不動産投資で税理士を依頼するべき?メリットやデメリット・選び方を解説
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- 不動産投資を始めたいけど確定申告のやり方が分からず不安
- 不動産投資で税理士に業務を依頼したらどれくらいかかる?
- 不動産投資の知識が豊富な税理士はどうやって見つけられるの?
不動産投資をしたいけれど税金周りのことがわからなくて不安に思っている方は、税理士に業務を依頼するのがおすすめです。
専門知識を持った税理士に依頼をすれば、最小限の時間と手間で効果的な節税ができる可能性があります。一方で、費用面などのデメリットもあります。
この記事でわかること
- 不動産投資で税理士がやってくれること
- 不動産投資で税理士に依頼するメリット・デメリット
- 不動産投資の知識が豊富な税理士を見つける方法
目次
不動産投資で税理士に依頼するべき?
不動産投資をする中で税務関連の不安や悩みを抱えているのであれば、税理士に依頼するのがおすすめです。
税理士がおこなう主な業務は、以下の3つです。
- 確定申告
- 節税のアドバイス
- 税務調査の対応
それぞれの業務は複雑で、ミスが発覚すると後からペナルティとして追加の支払い義務が生じる可能性があるため、ご自身でやるのはハードルが高いです。
具体的にそれぞれの業務内容を説明します。
確定申告
不動産投資をするのであれば、確定申告は必ずおこなわなければなりません。
確定申告では申告書類が複数あり、聞き慣れない専門用語も多数出てくるため、膨大な時間と手間がかかります。
そして、作成内容にミスがあれば税務署からの信用度が下がり、調査の対象になったり、必要以上に税金を払ったりするトラブルに発展するケースも多いです。
そこで、税理士に依頼すれば時間と手間を省けるうえ、書類作成のミスを無くせます。
ただし、「税理士に必要書類を提出して終わり」とはならず、税理士からいくつか質問された際には早急かつ的確に返答する必要があります。
不動産投資のボリュームによって情報共有にかかる時間は異なりますが、税理士から聞かれたことに回答するだけで確定申告が終わるのは安心でしょう。
節税のアドバイス
税理士は税金周りに関する専門知識が豊富なため、合法な範囲で節税する方法を教えてもらえます。
不動産投資に限ったことではありませんが、税金には各分野にある特例を組み合わせることで納税金額を安く抑えられる可能性があります。
とはいえ、不動産投資を始めたばかりの方や税金周りの知識が乏しい方は、特例を見つけられなかったり、脱税になったりする可能性が高いです。
特例に加えて「経費」も税金額を抑えるために重要な項目ですが、「何が経費にできて、何が経費にできないか」の判断は難しいです。
税理士から経費のアドバイスを受けられれば、利益の手取りを多く残せるでしょう。
税務調査の対応
不動産投資の確定申告では、提出内容によって税務調査の対象になる可能性がありますが、税理士をつけておけば調査に同行してもらえます。
税務調査では、税金関連の知識を持つ調査員と専門性の高い質疑応答をしなければならず、不審な点があれば追徴課税の支払いが求められる可能性もあります。
確定申告を税理士に依頼した時点で税務調査の対応もしてもらえるのが基本ですので、万が一、調査対象になっても不安は少なく済むでしょう。
不動産投資で税理士に依頼するメリット
主に税務関連の業務をおこなうのが不動産投資の税理士ですが、実際に依頼することで得られるメリットとはなんでしょう。
ここでは3つのメリットについて説明します。
時間と手間を省ける
税理士に依頼すると、複雑で時間のかかる作業を任せられます。
不動産投資で不動産所得が生まれたのであれば、年間の取引を帳簿にまとめて青色申告決算書もしくは収支内訳書を作成しなければなりません。
白色申告をすれば年間取引の帳簿にまとめる作業は省略できますが、控除や免税などの特例を適用できないため、納税額が高くなります。
一方で青色申告決算書は、記載項目が多く、所有不動産情報や減価償却費の計上が複雑で、税務の事務作業に慣れていないと不備が生じやすいです。
確定申告の申請期間は限られているため、税理士に依頼すれば確定申告の時期もストレスフリーで仕事やプライベートに集中できるでしょう。
節税が期待できる
税理士に依頼すると、脱税リスクなく不動産売却・賃貸の特例を使って節税ができます。
不動産投資に関わらず税制上には数々の特例がありますが、適用条件や上限額は複雑に設定されているため、適用されるか判断するのに時間がかかります。
不動産投資を専門にする税理士は、分野に特化した特例の最新情報を常にチェックしているので、節税効果の高いものを提案してもらえるでしょう。
適用される特例が複数あったとしても併用不可な場合は、どの組み合わせにすると最も節税効果が高いか比較してくれるため、利益を最大限手元に残せます。
中途半端な知識で特例を利用しようとすると、最悪のケースで脱税による追徴課税が課せられるリスクもあるため注意しなければなりません。
税務署からの信用度が高くなる
税理士に依頼すると、複雑な手続きを代行してくれるため、入力ミスや申告漏れを防げて信用度の向上につながります。
税務署から申告漏れを指摘された場合、故意でなかったとしてもペナルティの対象になり、最悪のケースでは脱税として有罪になるリスクもあるため注意が必要です。
また、確定申告は誰が作成したものか確認できるシステムになっています。
専門性の高い知識を持っている税理士が作成したとわかれば、税務署からの税務調査の対象になりにくいです。
それほど税理士は信用度が高い存在のため、税務調査リスクを減らしたいのであれば、確定申告の作成を任せてしまうのも良いでしょう。
不動産投資で税理士に依頼するデメリット
不動産投資で税理士に依頼すると多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあるため、依頼する前に確認が必要です。
ここでは2つのデメリットをお伝えします。
メリットと比較して依頼するか検討しましょう。
税理士費用がかかる
税理士に依頼する際には、ある程度まとまった費用がかかります。
具体的な費用は依頼内容や規模によって異なりますが、おおよそ5,000〜200,000円ほどです。
「初回相談」を受け付けている税理士事務所も多く、1回目は無料、2回目は1時間あたり5,000〜10,000円ほどが相場です。
続いて、確定申告の時期に単発で依頼した場合は10万円から、特例を適用させるなど複雑な業務を含む場合はさらに追加料金が上乗せされます。
また顧問契約を結んでいるのであれば、確定申告の時期に1回でまとめて資料を提出したり、3ヶ月ごとに資料を提出したりして税務関連の業務を任せられます。
賃貸物件1棟ほどであれば50,000円から依頼できますが、数ヶ月単位で定期的にやり取りをするのであれば、1ヶ月15,000円からの契約になるでしょう。
さらに、家賃収入が年間1,000万円を超えるような大規模投資をしているのであれば、個人であっても中小企業並の作業時間がかかるため、費用も高額になります。
費用はかかりますが、ご自身で作成した確定申告にミスがあれば追徴課税などのペナルティが発生するリスクを踏まえると、費用がかかっても税理士に依頼したほうが良いでしょう。
税金の知識がつかない
税理士に依頼すると、任せっきりになるため税務周りの知識が身につきません。
確定申告の作成を税理士に依頼したとしても、所得税等の支払いはご自身でおこなうため、「何にどれほど税金がかかっているか」を把握するのも大切です。
また、完全に任せっきりにしてしまうと税理士が申告漏れをしたり、本来は適用できる特例を調べずに簡単に業務を済ませようとする可能性があります。
複雑な業務を「何も言ってこないからいいや」と簡略化されてしまっては本末転倒です。
常に税理士が緊張感を持って業務に向かえるようにするためにも、ご自身でも税金面に興味を持って調べることが大切です。
とはいえ、信頼できる税理士がいて、ご自身は本業に集中したいと利害が一致しているのであれば、大きなデメリットにはなりにくいでしょう。
不動産投資の知識が豊富な税理士を見つける方法
不動産投資の税理士は、誰でも良いわけではありません。
ここでは、不動産投資の業務を得意とする税理士を見つける方法についてお伝えします。
知人・不動産業者から紹介してもらう
不動産投資をしている中で知り合った信頼できる知人や不動産業者からおすすめの税理士を紹介してもらえれば、安心して依頼できます。
同じネットワークにいる税理士であれば、不動産投資に精通した人材である可能性が高く、節税に関する特例のアドバイスも多く受けられるでしょう。
また、お互いのことを知っている知人から紹介してもらえれば、ご自身で探す手間も省けます。
ただし、知人や不動産業者から紹介してもらうと、相性が悪いと感じても断りにくいことがあるため注意が必要です。
まずは、どのような実績があるか・どのような人柄かを確認して依頼したいと思えたら、紹介してもらいましょう。
税理士のマッチングサイトの評判を見る
最近では、税理士に依頼したい人たちと依頼を待つ税理士のマッチングサイトが増えています。
知人や不動産業者などとのコネクションがないのであれば、インターネットで探すよりもマッチングサイトを利用した方が安心です。
日本国内でユーザー数の多い税理士のマッチングサイトは、以下の通りです。
- ビスカス
- 日本税理士紹介センター
- 税理士ドットコム
税理士のプロフィールを見れば、実績や得意分野などが一目見てわかります。
実際にコミュニケーションをとってから依頼するか決められるので、複数の税理士を比較してご自身との相性を確かめましょう。
まとめ
不動産投資の確定申告に対して不安や疑問を持っているのであれば、脱税リスクがなく、効果的な節税アドバイスをしてもらえる税理士への依頼を検討しましょう。
実際に税理士に依頼するときは、不動産投資関連の税制に関する知識が豊富かはもちろん、相性も大切です。
安心して依頼するために、複数の税理士を比較するなどして最適な税理士を探しましょう。