土地を使った不動産投資とは?種類やメリット・失敗を防ぐ注意点を解説
- 不動産投資を始めてみたいけど何から始めれば良いか分からない
- 土地投資をするメリットとデメリットについて知りたい
- 不動産投資で失敗するのが怖い・・・
土地投資は、不動産投資のなかでも土地だけにフォーカスして投資する手法です。
建物ありきの不動産投資と比べると初期投資が少なく、すでに所有する土地を使う場合は最小限のコストで始められます。
土地投資で成功するには将来性の見極めが肝ですが、実際は、土地を見極めるのが難しく、ハードルを感じる人も多いでしょう。
そこで今回は土地を使った不動産投資のメリットや失敗を防ぐ方法を解説します。
この記事でわかること
- 土地を用いた不動産投資の種類
- 土地投資のメリットとデメリット
- 失敗しない土地投資のコツ
目次
はじめに|土地投資は将来性を見極められるかが重要
不動産投資にはいくつか種類がありますが、とくに土地を購入して投資するやり方は、土地投資と呼ばれます。
建物投資に比べると価値が下がりづらい側面がありますが、土地そのものにどのくらいの将来性があるかを見極める必要があるため、多角的な視点が必要となるでしょう。
不動産投資における収入源
不動産投資の種類は様々ですが、建物の有無や収入源などで細かく分けられます。
代表的な不動産投資の手法と、その収入源は以下のとおりです。
おもな収入源 |
不動産の具体例 |
家賃収入 |
一戸建て |
マンションやアパート一棟丸ごと |
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区分マンション(一部屋を所有する) |
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事務所や店舗経営用のビル |
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商業施設 |
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賃料収入 |
駐車場 |
トランクルームや倉庫 |
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民泊や簡易宿泊施設 |
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売却益収入 |
土地のみ |
建物ありきの不動産投資のおもな収入源は家賃収入です。
具体的には賃貸マンションやアパート経営、ビルや商業施設の運営などが該当します。
また、土地を所有しながら賃料を得るような投資手法もあるでしょう。
これらには駐車場経営やトランクルーム、倉庫、最近では民泊経営や簡易宿泊施設などの運営が該当します。
一方、土地投資といって土地のみを所有する不動産投資は、売却時の利益を狙う手法です。
所有する間に何らかの建物や設備を用意して家賃収入や賃料を得る場合もありますが、おもな収入源は土地を売って利益を得るやり方になります。
つまり、土地投資で利益を得るには、購入時に今後価値が上がるであろう投資先の将来性を見極める目利きの力が重要となるでしょう。
土地活用と土地投資は違う
土地活用は、すでに所有する土地を使って収益を得ます。
何らかの建物を立てて賃料を得る方法がメインで、長期的かつ安定的に収益を得られるようになるのが目的です。
一方で土地投資は、土地の売買によって収益を得る資産運用になります。
土地活用では、魅力的な設備を備えた建物にしたり、競合となる他の施設よりも安い賃料を設定したりと収益を得るための方法がいくつかあるでしょう。
ところが、土地投資だけでいえばそうした工夫ができません。
あくまでも土地が持つ資産価値だけで収益が決まります。
土地投資における4つのメリット
土地投資は、通常の土地活用や建物付きの不動産投資とは少々勝手が異なります。
土地投資のメリットを見ていきましょう。
建物の修繕管理コストがかからない
土地投資では基本的に土地のみを購入、所有するため、建物の修繕費を積み立てたり、修繕工事を実施したりする必要はありません。
建物がある不動産投資の場合、常に自然災害に備える必要があるでしょう。
建物の経年劣化に対しても対策が必要で、10〜15年に一度の補修工事が必要となります。
土地投資には建物がつかないため、基本的にこれらの修繕費を念頭に置いた運用をおこなう必要はありません。
用途に制限がなく多様な活用方法が検討できる
土地投資では土地そのものを所有、運用して利益を得ます。
土地さえあれば、あとから住居用の建物を建てたり、商業用の建物を建てたりと周辺エリアや施設の動向を見ながら活用方法が検討できるでしょう。
土地そのものを貸し付けるような投資手法も可能です。
もちろん、用地用途にかかる規制こそありますが、ご自身の判断で活用方法が検討できるのも魅力です。
やり方次第で初期投資が抑えられる
土地投資は更地で購入する場合、建物付きの不動産投資よりも初期投資はかかりません。
土地を相続や贈与によって得るなら、ほぼコストはかからないでしょう。
何かしらの投資をはじめたいけど、初期投資に回せる自己資金がない場合や、相続や贈与で手にした土地で投資を始めたい人には大きなメリットがあります。
参入者が少ない
土地投資は、不動産投資のなかでも土地活用と比べると認知度がさほど高くありません。
建物付きの不動産投資の場合、条件の良い物件はすぐ他者に買われてしまいます。
好条件な土地の情報を常に仕入れ、状況を見極めて売り買いする必要があるため不動産初心者にとってはハードルが上がってしまうでしょう。
ところが、土地投資は全体的に見てもやっている人が少ないです。
競争率の高い物件を手に入れるために手を回したり、気を揉む必要はありません。
土地投資における4つのデメリット
土地投資は、土地のみを投資対象とするためデメリットも存在します。
とくに、投資を通じて成功するにはリスクについて理解を深めておく必要があるでしょう。
各デメリットに向けた具体的な対策を把握しておけば、土地投資で損する可能性を少しでも回避できます。
土地を購入して始める場合は初期費用がかかる
土地投資は、あらかじめ所有する土地を投資に回す場合はコストがかかりません。
しかし、ゼロから土地を購入して投資を始める場合は土地の購入費がかかります。
購入予定の土地の立地や広さ次第ですが、相当な資金が必要となる場合もあるでしょう。
融資が下りづらい
投資を始めるにあたって金融機関から融資を得る際は、投資の収益構造が問われます。
金融機関側も債権が回収できるか否かを判断したいからです。
土地投資の場合、どうやって収益を上げるかを説明する必要があります。
つまり、何らかの融資を受けて土地投資を始める場合は、融資の下りづらさを解消する手立てが必要です。
税金の優遇措置がないためランニングコストが高い
不動産における税金の優遇措置はいくつかありますが、そのほとんどは不動産=建物付きの土地に適用されると考えていいでしょう。
たとえば、小規模住宅用地の特例や空き家にかかる譲渡所得の3,000万円特別控除の特例などは、土地に建物がなければ適用できません。
利益の予測が立てづらい
土地投資は、あくまでも土地を売った利益で儲ける投資手法です。
土地を所有するだけでは利益が得られない、継続的な収入は基本的に見込めないといった特徴もあり、常に売却のチャンスをうかがっておく必要があるでしょう。
また、売却時も売りさえすれば利益が出るものでもなく、売却した土地に対して、当初見込んでいたほどの収益が得られず、予測が外れるケースもあります。
つまり、土地投資はやり方を間違うと投資した費用が回収できない可能性もあるのです。
不動産投資で「土地の価値」を決める要素
土地を使った不動産投資で成功するには、将来性のある土地を見極めなければなりません。
たとえば、今は価値がなくてもいつか価値が上がるような土地は理想的です。
では、具体的にどのような要素がある土地なら、売ったときに利益が出やすいのでしょうか。
土地の将来性を見極めるのに欠かせない「土地の価値」を決める要素を解説します。
土地の広さ・形状・立地
土地は、広くてより長方形や正方形に近い形だと資産価値は高まる傾向にあります。
間口が広い土地であれば道路からの出入りもしやすく、開放感があって風通しも日当たりもいいでしょう。
また、利便性に優れているかどうかも価値が上がる要素の一つです。
地盤や地質
最近では自然災害に対して備えておく防災意識の高まりから、土地の地盤や地質についても関心が高まっています。
いわずもがな、理想的な地盤は硬質地盤です。
埋め立てた土地や河川に近いような地域、山の麓などは災害リスクの高いため嫌煙されがちであると考えてください。
つまり、災害に強い条件が揃った地盤や地質を持つ土地の資産価値が高いのです。
周辺環境やインフラ整備の度合い
土地の周りの雰囲気や、特定の施設の有無も土地の価値を左右します。
たとえば生活便利施設が揃っている土地は誰にとっても暮らしやすく便利です。
繁華街から距離があり、住宅街が多く夜が静かに過ごせるような土地は治安が良いと評価されるため、資産価値も高くなります。
また、インフラ整備の進んだ土地は利便性が高まるため資産価値も向上するでしょう。
経済情勢
土地の価値は、経済の動向にも大きく影響されます。
たとえば株価が下落し経済全体が停滞していると不動産もなかなか売れづらく、土地の価値は低迷するでしょう。
逆に、低金利政策が打ち出されたタイミングや不動産需要が高まりを見せる時期だと、土地の需要が高まるため自然と資産価値も高まります。
このように、土地そのものが持つ資産価値に加え、外的要因も土地の価値を左右するでしょう。
こんな「土地」には手を出すな!投資家が避けるべきNGな土地
投資家が土地投資の対象として避けるべき土地には、次のような特徴があります。
まず、境界が不明確な土地は手を出さないほうが良いでしょう。
売買したために、隣り合う土地の持ち主とのトラブルが起こる可能性があるからです。
何かしらの活用手段を見出そうにも頓挫する可能性もあるため、不動産投資を考えるなら測量して境界を明確にしておく必要があります。
次に、土地の条件が悪い場合もお勧めできません。
接道する間口が狭い場合やその道路が狭い場合は、使い勝手も悪いためやめておいた方が無難です。
極端な不整形地や、災害リスクの高い土地についても、手を出すにあたってリスクが大きすぎます。
用途用地が定められた市街化区域は10年以内に優先的に開発がスタートさせるべきと定義づけられた土地です。
また、市街化調整区域内の土地や高速道路沿い、高圧線下の土地についても、よほど他のメリットがない限り手を出すのはお勧めできません。
不動産投資に影響する土地の法規制とは?
不動産投資における土地投資に着手するなら、用途用地や法規制について把握しておかなければなりません。
土地にまつわる法規制は、各都道府県に定められている都市計画法や建築基準法などを順守する必要があります。
法律により以下のような条件がある土地も少なくありません。
- 用途用地:建設して良い建物の種類が決まっている
- 建ぺい率や容積率:建物を建てる際のサイズにまつわる規制
つまり、土地には何でも好きな建物が建てられるわけではありません。
周辺地域が繁華街なのか、住宅街なのかでも建築する建物の種類は変わってくるでしょう。
また、法規制については、専門家への相談も検討しつつ、個人でも知識を深めるようにしてください。
専門家に任せず、ご自身で知識を蓄積するよう心がけましょう。
失敗しない土地投資のコツ
土地を用いた不動産投資で成功するには、いくつかコツがあります。
土地投資ならではの失敗しないためのコツを見ていきましょう。
不動産投資の目的を明確にする
土地投資で成功するには、なぜ土地投資に乗り出そうと考えたのかを今一度明確にしておきましょう。
「相続で得た土地を活用したい」はずが、知識を得て次第に考え方が変わり、いつしか「建物付きの不動産投資をしたい」と考えたとします。
考えそのものが変わるのは問題ではありません。
しかし、相続で得た土地に建物を建てる必要があるため、投資にかかる初期コストがかさみます。
なぜ土地投資をおこなうのか、どのように収益を得るのか、投資する目的を見失わないようにしましょう。
土地投資にまつわる知識は常にアップデートする
投資に関する知識を自分自身で学んでいくのも大切ですが、もっとも重要なのは蓄えた知識を常にアップデートし続けられるかです。
不動産の資産価値は様々な外的要因によって左右されるため、一方向の情報だけで投資先を決めるのはリスクがあります。
しかしながら、あらゆる情報に目を向けながらアンテナを張るのは至難の業です。
とくに、不動産投資を始めたばかりの方や、本業と並行して土地投資をやろうとする方にとっては難易度が高いでしょう。
自分一人でやるには限界があるため、定期的にセミナーで情報を収集するのがお勧めです
まとめ
不動産投資のなかでも土地投資は、建物のある投資と比べても利益の出し方が特殊です。
土地は所有しているだけでは何の利益も生まず、税金の特例措置もないため固定資産税などのランニングコストだけがかかってきます。
ところが、土地の価値は減少しづらいため建物付きの不動産投資よりも資産価値は維持しやすいです。
建物ありきの投資よりも、様々な活用方法も検討しやすいでしょう。
土地投資で成功を収めるためにも、不動産投資に関する塾やセミナーに積極的に参加して、社会情勢や投資関連の知識を常にアップデートしてください。
不動産投資には多岐にわたる情報収集や費用対効果を見越した対策の継続が成否を大きく左右します。既に経験された大家さんが集う、不動産賃貸経営を学べる塾やセミナーに参加し、継続的に良質な情報やノウハウを学ぶことをお勧めします。