賃貸物件の空室率はどのように推移している?空室率が高くなる原因も解説
賃貸物件の購入を検討している方は、空室率を確認しましょう。空室率は、不動産投資の成功を左右する重要な要素の一つです。
空室率に影響する要素は人口動態や物件の状況などさまざまですが、オーナーとしても事前のリサーチが欠かせません。
今回は、賃貸物件の空室率の推移や空室率を低く保つ方法などを解説します。賃貸経営を検討している方に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
全国の空室率と推移
IREM JAPAN・公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会・株式会社LIFULLによる「全国賃貸住宅実態調査 報告書」によると、2022年における単身向け物件とファミリー向け物件の平均空室率は以下のとおりでした(全国平均)。
単身向け物件 |
2.33% |
ファミリー向け物件 |
1.27% |
昨今は賃貸物件の空室率が低下傾向で推移しつつあり、安定した入居が期待できます。都道府県ごとに差がありますが、賃貸経営をする際には、おおむね5%以下を目指すとよいでしょう。
なお、一般財団法人 日本不動産研究所の調査によると、2023年の東京ビジネス地区におけるオフィス空室率は6.0%でした。脱コロナや経済正常化が進んだ影響もあり、空室率は低下しています。
賃貸物件は、大きく分けて居住用や商業用があるため、賃貸経営をする用途に応じて空室率を調査しましょう。
空室率の種類
空室率には主に3つの種類があり、それぞれ特性やメリット、使用すべき場面が異なります。
状況に応じて空室率を使い分け、客観的に賃貸経営の状況を把握しましょう。
現時点の空室率
現時点の空室率は「現時点で空いている部屋の割合」を示すため、リアルタイムの物件状況を把握する際に役立ちます。
今現在ににおける物件の収益力を測る上で有用な情報で、「今」の情報を知りたいときは現時点の空室率を確認しましょう。
シンプルで分かりやすい反面、今現在の情報しか把握できず、季節変動の影響を受けやすいデメリットがあります。過去のデータは反映されず、過去や未来の分析には適しません。
地域性や物件特性などさまざまな情報も考慮されないため、賃貸物件の総合的な収益力を測る上では情報が不十分です。
稼働想定の空室率
稼働想定の空室率は、将来的な収支予測を調べる際の空室率です。現在だけでなく今後の動向を含めた数字なので、安心して保有できるか判断するために欠かせない情報です。
過去の賃貸実績と市場動向を反映しているため、現時点の空室率よりも多くの情報を含んでいます。具体的には、過去の空室率の推移や周辺エリアの需給動向、物件の競争力(築年数、設備など)などを加味しています。
実稼働家賃の空室率
実稼働家賃の空室率は、実際の収入状況をベースに数値化した空室率です。収入ベースでの空室率を知れるため、賃貸経営をする上でもっとも実態に即しています。
賃貸物件の経営実態を金額ベースで把握でき、現在の収益性だけでなく今後の収益性を把握する際にも役立ちます。
賃貸経営をする際に「いくらの利益が見込めるのか」は非常に重要です。そのため、リアルな収益性を測れる実稼働家賃の空室率は、重要な指標といえるでしょう。
賃貸物件の空室率を低く保つ方法
賃貸物件の空室率を低く保つためには、物件の管理をきちんと行うのはもちろん、入居者のニーズを満たすことが欠かせません。
以下で、賃貸物件のオーナーとして空室率を低く保つ方法を解説します。
物件をきちんと管理する
賃貸物件のオーナーとして、自分が取り扱っている物件をきちんと管理することは欠かせません。、管理がずさんだと入居者がなかなか集まらなかったり、せっかく入居しても短期で退去したりと、空室率の上昇につながります。
物件を丁寧に管理し、快適な住環境をが維持することで、入居者の満足度が高まります。実務上は実際に管理するのは賃貸管理会社になるため、信頼できる会社に管理を依頼しましょう。
例えば、共有部の清掃や電球の交換、セキュリティ対策の向上などが対策として挙げられます。また、定期的なメンテナンスにより建物の経年劣化を最小限に抑えられ、物件の価値を保てます。
築年数が経っても快適性を維持できれば、入居者が「住み続けたい」と感じるでしょう。不動産仲介業者から「管理の行き届いた物件」と認識されれば、紹介されやすくなるメリットも期待できます。
入居者と良好な関係を築く
入居者と良好な関係を築くことも、空室率低下につながります。入居者がオーナーに対して不信感や不満を持っていると、長期的長期なの入居が見込めないためです。
入居者とオーナー・賃貸管理会社との関係が良好であれば、更新のタイミングでも継続入居を選択する可能性が高まるでしょう。
具体的には、気軽に相談できる関係性を築いたり、設備の不具合や騒音などの問題が顕在化したときに素早く対応したりしましょう。入居者に安心感を与えれば、入居期間を長くするメリットが見込めます。
また、退去が減ることで空室率を低く抑えることに加えて、原状回復費用や募集費用を抑えられます。賃貸経営に関するコストを抑え、収益性を向上させるためにも、入居者と良好な関係を構築して長く住んでもらうことは効果的です。
効果的な広告を出す
入居者を確保するためには、効果的な広告を出す必要があります。実際に広告を出すのは不動産仲介会社になるため、どのような広告を打つ予定なのか確認しましょう。
オンライン施策として代表的なのは、不動産ポータルサイトへの物件掲載です。物件の特徴や設備を詳しく記載し、質のよい写真を多く使用すれば、入居者の関心を引けるでしょう。
また、昨今はInstagramやLINEなどのSNSを活用して物件紹介をする不動産会社が増えています。内見動画やバーチャルツアーを活用し、生活イメージを伝えられれば、効果的に物件をアピールできるでしょう。
オフライン施策としては、物件周辺エリアでのチラシ配布や看板設置が挙げられます。また、店舗の目立つところに情報を掲示し、反応を待つ方法も考えられるでしょう。
入居者を確保するための施策を効果的に組み合わせることで、より多くの入居希望者に情報発信できます。より多くの人に物件情報を知ってもらうことで、スムーズに入居者が決まり、空室率を低く抑えられるでしょう。
必要に応じて修繕・リノベーションする
物件の老朽化が進んだら、必要に応じて修繕・リノベーションをしましょう。最新の設備を導入したり、劣化した設備をリニューアルしたりすれば、快適性が高まります。
一般的に、築年数が経過すると物件の競争力は低くなります。しかし、修繕やリノベーションをすれば新築に近い住環境を提供でき、長期的な入居につなげられます。
周辺の新築物件や競合物件の情報をリサーチし、遜色のない住環境を実現すれば競争力を維持できるでしょう。また、快適な住環境を維持すれば妥当な家賃設定ができ、収益性を維持できるメリットが期待できます。
時代とともに生活様式は変化するため、ニーズに合わせた間取りや設備を提供するとよいでしょう。
生活の利便性を高める設備を導入する
生活の利便性を高める設備を導入し、快適性を高めれば空室率低下につながります。入居する物件を探している人にとって、設備の充実度は重要な判断材料となるためです。
具体的には、防犯カメラやオートロックなどのセキュリティ設備、宅配ボックスの設置は現代のライフスタイルに欠かせません。安心して生活できる設備や利便性を高められる設備を導入すれば、内見時の印象がよくなるだけでなく、入居者の日常生活の質を向上できます。
ほかにも、食洗機や浴室乾燥機など家事の時間を短縮できる設備は、共働き世帯から人気です。昨今はテレワークやオンライン授業の導入が進んでいるため、インターネット環境も欠かせません。
不動産ポータルサイトの中には、検索条件として詳細な設備要件を指定できるサイトがあります。より多くの潜在的な入居予定者の関心を引くためにも、生活利便性を高める設備の導入は有用です。
セキュリティ体制を強化する
安心して生活するためにも、セキュリティ体制の強化は欠かせません。昨今は空き巣や強盗など物騒な事件が多発しているため、入居者が安心して生活できる環境の整備は、空室率を低下させる上で重要です。
近年は、管理会社やオーナーが物件をリアルタイム監視できるサービスが登場しています。また、異常を検知した際にカメラを通じて警報を鳴らしたり注意を促したりすれば、防犯力を高められるでしょう。
特に女性や単身者は、セキュリティを物件選びの最優先項目とする可能性が高いです。家族世帯においても、子どもの安全を考慮して防犯設備を重視するケースが考えられるでしょう。
防犯カメラやオートロックを導入したり、24時間エントランスを明るく照らしたりすれば、防犯力が高まるでしょう。セキュリティが万全でトラブルが起こりづらい環境を整備すれば、入居者の安心につながります。
適切な家賃を設定する
住まいを検索する上で、家賃は非常に重要な要素です。適切な家賃設定をすることは、空室率を低く抑える上で欠かせません。
多くの不動産ポータルサイトでは、家賃を「○万円~○万円」のように絞り込み検索できる仕様となっています。家賃は入居者の検討対象になりやすいため、周辺相場に合った家賃設定をしなければ、入居者の関心を引けないでしょう。
逆に、物件の価値と家賃のバランスが取れていれば、内見につながりやすくなります。不動産仲介業者としても、適正価格の物件は積極的に紹介しやすいため、結果的にスムーズな入居につながるでしょう。
競合物件をリサーチした上で適切な家賃を設定し続ければ、入居者の経済的負担を軽減できます。入居者が家賃の妥当性を感じれば退去するリスクを軽減できるため、契約を更新してくれる可能性が高まります。
適切な家賃を設定するためには、周辺相場の定期的なチェックや競合物件の家賃水準の把握、地域の賃貸市場動向の分析が欠かせません。必要に応じて不動産会社と相談しながら、適切な家賃を設定しましょう。
仲介会社と良好な関係を保つ
仲介会社と良好な関係を保ち、入居者を積極的に紹介してもらえれば空室率低下につながります。仲介会社としても、入居者が安心して住める物件は紹介しやすいため、日頃から仲介会社に物件の魅力をアピールし、良好な関係を築きましょう。
物件の特徴やメリットを明確に伝えておけば、仲介会社の営業担当者が、来店した潜在的な入居者に対して物件の特徴を詳しく説明してくれます。また、内見の案内につながる可能性が高まり、結果的に早期に入居者が決まる可能性が高まるでしょう。
さらに、仲介会社と良好な関係を保てば、不動産の市場動向や競合物件の情報を得やすくなります。その結果、入居希望者のニーズや要望、適切な家賃水準に関する最新情報を得られ、物件の魅力を維持できるようになるでしょう。
一般的に、仲介会社は物件を探している人にとって最初の窓口となります。優先的に自分の物件情報を提供してもらえれば、素早く入居者が決まり、空室期間の短縮につながるでしょう。
良好な関係を保つためには、仲介会社からの提案に真摯に耳を傾けたり、物件に関する問い合わせに対して素早く回答したりすることが大切です。可能な範囲で家賃の減額交渉にも応じ、Win-Winの関係を構築するとよいでしょう。
募集要項を緩和する
物件の募集要項に条件を設定している場合は、募集要項をの緩和をすることが行うことが効果的です。より多くの入居者を対象とすることで、入居の可能性が広がるためです。
具体的には、以下のような方法が考えられます。
- ペット可にしてペット飼育世帯からの関心を引く
- 法人契約を認めて企業の社宅利用を可能とする
- 外国人の入居を認める
- 単身高齢者の入居を認める
- 保証人を不要とする(保証会社を利用する)
- 敷金・礼金を安くする
このように、入居のハードル下げることで、より多くの人が自分の物件への入居を検討するようになります。また、条件が緩い物件は仲介会社としても紹介しやすいため、さまざまな入居希望者に提案できるでしょう。
しかし、安易に募集要項を緩和するのではなく、リスク管理を行うことは欠かせません。家賃の支払い能力を確認したり、必要に応じて保証会社を活用したりすることも効果的です。
適切なリスク管理を行いつつ、物件の特性や地域性を考慮しながら、バランスの取れた条件設定を心がけましょう。
サブリースを活用する
サブリースとは、入居者がいなくても家賃の支払いが保証される契約です。家賃の10~20%を手数料として支払う必要がありますが、空室リスクに備える上で検討すべき選択肢といえるでしょう。
サブリースでは空室の有無に関わらず定額の家賃収入が保証されるため、賃貸経営のリスクを抑えたい人に向いています。季節変動による収入の波が抑えられ、長期的な収支計画が立てやすいため、安心を得たい方はサブリースを検討しましょう。
入居者募集はサブリース会社が行い、家賃回収や滞納対応もサブリース会社が行うため、物件管理の手間から解放されるメリットもあります。空室リスクをサブリース会社が負い、さらに物件管理コストも転嫁できるわけです。
リスクヘッジの観点から有用なサブリースですが、契約内容の確認は欠かせません。保証賃料の条件や契約期間、解約条件などは必ず確認しましょう。
また、サブリース会社が破綻すると空室リスクをオーナーである自分が負うことになるため、サブリース会社の信頼性や財務状況の確認も欠かせません。
賃貸物件の空室率が高くなる原因
賃貸経営をする際に空室リスクは避けられませんが、空室率に大きな影響を与える要素があります。
以下で、賃貸物件の空室率が高くなる具体的な原因を解説します。
地域の人口減少
地域の人口減少は、不動産需要の低下につながります。その結果、入居者の確保が困難になり、空室率の上昇につながってしまうでしょう。
賃貸住宅を必要とする人の絶対数が減れば、競争が激しくなります。世帯数の減少により、住宅全体の需要が低下すると、入居者の確保や継続居住が見込めなくなります。
また、賃貸物件の供給が過多だと競争が激しくなるだけでなく、空き家・空室の増加により賃料の下落圧力が強まります。入居者が見つかったとしても、条件面での譲歩を迫られ、収益性を損ねてしまうでしょう。
さらに、人口が減少する地域では公共交通機関の本数減少や路線廃止など、地域のインフラが衰退する可能性が高まります。また、学校の統廃合により教育環境が変化したり医療・福祉施設が縮小したりして、安心して住めない環境になりかねません。
地域の人口減少は賃貸経営に大きな影響を与えるため、人口動態を的確に把握しましょう。
物件の管理状態が悪い
物件の管理状態の悪いと、居住環境が劣化して空室率上昇につながります。入居者が「安心して生活できない」「管理状況が悪く快適に暮らせない」と感じると、安定的な入居は見込めません。
例えば、内見時に建物や専有部分の劣化が目立っていたり、設備が老朽化していたりすると悪い印象を与えてしまいます。多くの不動産ポータルサイトでは物件の写真を掲載していますが、写真映えが悪いと内見予約につながりにくいでしょう。
入居者を確保できたとしても、設備の不具合への不満が蓄積すると早期の退去につながります。修繕依頼への対応が遅れたり、清掃不足による住環境の悪化が進んだりすると、仲介会社からの信頼も失ってしまいます。
物件を適切に管理するためには、安心して管理を任せられる賃貸管理会社を見つけることが欠かせません。建物の外観が劣化していたり、階段や廊下などの共用部分の管理が不十分だったりすると、入居者は見つかりづらいでしょう。
設定している家賃が高い
設定している家賃が高いと、そもそも潜在的な入居者の関心を引けない可能性があります。また、競合物件よりも家賃水準が高いと、既存の入居者からも「より安く住める家に移ろう」と思われてしまい、空室率の上昇につながるでしょう。
物件検索の条件設定で、入居者が許容できる家賃を超えていると、そもそも選択肢に入りません。選択肢として表示されたとしても、同じ条件の物件よりも家賃が高いと、候補から外されてしまうでしょう。
その結果、不動産ポータルサイトでの閲覧数が減少し、空室期間が長期化します。適切な家賃相場を知るためには、市場調査を徹底して行ったり、不動産会社と相談したりすることが効果的です。
情報収集を丁寧に行い、定期的にリサーチすることで競合物件の現況を把握できます。競合物件の家賃水準を確認したら、物件の価値に見合った家賃設定を行いましょう。
長期入居者がいない
長期入居者がいない物件は、空室が発生しやすいことを意味するため、空室率の上昇につながりやすくなります。例えば、毎年のように退去者が発生してしまうと、空室率が高くなってしまうでしょう。
頻繁な退去が発生すると定期的に空室が発生している状況となるため、既存の入居者が何らかの不安や不満を抱えていると考えられます。設備の不良だったり賃貸管理がずさんだったりと、原因はさまざまです。
空室が発生しやすいと、家賃収入が不安定になるだけでなく、募集費用が継続的にかかります。また、原状回復費用が頻繁に発生するため、賃貸物件の収益性を損ねます。
入退去が多い物件というイメージを持たれると、物件を紹介する不動産会社からの信頼も低下してしまうでしょう。入居者のニーズに対応できなければ、長期入居につながらないだけでなく、入居者が見つかりづらくなる悪循環に陥るため注意が必要です。
仲介会社とのコミュニケーションが不足している
実際に物件情報を提供するのは仲介会社なので、仲介会社とのコミュニケーションが不足していると空室率の上昇につながります。物件を紹介する機会が減少し、なかなか入居者が見つからなくなってしまうためです。
物件の特徴や魅力が正確に伝わらないと、仲介会社としてもアピール材料が乏しく、内見の予約がスムーズに取れません。その結果、効果的な募集戦略が立てられず、優先的な紹介物件から外されてしまうでしょう。
人間関係のコミュニケーションなので、関係が希薄だと仲介会社のモチベーションが低下してしまいます。物件紹介に消極的になり、ほかの物件を優先的に案内されると、入居者の獲得につながらないでしょう。
仲介会社と関係を強化するためには、対面での打ち合わせや現地確認の同行などを通じて、相互理解を深めることが大切です。
単なる情報のやり取りだけでなく、交渉に対して柔軟に対応すれば、仲介会社からすると「紹介しやすい物件」というイメージを持ってもらえるでしょう。
不動産投資はエリアの見極めが重要に
日本は少子高齢化が進んでおり、空き家の増加が社会問題となっています。しかし、都心部や都心部に近いエリアには人口が流入しているため、今後不動産投資を行う際には、投資エリアの見極めが重要になるでしょう。
具体的には、都心部では不動産需要が高まる一方で、地方部は需要が減る傾向が顕著になると考えられます。人口が減り続けるエリアで賃貸経営をしても利益は得づらいため、人口動態の調査や賃貸物件の需要のリサーチは欠かせません。
ただし、昨今はテレワークやリモートワークの普及もあり、家賃が安い地方へ移住をする人も増えています。一概に「地方は将来性がない」というわけではないため、自治体が行っている移住誘致の方針や地方都市としての魅力などを確認する必要があります。
賃貸経営をする際には、交通アクセスの利便性や生活インフラの充実度などの立地面、人口動態や競合物件の状況などを確認することが欠かせません。
都心部のほうが不動産需要は高いという原則を押さえつつ、地方都市の中でも地域の開発計画次第では人口の流入が見込める点は考慮しましょう。選定したエリアに応じて、適切な投資戦略と運営方針を策定することが大切です。
低い空室率を実現できている人の好事例
実際に、低い空室率を実現している不動産投資家の事例を紹介します。実際に賃貸経営で成功している人の事例を参考にすれば、失敗するリスクを軽減できます。
これから賃貸経営を検討している方は、参考にしてみてください。
入居者との良好な関係を構築した事例
Aさんは、賃貸経営をするにあたって入居者との関係構築を最優先で考えていました。
東京郊外にアパートを建築し賃貸経営を始めたものの、当初は入居者が短期的に退去してしまい、空室率が10%を超えていたとのことです。
そこで、Aさんは入居者とコミュニケーションを取り、どのようなニーズがあるのか調査します。設備の満足度や改善要望をヒアリングし、生活上の困りごとを把握しました。
「宅配ボックスと防犯カメラを設置してほしい」という声が多かったため、早速意見を反映してエントランスに宅配ボックスと防犯カメラを設置したところ、短期的な退去が減ったようです。
また、24時間体制で連絡できる賃貸管理会社と契約して緊急連絡体制を確保し、原則として設備トラブルを即日対応としました。これにより入居者が安心して生活できる環境が整備され、空室率を5~6%程度に抑えられるようになったとのことです。
このように「入居者のニーズを把握しよう」「生の声を参考にしよう」という姿勢が、空室率の改善につながりました。定期的に対話する機会を創出し、トラブルに対して迅速・丁寧に対応できる環境の整備は、効果的であることが分かります。
修繕とリノベーションが空室率の改善につながった事例
Bさんは20年以上にわたってアパート経営をしてきましたが、物件の老朽化に悩んでいました。
Bさんが保有するアパートは都心に近い千葉県内のアパートで、賃貸物件の需要は安定的にあるエリアです。しかし、老朽化に伴って建物の外壁がはがれ、内装も劣化してきたため、競争力が低下していました。
そこで、大規模なリノベーションを実施して外壁や内装を一新します。築年数は経過しているものの、外装と内装の清潔感が一気に改善したことで、安定的に入居者を確保できるようになったとのことです。
リノベーションをする際には、安定した入居を実現している競合物件を参考にして、ファミリー世帯に受けがよい間取りにしました。その結果、清潔な居住環境を求めるファミリー世帯からの反応が増えたとのことです。
外装と内装のリノベーションで数百万円のキャッシュアウトが発生したようですが、空室率が下がったことで回収できる見込みが立っています。
リノベーションの際に専有部分の設備を一新し、食洗器やカメラ付きインターホンなど、生活の利便性を高められる環境を整備したことも空室率の低下につながったと考えられます。
このように、中長期的な計画性を立てて費用対効果を検証した上でリノベーションを実施すれば、空室率の改善につながります。
不動産需要を分析して適切な家賃を設定した
Cさんは初めて賃貸経営を行うにあたってさまざまな不安を感じていましたが、信頼できる不動産会社に相談した結果、賃貸物件の需要分析と適切な家賃設定が重要であることを知ります。
そこで、東京都心へのアクセスがよい神奈川県内のファミリー向けのマンションを取得し、賃貸経営をスタートします。購入した物件は最寄り駅まで徒歩10分で、都心まで60分圏内という立地なので、世帯持ちの会社員からの需要があると見込んでいました。
また、Cさんは不動産会社と相談しながら適切な家賃を綿密に分析します。競合物件の相場は10万円程度でしたが、Cさんの物件はセキュリティ対策が万全で24時間相談できるという付加価値があったため、相場よりも高い11万円という家賃を設定しました。
結果的に、小さい子どもがいても安心して暮らせるというアピール材料が家を探している人や入居者に響き、長期の入居につながっています。
転勤に伴って退去するケースがあるものの、安定的に入居者を確保できており、空室率は5%未満に抑えられているようです。
このように、エリアの不動産需要や主なターゲットを決めた上で、需要を満たせる物件を選択すれば空室率を抑えられます。また、客観的に自分の物件の価値を把握して適切な家賃を設定すれば、安定した稼働率と収益性を維持できるでしょう。
まとめ
エリアによって空室率は異なりますが、昨今は賃貸物件の空室率が低下傾向で推移しています。ただし、きちんと入居者を確保するための対策を行わないと、空室率が高くなってしまうでしょう。
空室率を低く抑えるためには、物件の魅力を高めることはもちろん、エリアの不動産市況や相場をリサーチすることが欠かせません。また、既存の入居者や賃貸管理会社、仲介会社とも良好な関係を築くことが大切です。
空室率は賃貸経営の成否に大きく影響するため、空室率の現状をきちんと把握し、改善の必要性があれば効果的な対策を実践しましょう。
また、賃貸経営には多岐にわたる情報収集や費用対効果を見越した対策の継続が成否を大きく左右します。既に経験された大家さんが集う、不動産賃貸経営を学べる塾やセミナーに参加し、継続的に良質な情報やノウハウを学ぶことをお勧めします。