件などでよく見られるトラブルが修繕費の負担です。中古物件などは、年月の経過による老朽化が進んでいることがあり、巨額な修繕費がかかることがあります。

本来、不動産の売主は買主に対して「契約不適合責任」が課せられています。これは、引き渡された不動産について、適合しない箇所がある場合、売主は買主に対して責任を負い、買主は代金の減額や損害賠償などの請求が可能です。

例えば、壁や天井のひび割れからの雨漏りやシロアリによる腐食被害の発生などが考えられます。

契約不適合責任は、基本的に契約書内に関連する記載があるため、契約時や引き渡し時に見落としがないように確認しましょう。また、どこまでの範囲が契約不適合に含まれるかを把握しておかないと、思わぬ損失を被る可能性があります。

リスクを知らないまま投資用物件を購入してしまう

投資用物件を購入する際に、リスクを把握しておかないとトラブルになる可能性があります。不動産仲介業者の営業マンの中には、物件のメリットだけを伝えて購入をすすめてくる場合や、「今だけ限定」などの誘い文句で購入をすすめてくる場合があります。

このような場合でも、すぐに購入の決断をくださないようにしましょう。リスクを一切伝えられずに投資用物件を購入すると、後々トラブルに発展します。例えば、購入した物件が想像以上に老朽化が進んでおり、多額の修繕費がかかってしまう場合や入居率が低く、なかなか入居者が現れず収入が得られないなどのトラブルが起こるかもしれません。

投資用物件を購入する際は、メリットだけでなく、デメリットやリスクの説明を受けるようにしましょう。そのためには、複数の不動産会社を比較することをおすすめします。

不動産投資詐欺

近年、不動産投資トラブルの中でも増えてきているのが不動産投資詐欺です。多くの方が心配し、不動産投資に踏み切れないでいるのは、この不動産投資詐欺の被害が頭にあるからだと考えられます。

後で詳しく解説しますが、例えば手付金を振り込ませて、そのまま連絡が取れなくなってしまう「手付金詐欺」や、実際には存在しない不動産を集客のために宣伝する「おとり広告」などが行われています。

怪しい勧誘の場合には、しっかりと調査を行ってから購入などの手続きに進むようにしましょう。

不動産投資においてトラブルや詐欺に巻き込まれやすい人の特徴

不動産投資のトラブルや不動産投資詐欺に巻き込まれない人がいる一方で、巻き込まれやすい人も一定数います。トラブルや詐欺に巻き込まれやすい人には、共通の特徴がありますので、これから挙げる特徴に当てはまる方がいたら、十分に注意をしながら不動産投資を行うようにしましょう。

不動産投資でトラブルや詐欺に巻き込まれやすい人の特徴は以下のとおりです。

  • 不動産投資の知識がない
  • 物件を購入する際に調査しない
  • 不動産購入後のシミュレーションをしていない
  • 勧誘を断るのが苦手

不動産投資の知識がないまま、不動産投資を始めてしまうとトラブルや詐欺に巻き込まれやすいと言えます。初心者は不動産投資について勉強するようにしましょう。

また、物件を購入する際に現場を見にいかないなど、調査を怠りがちな方も注意が必要です。紹介された物件がどれほど素晴らしいものでも、実物を見るまでは購入の判断を下さないようにしましょう。

不動産購入後のシミュレーションをしておかないと、トラブルに巻き込まれる可能性が高まります。たとえ利回りの良い物件であっても、諸経費や管理費などを含めると、思っていた収益が得られないこともあるので注意が必要です。

勧誘を断れない方もトラブルに巻き込まれる傾向が強いです。不動産会社によっては、営業マンが言葉巧みに購入を迫ってくることも考えられます。勧誘時間が長くなればなるほど断れなくなり、最終的に購入予定のない物件を購入してしまうことも考えられるので注意しましょう。

不動産投資におけるトラブルを未然に防ぐ方法5選

不動産投資では、トラブルに巻き込まれる可能性は決して否定できません。そのため、トラブルを未然に防ぐための方法を把握しておくことが重要です。

ここからは、不動産投資におけるトラブルを未然に防ぐための方法を、厳選して5つ解説していきます。

不動産投資について勉強する

不動産投資に関して勉強し知識を得ることは、トラブル回避のポイントです。

不動産投資は、仕組みが理解できていない、用語を知らないような場合でも、不動産会社などに任せられるため、知識がなくても始められます。しかし、知識がないとリスクに気づかなかったり、詐欺に気づかなかったりして損失を被る可能性が高くなります。

不動産投資を始める際には、トラブルや詐欺に巻き込まれないためにも、不動産投資の基本的な知識や仕組みを勉強しておきましょう。

投資用物件は下調べをして購入する

物件の老朽化が進んでいるため、修繕費を支出しなくてはならなくなった、というトラブルに巻き込まれることがあります。これは、物件の下調べをせずに投資を始める人に多く見られるケースです。

確かに、不動産投資は物件を現地で見ることなく、不動産会社に選定してもらうことでスタートできます。しかし、現地におもむき、内見や建物が立っている地域を調べておかないと、トラブルに巻き込まれる可能性があります。

不動産投資でトラブルに巻き込まれないためにも、また、不動産投資を失敗に終わらせないためにも、物件購入の前には下調べを行うようにしましょう。

購入時は複数の会社を比較する

投資用物件を購入する際は、一つの不動産会社だけで選ばないことをおすすめします。一つの会社だけで購入を決定してしまうと、他の会社の方が利回りが良いのに投資してしまうことや、依頼した不動産会社が悪徳な業者だった場合でも気づかないこともあります。

不動産投資を始める場合は、複数の会社を比較しましょう。会社の事業内容や過去の実績、利用者からの評価を参考にして決めるようにしましょう。

不動産投資詐欺の事例を調べておく

過去に起きた不動産投資詐欺の事例を調べておくことで、詐欺被害にあうリスクの軽減が見込めます。不動産投資詐欺で代表的なのは、以下のとおりです。

  • 手付金詐欺:物件購入のための手付金を支払った後、音信不通となる。
  • 入居状況詐欺:サクラを雇うことで入居率が高いように見せかける。
  • 二重譲渡詐欺:売却済みの物件を、他者に意図的に売却する。

この他にも、さまざまな詐欺の手口がありますが、これらの事例を調べておくことで、同じような状況になった際に騙されずに済みます。

専門的な知識を持つ人からアドバイスを受ける

初めて不動産投資を行う場合は、専門家に相談することもトラブル回避のポイントになります。信頼できる不動産会社を見つけることができれば安心して相談が可能です。

その他、長年不動産投資をおこなっている投資家や、不動産投資塾でもアドバイスを受けることができます。

さまざまな選択肢がありますので、自分自身に最も適していると思える相談相手を探すようにしましょう。

不動産投資トラブルに遭遇したらどうするべきか

最後に、実際に不動産投資のトラブルや詐欺に巻き込まれた場合にはどうするべきかを解説します。

もし、不動産投資でトラブルや詐欺に遭遇した場合の相談先として、次の3つがあります。

  • 弁護士
  • 法テラス
  • 国民生活センター

受けた損害が詐欺によるものが明らかであれば、弁護士に相談するのが適切です。弁護士に相談すれば、法的な解決が見込めます。また、損害賠償請求や返金請求など裁判手続きを求める際には代理人となってもらえます。

法テラスとは、国が設立した法的トラブル解決のための機関です。刑事や民事を問わず無料で相談することができます。誰に相談すれば良いのかわからない場合や、経済的に余裕がない場合でも無料で相談できるのがメリットです。相談後、弁護士を紹介してもらうこともできます。

国民生活センターは、さまざまな消費者トラブルに対して、情報の提供やトラブルに関する相談を受け付けています。不動産投資に関するトラブルの相談も可能です。解決のためのサポートが受けられ、法テラスと同様に無料で相談することができます。

まとめ

不動産投資におけるトラブルや詐欺は、誰もが巻き込まれる可能性があるため、注意が必要です。

そのようなトラブルや詐欺に巻き込まれないためには、トラブルの内容を把握し、その対処方法を理解しておく必要があります。また、トラブルに巻き込まれやすい人の特徴を把握することで、自分自身が当てはまる場合には慎重になって不動産投資を進めるようにしましょう。

万が一、トラブルや詐欺に巻き込まれた場合には、弁護士や法テラス、国民生活センターに相談し、早めに解決することが重要です。

本記事で、不動産投資トラブルや詐欺について知ってもらうことで、その回避に役立てていただければ幸いです。

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