不動産投資は危険って本当?不動産投資のリスクと回避方法を詳しく解説します!
不動産投資についてインターネットで検索してみると、「不動産投資は危ない」という趣旨の記事が、比較的多く見受けられます。そのため不動産投資に興味があるものの不安を感じてしまい、不動産投資への挑戦を躊躇ってしまっている方もおられるのではないでしょうか。
確かに投資である以上、不動産投資にもリスクがともないます。しかしどのようなリスクがあるのか、どのような対策が効果的なのかを事前に把握できれば、問題なくリスクを回避しやすくなります。そうなれば、必要以上に不安を感じる必要もなくなるはずです。
本記事では、不動産投資が危ないと言われている理由や、不動産投資の8大リスクと、その対策を解説します。また、実際にリスクを回避した事例もご紹介していますので、不動産投資のリスクに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
不動産投資が危ない言われている理由
「不動産投資は危ない」と言われている主な理由は、以下のとおりです。
- リスクの大きさ
- 大規模修繕の必要性
- ローンの返済
それぞれ詳しく解説します。
リスクの大きさ
詳細は後ほど解説しますが、不動産投資にはさまざまなリスクが存在します。そこには、建物の老朽化にともなう修繕リスクや災害によるリスクなど、完全には回避できないリスクが含まれているのが実際です。
それらのリスクに備えるには、多くの手間や費用がかかるうえ、万が一リスクの影響を強く受けてしまった場合、投資物件の運営や、不動産投資そのものに支障を来してしまう恐れがあります。
このようなリスクの大きさが、不動産投資は危ないと言われる理由の1つです。
大規模修繕の必要性
アパートやマンションなどの住居を運用する以上、経年劣化は避けられません。建物が古くなったまま放置していれば、やがて住むのにも支障を来してしまうでしょう。そうなってしまえば、投資物件としての価値も失われてしまいかねません。そのため不動産投資では、投資物件の定期的な大規模修繕が必要となります。
一棟マンションなど、物件が大きくなれば修繕工事の規模も大きくなり、比例して費用負担も増していきます。この定期的な修繕による費用負担の大きさが、不動産投資は危ないと言われる理由の1つです。
ローンの返済
不動産投資では不動産投資ローンを活用するのが一般的なため、少ない自己資金で高額な物件を購入することも可能です。
月々の返済は、投資物件から得られる家賃収入で賄うのが一般的です。安定して家賃収入が得られれば問題ないのですが、空室が発生しするなどして、家賃収入が得られなくなってしまうと、月々の返済が難しくなる可能性があります。
一時的であれば、自己資金から問題なく返済できるでしょう。ですが思うように入居者を見つけられず、空室期間が長引いてしまうと、ローンの返済が苦しくなってしまうかもしれません。
このようなローン返済への危険性が、不動産投資は危ないと言われる理由の1つです。
不動産投資の8大リスク
先ほど解説した「不動産投資は危ない」と言われる理由は、いずれも不動産投資のリスクによるものです。
ここからは、不動産投資における代表的な8つのリスクについて解説すると共に、その対策をご紹介します。
リスク1 空室リスク
不動産投資のリスクとして真っ先に挙げられるのが「空室リスク」です。空室リスクとは、運用している物件に入居者がいないため、家賃収入が得られなくなるリスクを指します。
家賃収入が得られない場合、月々の返済は自己資金から支払う必要が出てきます。仮に空室状態を解消するために入居者募集の広告を出すとしても、その費用も自己資金で賄わなければなりません。
空室状態が長期間続いてしまうと、赤字経営に陥ってしまう可能性が高まります。最悪はローン返済が滞り、破綻してしまう恐れがあるので注意が必要です。
空室リスクへの対策
空室リスクに対しては、利便性が高い駅近の物件など、需要が高い物件を選ぶのが基本的な対策となります。
物件の立地は自由に変えられませんので、物件選びの段階で入念に調査し、十分な需要や人気が見込める物件かどうかを見定められるかがポイントになるでしょう。あらかじめターゲットとする入居者の属性を定め、人気のある間取りの物件を選ぶのも効果的です。
そのほか、設備を新しくして入居者の満足度を高める、入居者募集に強い管理会社と契約する、などの対策も一定の効果が期待できるでしょう。
リスク2 家賃下落リスク
空室リスクと並んで影響が大きいのが、家賃下落リスクです。想定が甘いと、思わぬリスクにつながってしまう恐れがあります。
一般的に家賃は、築年数の増加にともない徐々に下落していきます。需要の高い物件であるほど下落しにくくなりますが、基本的には避けられないリスクと考えて良いでしょう。
注意すべきは、空室リスクに連動した家賃の下落です。空室の長期化は収益に直結するほか、物件の資産価値にも悪影響を与えかねません。
家賃下落リスクへの対策
家賃の下落率がもっとも高いのは新築から10年までの間で、築20年程度で下げ止まるとされています。そのため、単純に家賃下落を避けたい場合には、家賃の下落率が落ち着いている中古物件を購入するのが効果的です。
根本的に対策したい場合は、できる限り立地条件の良い、将来的にも十分な需要を見込める物件を選ぶ必要があります。
空室リスクは家賃の下落を招くため、適切に対策しましょう。また老朽化を抑えて資産価値を下げないよう、こまめなメンテナンスも大切です。
リスク3 家賃滞納リスク
入居者が家賃を滞納してしまうと、家賃収入が得られなくなります。これが単純な支払い忘れなどの一時的な滞納であれば、悪影響も少ないでしょう。ですが入居者の経済的な問題によって滞納が発生した場合、空室リスクよりもて厄介な問題に発展してしまう可能性があるので、注意が必要です。
滞納が長引くほど、その間の家賃収入は得られず、経営にも影響が出てしまいかねません。また、滞納分の家賃を回収できる保証はないうえ、場合によっては強制退去や裁判にまで発展する恐れもあります。費用だけでなく、手間と時間もかかってしまうため、迅速かつ適切な対応が必要です。
家賃滞納リスクへの対策
家賃滞納リスクへの対策には、2つの方向性があります。1つは、家賃を滞納する可能性が高いと判断できる人を入居させないための対策です。入居審査の基準を厳しくして、支払い能力に疑いのある希望者の入居を拒否し、滞納リスクを未然に防ぎます。
もう1つは、万が一滞納が発生しても、家賃収入を確保できるよう対策する方向です。連帯保証人をつけるよう義務付けておけば、連帯保証人から滞納分の家賃回収が可能になります。家賃保証会社と契約しておけば、滞納分の家賃は保証会社から支払われるため、より安全です。
リスク4 倒産リスク
不動産管理会社が倒産してしまうのも、不動産投資における大きなリスクの1つです。管理会社が倒産してしまうと、新たな管理会社と契約するまで物件の管理が滞ってしまいます。
なお、倒産した管理会社が家賃の回収を代行していた場合、回収済みの家賃が振り込まれない可能性もあるため、特に注意が必要です。資金繰りの悪化にともない運転資金に回してしまっていると、回収が難しくなってしまいます。敷金の管理を任せていた場合は、使用しなかった敷金を入居者に返還する必要がある関係上、最悪は自己資金で対応する必要があるでしょう。
また、賃貸借契約書などの重要書類を預けていた場合、倒産によって書類が失われてしまう可能性があります。そのままにしておくと、契約書が必要になった際に対応ができなくなってしまうため、入居者から控えをコピーさせてもらうなど、できるだけ早い段階で対応しておきましょう。
このように、不動産管理会社の倒産の影響は非常に大きいです。だからこそ手数料の安さだけで判断せず、経営状態などもしっかり確認したうえで、慎重に選ぶよう心がけてください。
倒産リスクへの対策
経営状態が安定している、健全な不動産管理会社と契約をするのが1番の対策です。管理会社の実績や経営状態を確認し、できる限りリスクを減らしましょう。
万が一の場合は、倒産する前に契約を解除できれば、倒産リスクを回避できます。管理会社からの家賃の支払いが遅れるといった、倒産の兆候がみえた場合、できるだけ早く変わりの管理会社を探すなど、迅速に対応するのも大切です。
リスク5 修繕リスク
投資物件の資産価値を維持し、老朽化を抑えるためにも、建物の定期的な修繕工事は欠かせません。とはいえ築年数が進めば、定期的な大規模修繕が必要になってきます。
物件の構造にもよりますが、大規模修繕は一般的に12〜18年周期でおこなわれるケースが多いです。修繕箇所は屋根や外壁、共用部分など、建物全体に渡るため大きな費用がかかるため、不動産投資における大きなリスクの1つとされています。
入居者が退去する際にも原状回復が必要になる場合があるので、注意してください。
修繕リスクへの対策
修繕リスクへの対策は大きく分けて、建物としての寿命が長い物件を選ぶ方法と、修繕のための資金を用意しておく方法の2種類があります。
木造の建物よりも、RC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄筋鉄骨コンクリート造)のほうが耐用年数が長く、その分だけ大規模修繕が必要な周期も長くなります。より耐用年数が長い構造の物件を選んだうえで、管理・メンテナンスを適切におこなうだけでも効果が期待できます。
長期修繕計画を立てておく、修繕積立金を用意しておくなど、あらかじめ大規模修繕を見越した対策も重要です。十分な修繕のノウハウを持つ管理会社と契約して、修繕に関するアドバイスを得るのも良いでしょう。
リスク6 災害リスク
地震や台風などの災害が発生し、所有している物件が被災した場合、建物に損害を受けてしまう可能性があります。
建物へのダメージに比例して修繕のコストが大きくなりますし、最悪は建物が倒壊してしまうケースも考えられます。このように、災害によって発生する突発的な損害も、不動産投資の大きなリスクといえます。
また、災害後の修繕工事の規模によっては家賃収入が得られなくなる可能性や、入居者募集を停止しなければならない可能性もあります。このように、長期にわたって運用に支障を来してしまう可能性があるため、可能な限りリスクヘッジをしておくのが大切です。
災害リスクへの対策
自然災害によるリスクは、完全にはなくせません。したがって、仮に災害が発生してもできるだけ被害が大きくならないよう、事前に対策を施しておく必要があります。
たとえば、物件選びの段階でハザードマップを確認し、地震や津波、火災による被害の危険度が低い地域の物件を選ぶのも効果的な対策の1つです。耐震性の高い物件を選ぶのも、効果が期待できるでしょう。旧耐震基準の物件に関しては、耐震補強工事を施す方法もあります。
被害そのものは防げませんが、火災保険や地震保険に加入するのも対策の1つとして有効です。
リスク7 不動産価値の下落リスク
不動産投資物件は、家賃収入が下がると収益力が低下してしまうため、結果として不動産価値も下がってしまいます。これが不動産価値の下落リスクです。
不動産価値の下落によって物件の売却価格が低下するほか、連動して家賃収入も低下してしまうため、思ったような利益が得られなくなる可能性が高くなります。
家賃収入が下がる要因は、築年数や競合物件の増加、物件そのものの需要低下など、さまざまです。このように不動産価値の下落リスクは、家賃下落のリスクや空室リスクにも連動しているため、注意が必要です。
不動産価値の下落リスクへの対策
賃貸需要が将来的にも見込める物件を選ぶのが、リスクに対する備えになります。
人口が減少している地域よりも、増加、もしくは維持が期待できる都市部の物件のほうが、価値を維持しやすいです。利便性の高い立地や、アクセスのよい立地、日当たり、風通しなどの好条件を満たしているかも大きく影響します。
空室対策を徹底し、家賃下落を押さえるのも効果的です。
家賃の下落は不動産価値の下落に直結するため、他のリスクへもしっかりと対策しておくのが大切になります。リフォームやリノベーションによって、ある程度の価値を回復できる可能性もあるため、資金に余裕がある場合は試してみるのも方法の1つです。
リスク8 金利上昇リスク
不動産投資では多くの場合、不動産投資ローンを利用します。ローンの返済には金利が上乗せされるため、金利が上昇するほど毎月の返済額が増加し、キャッシュフローが悪化してしまう可能性があります。これが金利上昇リスクです。
不動産投資ローンでは変動金利のほうが、固定金利よりも低い金利が設定されています。返済期間中に金利が上昇しない限り、変動金利のほうが低金利を維持できるため、支払総額を抑える効果が期待できます。
ですが変動金利は、一定期間ごとに適用金利が見直される仕組みです。金利が上昇すると、それにともなって適用金利も上昇するため、金利上昇リスクを負ってしまいます。
借入金額が大きいほど金利上昇の影響が大きくなるので、レバレッジ効果を効かせて借り入れている場合は、特に注意が必要です。
金利上昇リスクへの対策
金利上昇リスクを減らすには、借入金を減らすのがもっとも効果的です。もしも不動産投資ローンを利用せずに、自己資金だけで物件を購入できたとしたら、金利上昇のリスクはゼロになります。したがって、返済能力を超えた必要以上のローンを避けるのが、基本的な対策となります。
計画的な繰り上げ返済も効果的です。繰り上げ返済をおこなうほど借入金が減少し、金利上昇リスクの影響も小さくなります。
全期間固定金利のローンを利用するのも、有効な対策です。ただし、変動金利よりも適用金利が高めに設定されている点に注意してください。
不動産投資リスクの回避成功事例5選
不動産投資のリスクにはどのようなものがあるか、ご理解いただけたと思います。
それと同時に、不動産投資に躊躇してしまう人もいるかもしれません。しかし、リスクに対して備えておけば、不動産投資を安心して行うことが可能です。
ここでは、不動産投資リスクの回避に成功した事例を通して、対策方法を紹介します。
事例1 物件選びを慎重に行うことで空室リスクを回避
初めて不動産投資を行うAさんは、不動産投資の最大のリスクが空室リスクだと知り、回避するための方法を学ぶことにしました。
不動産投資に関する本や不動産関係のセミナーに参加し、以下のことに注意して物件を選んだ結果、空室リスクを回避できたそうです。
● 賃貸物件が飽和状態のエリアを避ける
● 好立地(駅やスーパー、コンビニの近くなど)の物件を選ぶ
物件選びの際には、周辺の環境や立地条件等を慎重に検討することで空室リスク回避につながる事例です。
事例2 借主への対策を行うことで家賃滞納リスクを回避
2件目の投資用不動産購入を考えていたBさん。1件目の物件で発生した家賃滞納リスクを回避したいと考え、不動産管理会社に相談しました。
不動産管理会社から以下の提案を受けて実施したところ、家賃滞納リスクを回避できたため、1件目の物件にも同様の対策を実施したといいます。
● 借主の事前審査を厳しくする
● 保証協会へ加入する
家賃滞納リスクは、借主本人の収入状況など、審査を厳しく行うようにしましょう。また、保証協会に加盟することで、協会へ支払う費用はかかるものの、家賃の立て替えをしてもらえるため、家賃滞納リスクを回避可能です。
事例3 修繕に備えておくことで修繕リスクを回避
中古物件を多数購入しているCさんは、投資仲間のDさんが修繕費用のことを知らず、多額の出費を余儀なくされたことを聞きました。
Cさんは、Dさんに修繕リスクについて次のようなアドバイスをしました。
● 購入時に修繕計画を確認しておく
● 修繕費用の積み立てをしておく
修繕を行う際は業者選びに注意をする。
中古物件は大規模修繕が必要となる場合もあるので、事前に修繕計画について確認しておきましょう。修繕計画が分かったら、修繕時期までに修繕費用を積み立てておくことで修繕リスクを回避することができます。
事例4 リフォーム・リノベーションで不動産価値の下落リスクを回避
長年、不動産経営をしているEさんは、経年劣化によって所有している不動産の価値が下がり、収益が低下することを心配していました。
そこで、信頼している不動産会社に相談にいくと、次のようなアドバイスを受けました。
● リフォームやリノベーションを検討する
経年劣化による不動産価値の低下は、リフォームやリノベーションを行うことで回避が可能です。特に近年は、リノベーション物件に注目が集まっているため、検討する価値はあるでしょう。
事例5 災害発生の可能性を調査し対策を打つことで災害リスクを回避
投資用不動産の購入を検討しているFさんは、投資仲間から災害リスクについて聞き、被災した際の損失が心配になりました。
そこで、購入を依頼している不動産会社に相談に行き、次のような点に気をつけると良いと伝えられたそうです。
● 自治体が作成しているハザードマップを確認する
● 地震保険や火災保険に加入しておく
● 新耐震基準の物件を選ぶ
ハザードマップを確認することで、災害発生リスクを確認しておくのは有効なリスク回避手段です。また、地震が多い日本では、新耐震基準の物件を選ぶことで損失を最小限に抑えたり、保険に加入しておくことで損失を補填したりすることができます。
まとめ
不動産投資も投資の1つなので、「リスクが発生する可能性がある」という認識を持っておくことが重要です。
また、本記事で挙げたようなリスクが発生することを理解しておくことで、実際にリスクが発生した際にも冷静な対応ができます。
さらに、対策方法を把握しておけば、完全とは言えませんがリスクを回避できる可能性が高まるでしょう。
そして何より、不動産に対しての知識やノウハウを日頃積極的に学ぶ姿勢が重要です。
不動産会社が主催するセミナーに参加することも一つの方法ですが、大家仲間が集うスクールなどもお勧めです。
本記事をご覧になり、不動産投資リスクを理解し、対策を講じることで皆さんの不動産投資が成功につながれば幸いです。