不動産投資で人気のボロ戸建て投資とは?失敗しないために考える5つのリスクとポイントを解説

最終更新日:2024年10月16日

ボロ戸建て投資とは、格安で販売されている戸建てを購入して賃貸物件として貸し出し、家賃収入を得る投資方法です。

価格が数十万円から数百万円の物件を投資対象とするためコストを抑えやすく、初心者にもおすすめです。

とはいえボロ戸建てならではのリスクを把握しておかなければ、大きな損を生んでしまいかねません。

この記事では、ボロ戸建て投資の特徴・メリットに加え、どのようなリスクがあるのか、どんな人が向いているのかを解説します。

失敗事例や、失敗しないためのポイントについても紹介しますので、ボロ戸建て投資に興味を持っている方は、ぜひ参考にしてください。

ボロ戸建て投資とは         

ボロ戸建て投資とは築年数が古い戸建てを購入し、リフォームやリノベーションを行って第三者へ貸し出す不動産投資のことを指します。ボロ戸建ての年数には明確な定義はなく、40年や50年、もしくはそれ以上の築年数を指します。

近年、中古住宅に居住される方が増えてきたことから、ボロ戸建てのリフォームをして貸し出す投資家が増加傾向にあります。

また、ペット飼育の需要が増加し、ペット飼育条件に合致するアパートの供給がすくないことや、騒音問題を気にされて戸建てに住みたいとの需要もあることから、

戸建て投資も増えてきています。

ボロ戸建て投資のメリット  

少ない費用で取り組めるボロ戸建てには、以下のようにさまざまなメリットがあります。

  • 少ない費用で始められる
  • 高利回りを狙える
  • 融資が難しい場合でも取り組みやすい
  • 空き家の活用で地域に貢献できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

高利回りを狙える

初期投資額が低いため、高利回りを狙うことが可能です。

利回りとは投資額に対して1年間で回収できる割合を指し、値が高いほど収益性が高いことを指します。利回りは以下の計算式で算出可能です。

利回り(%)=1年間の家賃 / 投資額 × 100%

ボロ戸建ては1年間の家賃が低いものの、投資額も低いため、高利回りを狙うことができます。そのため初期投資を抑えて高い収入を狙うことが可能です。

現金で購入できる可能性が高い     

ボロ戸建ては初期投資額が低いため、現金で購入できる可能性が高いです。

築年数が新しい物件は価格も高額であることから金融機関の融資を利用して投資します。

しかし誰でも借入できるわけではなく、審査をクリアしなければいけません。

また借入した場合は利子が付いた金額を返済しなければいけないため、借入額より多い金額を返済することになります。

しかしボロ戸建ては数十万円から数百万円で購入できるため、現金で投資することができ、返済義務も発生しないメリットがあります。

融資が難しい場合でも取り組みやすい

まとまった自己資金が用意できないなどの事情から、不動産投資ローンの審査に通らず、融資の利用が難しい状態の方もおられるのではないでしょうか。

ボロ戸建投資は必要となる初期費用が少ないため、融資を利用しなくても投資できるケースが多いです。そのため何らかの理由で不動産投資ローンが利用できず、一般的な不動産投資が難しい方にとっても、ボロ戸建投資は取り組みやすい投資方法となっています。

不動産投資の前段階として、まとまった自己資金を獲得する手段として活用するのも良いでしょう。

空き家の活用で地域に貢献できる

ボロ戸建て投資は、古くなった民家や、長らく放置されて状態が悪くなった空き家などを積極的に活用して、収益に繋げる投資方法す。

近年、全国的な空き家の増加が社会問題となっています。放置された空き家は急激に劣化が進むため、長期間放置され続けていると外壁や屋根が崩れ落ちるだけでなく、建物自体が倒壊してしまう可能性が出てくるなど、大変危険です。人の目が届きにくいため、不審者が侵入してしまうケースも多く見られるほか、放火のターゲットにされてしまう危険性や、何らかの不法行為に利用されてしまう可能性も高まります。荒れ果てた家屋や庭は害虫や害獣の発生源になってしまう恐れがあり、周囲の景観にも悪影響を与えかねません。

このように放置された空き家は、周辺地域にさまざまな悪影響を与えてしまう可能性が非常に高いため、適切な管理が必要不可欠となっています。

ボロ戸建て投資は、いかに安く購入していかに利益を出すか、という側面が強い投資方法です。

周囲に悪影響を与えるような空き家に近いほど安く購入できる可能性が高いため、空き家を活用するケースも自然と増えてきます。

つまり、ボロ戸建て投資に取り組む中で、周辺地域で問題となっている空き家を積極的に活用すればするほど、利益を得ながら地域の空き家問題に貢献できるのです。

ボロ戸建て投資のリスク

コストを抑えたうえに高利回りが狙えるボロ戸建て投資ですが、大きなリスクが伴うため注意しなければいけません。ここでは3つのリスクを紹介します。

リフォーム費用が高額になる可能性が高い   

ボロ戸建てはリフォーム費用が高額になる可能性が高いため注意しなければいけません。

建物の設備や配管のみならず、構造まで修理しなければいけない建物も多いです。

場合によっては、購入費用よりリフォーム費用の方が高いというケースは少なくありません。

そのため購入前にリフォーム費用の見積もりを取り、購入価格と合算して採算が合うのかを検証する必要があります。

ネット検索から外れる可能性が高い

築年数の古さからネット検索から外れる可能性が高いため、入居者が見つかりにくいデメリットが挙げられます。

スーモやアットホームで検索する際、「築年数」を入力する項目があります。新しいものを好む日本人は、築年数が浅い物件を探す方が多いため、ボロ戸建てが検索表示されない可能性も高いです。いくらリフォームやリノベーションを行っていても、築年数を変えることができないため、入居者を見つけにくいです。

既存不適格・違法建築物件がある  

ボロ戸建て投資の対象となる古民家や空き家に多いのが、既存不適格物件と違法建築物件です。

既存不適格物件とは、現行法に適さなくなってしまった建物を指します。その建物が建てられた当時は適法だったものの、現在に至るまでの法改正によって基準が変化した結果、建物全体や一部分が新しい規定に適さなくなってしまったのがよくあるケースです。

土地の一部が道路となり、結果的に建ぺい率などの基準を満たさなくなった例もあります。

一方の違法建築物件とは、建てられた時点で法令に適しておらず、違法と見なされた物件を指します。

具体的には、建築確認申請がなかったケースや、増改築によって建ぺい率や容積率が基準を超えてしまったケースが多いです。これらの物件を購入して大規模なリフォーム工事をおこなう場合は、現行に適合した建物にしなければいけません。

当然、耐震性や防火性などの基準をクリアしなければならず、その分だけ工事費用も高額になりがちなため、注意が必要です。

既存不適格物件と違法建築物件に関しては、基本的には重要事項説明書などに明記されていますが、重要事項説明で初めて説明されるケースもあるようです。不必要なリスクを避けるためにも、購入前に専門家に依頼して、現行の法令を遵守している建物であるかを確認してもらいましょう。

融資を受けにくい

一般的に戸建て投資には、融資を受けにくい側面があります。

マンションやアパートを活用する一般の不動産投資に比べ、戸建ての投資は収益性が低いとされているため、審査に通りにくいのが理由です。

ボロ戸建て投資の対象は、築20年以上の住居や空き家、状態が悪く格安で手に入る建物などです。投資対象の資産価値が失われているため、通常の戸建て投資よりも審査は厳しくなってしまうでしょう。

売却が難しい

リフォームするとはいえ、必ずしも建物の状態を改善しきれるとは限りません。

こまめに手入れされていた古民家であれば良いのですが、空き家として長らく放置されたような、元からの状態が悪かった建物をリフォームしても、見えない部分の欠陥などは隠しきれないものです。

このような物件の場合、賃貸物件としてある程度の期間を貸し出せたとしても、売却する際に買い手を探すのに苦労してしまうケースが見受けられます。最終的に売却を考えている場合は、注意してください。

売却には、実需(一般の方向け)と不動産投資家への売却方法があり、特に投資家への需要は未だ需要が高いことがあり、多方面で検討することで売却の道は開けるでしょう。

ボロ戸建て投資に向いている人の特徴

これまでお伝えしてきた通り、ボロ戸建て投資は一般的な不動産投資と比べると、少し方向性が異なる点が存在します。

そのため、一般的な不動産投資の範囲での戸建て投資に成功していたとしても、必ずしもボロ戸建て投資も成功するとは限りません。

そこでここからは、どんな人がボロ戸建て投資で成功しやすいのか、向いている方の特徴を紹介します。

できるだけリスクを小さくしたい

失敗してもやり直せるよう、できるだけリスクを小さく投資を始めたい方に、ボロ戸建て投資は適しています。

不動産投資ローンを利用する必要がなく、少ない自己資金のみで投資が可能であるため、仮に失敗したとしても致命的になりにくいです。ローンを利用する必要もない分、ランニングコストも少なめなため、できるだけ負担を小さくするスモールスタートを意識している方にもおすすめできます。

ただし一般的な不動産投資と比べると、1つの物件から得られる利益は少なめです。大きく稼ぎたい方よりも、こつこつと地道に取り組みたい方に向いていると言えるでしょう。

リフォームやDIYが好き

ボロ戸建て投資をおこなうからには、リフォームは避けて通れません。たとえ細々とした修繕であっても外部に依頼すれば、それだけでも少なくない費用が発生してしまいます。

ですが、もし細かい修繕や簡単な作業だけでも自分の手で済ませられたとしたら、その分の費用を浮かせられます。特にリフォームやDIYが好きで、普段からやり慣れている方や得意な方は、その分だけ投資が有利に働きやすいです。好きだからこそ前向きに取り組める、という点も強みになるでしょう。

特に、内装や建設に携わる職人が副業として取り組むのに、ボロ戸建て投資はうってつけです。

時間に余裕がある

いかに費用を抑えて、効率よく収益性を高められるかがボロ戸建て投資のポイントとなります。そのため、できるだけ費用を安くできるよう関係者との関係を深める、直せる部分は自分の手で直すなど、何かと時間がかかる作業に取り組む必要が出てきます。物件や業者、入居者と丁寧に向き合う必要もあるため、ある程度時間の融通が効く方や、時間に余裕がある方、可能な限りボロ戸建て投資に時間を割ける方のほうが向いています。

本業が忙しい方や自由な時間を作りにくい方、できるだけ手間を掛けたくない方は、他の投資方法を検討したほうが良いでしょう。

リフォームの知識を持っている

修繕費用を抑えるためには、できるだけ自分の手で修繕する必要が出てきます。たとえ自分の手で修繕しなかったとしても、余計な工事を避けるため、どこにどれだけの修繕が必要なのかを見抜き、対処しなければなりません。

賃貸物件として人に貸し出すためには、適切な修繕を施し、人が住んでも問題のない状態に仕上げる必要があります。それを実現するためにも、リフォームに関する知識は必要不可欠です。以前からリフォームに興味がある方や、専門知識を有している方は、その点有利と言えるでしょう。

もちろん、これから積極的に学ぶ時間を作るのであれば、リフォーム知識を持ち合わせていなかったとしても問題ありません。投資活動を始めた後も、継続的に学び続ける姿勢が大切です。

ボロ戸建て投資の失敗事例

投資の失敗を避けるためには、どのような失敗パターンが多いのかを知り、対策するのが効果的です。

ここからはボロ戸建て投資でよく見られる失敗事例を、3つご紹介します。

事例①想定よりも大規模なリフォームが必要になった

当初想定していたよりも建物が劣化していて、大規模なリフォームが必要になってしまうケースがあります。

工事が大規模になればなるほど工事費用が大きくなり、利回りが大幅に低下してしまうので、注意が必要です。

たとえば、条件の良さから内見せず即座に購入を決めたものの、雨漏りやシロアリの被害が大きく、想定よりもリフォームに時間とお金がかかってしまう、といったケースが見受けられます。

長く放置されていた空き家などは、水道やガスなどのインフラ周りに重大な欠陥を抱えているケースも少なくありません。中には天井や壁を解体してみなければ気付けない欠陥はあるものの、できるだけ手間を掛けずに活用できる物件を選ぶのが大切です。

事例②そもそもリフォームできなかった

再建築不可物件の場合、柱の組み換えのような基本構造に影響を及ぼす大規模リフォームは認められません。

再建築不可物件とは、十分な広さの道路に接していないために建て替えが認められていない物件を指します。たとえば、安さにつられて購入した再建築不可物件の状態が悪く、大規模なリフォームが必要だったとしても、小規模なリフォームしかできないため、注意が必要です。必要十分な修繕がおこなえなかったために、思うように入居者を見つけられなかった、といったケースも起こり得ます。

再建築不可物件を購入する場合は、本当に小規模な修繕で対応できるのか、注意深く確認するよう心がけましょう。

事例③入居者が見つからなかった

物件のリフォームに成功しても、立地の悪さや間取りの悪さ、中古物件への不安感などから、思うように入居者を見つけられないケースも少なくありません。

たとえばファミリー層は3LDKや4LDKなど、十分な部屋数のある間取りを求める傾向が強いです。そのためファミリー層をターゲットとしている場合、2DKなどの部屋数の少ない物件を選ぶと、入居者探しに苦労する可能性が高くなってしまいます。

逆に、独身の若い世代をターゲットにするのであれば、アクセスの悪い立地は人気がなく、致命的です。入居者が見つからない間は収入が発生しませんし、家賃の値下げで対応せざるを得なくなります。

このような失敗を避けるためにも、入居者のニーズは物件購入の段階から意識しておきましょう。

失敗しないためのポイント

最後にボロ戸建て投資で失敗しないためのポイントを4つ紹介します。

リフォームの勉強が必要

繰り返しになりますが、ボロ戸建て投資ではリフォームの実施が前提です。

そのため購入した物件のどの部分に、どのような修繕が必要なのかを判断する知識が必要不可欠です。

修繕が少なく済みそうなお買い得物件を見つけるためにも、リフォームに関する勉強には積極的に時間をかけて、継続的におこない続ける必要があります。

ボロ戸建て投資では無理のない範囲で、自分なりの目標利回りや予算上限をあらかじめ決めておくのも大切です。物件の状態を見ただけで、ある程度のリフォーム費用の規模感が掴められるようになれば、自然と投資の成功率も上がるでしょう。

リフォームして採算が合うのかを確認する

投資するボロ戸建て投資が、リフォームして採算が合うのかを事前に確認しましょう。購入してからリフォーム費用の見積もりを取っていては、投資事業で利益が出るのか判断できません。

さらに既存不適格・違法建築物件はリフォーム費用の高額となるケースが多いため、事前にリフォーム費用の見積もり(合い見積もり)を取っておくことが大切です。

需要があるのかを調査する            

ボロ戸建ては需要が低い場所の物件が多いため、事前にエリア調査を行っておく必要があります。いくらボロ戸建てを新築物件のようにリフォームしたからといって、需要がなければ入居者が見つからず収入を得ることができません。

そのため投資物件が見つかった際は、購入前にエリア調査を行いましょう。具体的には以下のような点を確認します。

  • 近隣物件に同じような戸建て賃貸があるのか
  • 物件周辺に施設があるのか(スーパー・病院など)
  • ファミリー層が居住しているエリアなのか

近隣需要を調査する際は、同様に戸建て賃貸物件があるのかを確認します。需要があるということは、同じような物件が多くあるということを指します。

また物件の数だけでなく、スーパーや病院などの施設があれば、住みやすいエリアであると判断することもできるでしょう。

専門業者から紹介してもらう           

ボロ戸建ては既存不適格・違法建築物件も多いため、専門業者から紹介してもらうことをおすすめします。自分で探しても問題ありませんが、建物の劣化状況や必要なリフォーム内容を判断するのが困難です。購入後にクーリングオフをしたくても、原則できず、泣き寝入りになる可能性も高いため、専門業者から紹介してもらった物件を選ぶようにしましょう。

まとめ

ボロ戸建て投資はコストを抑えて高利回りを狙うことができる一方、リフォーム工事が前提となるため、事前に見積もりを取るなどして、採算が合うのかを確認する必要があります。

またボロ戸建ては既存不適格物件や違法建築物件のほか、立地の悪い物件が候補に上がるケースも多いため、注意が必要です。当社ではボロ戸建てを含め、さまざまな不動産の買い進め方をレクチャ―しております。

また不動産投資初心者に向けて、無料セミナーや勉強会なども開催しており、偏りの無い再現性のある方法を学ぶことができます。これから不動産を学びたい!という方はぜひ一度ご相談くださいませ。

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