今流行りの築古マンション投資のメリットとは?不動産投資を成功させるポイントも3つ紹介

最終更新日:2023年9月28日

近年、築古物件をリフォーム・リノベーションして貸し出す投資が注目されています。特に築古マンションは安い価格で投資することができるため、これから不動産投資を始める方にはおすすめです。しかし築古マンションならではのメリット・デメリットを理解しておかなければ、投資の失敗にもつながりかねません。そのため本記事では築古マンションにフォーカスをあて、メリット・デメリットと成功させるポイントを紹介します。これから築古マンション投資を検討している方や不動産投資を始めたい方はぜひ参考にしてください。

築古物件とは

築古物件とは、完成してから年数が経過している建物です。築古物件は新築物件より価格が安いため、投資家から高い人気があります。また築古物件と聞くと、「老朽化しているため大規模なリフォームが必要」とイメージされる方も多いですが、物件によってはリフォームする必要もない築古物件も多いです。そのため、あえて築古物件を狙って投資する方もいらっしゃいます。

何年経ったら築古になるのか

何年経ったら築古物件に該当するかについては明確な定義が定まっていません。しかし不動産業界では20年〜25年以上の物件と言われています。もちろん建物の構造によって異なるため一概には言えないものの、国が定めた固定資産を使える期間である法定耐用年数を一つの基準としています。(以下参照)

  木造 軽量鉄骨造
(骨格材肉厚が3mm以下の場合)
重量鉄骨造 鉄筋コンクリート造
法定耐用年数 22年 19年 34年 47年

法定耐用年数は金融機関が融資する期間の目安にもなっており、不動産業界では築古の基準にすることがあります。そのため木造住宅の不動産は22年を基準に築古と判断しているケースもあります。とはいえ鉄筋コンクリート造のマンションが47年になったら築古になるというわけではなく、実際は築30年前後が築古物件に該当するケースが多いです。法定耐用年数は基準にはなっているものの、実際は投資家によって考えが異なります。

築古マンション投資のメリット

築古マンションへ投資するメリットは以下の3つ挙げられます。

比較的安く購入できる

築古マンションへ投資する最大の魅力は「価格」です。新築時は5,000万円したマンションも、築20年や30年になると価格が半額近くとなる物件も多いです。そのため金融機関からの借入額も少なくなり、月々の返済額を抑えることも可能です。価格が安いがゆえに、ローン審査が通りやすくなる場合や自己資金で購入できる可能性も高まります。ただし築古になりすぎると法定耐用年数の関係上、融資期間が短くなってしまいます。(築30年場合は17年間の融資期間など)そのため築古で安い物件だけが良いわけではないため注意しましょう。

利回りが高い

新築物件と比較して価格が安いため、利回りが高い特徴があります。利回りとは投資額に対して1年間で回収できる割合を表したものです。例えば築古マンションを3,000万円で購入し、年間の家賃収入が300万円の場合、利回りは10%となります。10%ということは10年で投資資金を回収できることを意味します。利回りが高いほど、投資額を早く回収でき、多くの利益を生み出すことにもつながるため、投資家が物件選びする際の一つの判断基準となっています。築古マンションは新築時より家賃が下落するものの投資額の下落幅の方が大きいため、利回りが高い傾向にあります。三井トラストが2013年に発表した「Report 経年劣化が住宅賃料に与える影響とその理由」を確認すると毎年1%ずつ家賃が下落し、築20年では2割減と発表しています。一方マンションの価値の下落は法定耐用年数をもとに47年間で下落していきます。新築時が5,000万円と仮定すると、築20年では以下のように算出できます。

<法定耐用年数を基に下落額を想定した場合>
1年間の下落額:5,000万円÷47年=106.4万円
20年間の下落額:106.4万円×20年=2,128万円
築古マンションの想定価格:5,000万円-2,128万円=2,872万円

 

上記の通り、築古マンションは50%前後の価格となるため、家賃下落20%より高い数値です。もちろん上記の計算は一例であり、実際は相場価格などを参考に築古マンションの価格は決まります。しかし家賃下落率より物件価格の方が下落幅が大きいため、利回りが高くなる傾向にあります。

減価償却期間が長くなる

減価償却期間が長くなると、所得税や住民税の節税期間が長くなるメリットがあります。減価償却費とは建物が年々劣化していく価値を必要経費として計上できる会計上の項目です。減価償却費は先ほど紹介した法定耐用年数期間で計上でき、大きいほど所得が低くなるため、所得税や住民税の節税につながります。例えば新築マンションであれば47年間経費計上でき、節税になるということです。一方中古マンションの場合、減価償却できる期間は以下の計算式で算出します。

取得時の耐用年数=(新築時の耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2

 

例えば築20年のマンションを購入した場合、「取得時の耐用年数=(47年-20年)+ 20年×0.2=31年」と計算できます。新築時から保有し、築20年が経った場合は残りの減価償却期間は27年となりますが、中古マンションの購入であればさらに4年分減価償却期間が延長できるメリットがあります。

築古マンション投資のデメリット

築古マンション投資のメリットをお伝えしましたがデメリットもあります。ここでは2つ紹介します。

リフォーム費用がかかる

築40年や50年のマンションとなると、給排水管や設備などの修繕はほとんどのケースで必須となるためリフォーム費用が発生します。特には水道管などの工事は大規模で、数百万円にもなるケースがあります。前所有者がリフォームしている場合もありますが、築古マンションならではのデメリットです。しかし築古マンションであってもおしゃれな内装や充実した設備を導入すれば、すぐに入居者を確保することにもつながります。そのためリフォームすることが悪いのではなく、適材適所な工事を行うようにすることが大切です。

1室退去したら家賃が入らない

築古マンションはアパートと異なり、入居者が1組です。空室が発生したら家賃収入が得られないデメリットがあります。入居者がいなくても家賃を保証してくれるサブリース管理という方法もありますが、1室だけでは対応不可の管理会社も多いです。そのため常に安定的な入居を維持する必要があります。とはいえ立地が良ければ空室が出てもすぐに入居できます。実際に築40年や50年での築古マンションでもほとんど空室が発生しない物件も多いため、需要のある物件へ投資することが大切です。

築古マンション投資の成功のポイント

最後に築古マンション投資を成功させる3つのポイントについて紹介します。

立地を最優先

築古マンションで最も優先すべき項目は需要がある立地です。築古マンションは入居者ありきの投資であるため、立地が悪い場所では空室が発生します。もちろん好立地の築古マンションはなかなか売り物件になりにくく、価格も高い可能性もあります。とはいえ家賃収入が得られなければ意味のない投資となるため、立地を優先して物件を探しましょう。

利回りだけで判断しない

築古マンションの中には高利回り物件も多くあります。高利回り物件は多くの利益が見込めるものの、以下のような物件も多いです。

  • 田舎の物件で入居者がいない
  • 売却したくても購入者がいない立地
  • 築古すぎてリフォーム費用が莫大な金額になる

利回りだけで判断したものの、立地が悪く入居者が見つからないケースや売却したくても買い手が見つからないなどの失敗事例も多いです。利回りという目先の収益だけで物件を選ばないように注意しましょう。

専門家の意見を聞くこと

これから不動産投資を行う方は専門家に意見を聞くことが大切です。不動産投資はどのような物件がよいかを選定できる能力が必要です。しかし初心者では選定物件の判断が難しく、経験によって得られる能力です。そのため不動産会社など、親身になって相談に乗ってくれるプロに意見を求めてから始めましょう。

まとめ

築古マンションは安く購入でき高い収入が見込めます。一方リフォーム費用がかさみ、空室リスクが伴います。しかし立地の良い物件であれば高い入居率を維持することができ、安定的な収入が見込めます。とはいえ不動産投資初心者の方は物件の選別が難しいため、専門家の意見聞くため、セミナーや塾に参加して見てはいかがでしょうか。

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