不動産投資はやめとけと言われる理由とは?向いていない人の特徴と成功例・失敗例を紹介!

最終更新日:2024年10月1日

インターネットで「不動産投資」と検索すると、「不動産投資はやめとけ」「失敗する」などの記事が多く見受けられます。ですが不動産投資に成功し、生計を立てている方が数多くいらっしゃるのも事実です。では一体なぜ、「不動産投資はやめておけ」と言われるのでしょうか?

この記事では、不動産投資はやめておけと言われる理由や、向いていない方の特徴、投資の成功率を高めるポイントを解説します。不動産投資の成功事例と失敗事例もご紹介しますので、不動産投資の理解を深めるのにお役立てください。

不動産投資はやめとけと言われる理由      

不動産投資はやめておけと言われる主な理由は、以下の通りです。

 

  • さまざまなリスクがある
  • 必要な投資額が大きい
  • 修繕費用がかかる
  • 知識や経験が必要

 

それぞれの項目について解説します。

さまざまなリスクがある

投資はリスクが多いほど必要な対策も増えるため、失敗してしまう可能性も高くなります。不動産投資には以下の通りさまざまなリスクがあり、決して安全とは言い切れません。

  • 空室のリスク
  • 家賃滞納のリスク
  • 家賃下落のリスク
  • 資産価値下落のリスク
  • 金利上昇のリスク
  • 自然災害のリスク
  • 老朽化による修繕のリスク

それぞれ詳しく解説します。

空室のリスク

不動産投資で最も注意すべきリスクの1つが、空室が発生するリスクです。

空室の間は家賃が得られないので、その分だけ収入が少なくなります。空室が多くなるとローンの返済も苦しくなるうえ、空室期間が長引けば赤字になってしまう可能性も出てくるでしょう。

空室が発生する要因は建物や設備の古さ以外にも、立地の良し悪しや日当たりなど、さまざまなものが考えられます。物件を購入する前にさまざまな角度から調査をおこない、空室リスクの低い物件かどうかを検討するのが大切です。

家賃滞納のリスク

不動産投資をおこなううえで避けられないのが、家賃滞納のリスクです。

たとえ空室がない状態であっても家賃を滞納している入居者がいれば、その分だけ家賃収入が減ってしまいます。滞納が続くほど影響も大きくなりますし、場合によっては法的措置が必要になるかもしれません。とはいえ、滞納分の家賃や法的手続きの費用を回収できるとも限らず、大きな損害を受けてしまう可能性もあります。

日本賃貸住宅管理協会の賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』(2022年4月〜2023年3月)によると、2022年度の滞納率は以下の通りです。

地域

1ヶ月滞納率

2ヶ月以上滞納率

首都圏

0.4%

0.2%

関西圏

3.3%

1.1%

その他

2.3%

0.8%

全国

0.8%

0.3%

ご覧の通り1ヶ月滞納率は全国で1%を切ってはいるものの、今後の景気や経済情勢によっては滞納率が増加する可能性もあるため、普段から対策しておく必要があります。

 

家賃下落のリスク

賃貸住宅の家賃は、さまざまな要因によって下落してしまう可能性があります。

もっとも代表的な要因は、築年数です。一般的には築年数が1年増すごとに、家賃が1%程度下落するとされています。特に築3年から10年にかけては大きく下がる傾向があるため、注意が必要です。

地域の住宅需要の変化も、家賃下落に大きくする要因の1つです。人口が減少している地域では、その分だけ住宅需要も低下してしまうため、賃貸物件の供給が過剰になってしまう恐れがあります。

建物をリフォームする、需要の高い間取りに変える、設備を充実させるなど、家賃を下げずに競争力を維持するための対策が必要になるでしょう。

 

資産価値下落のリスク

投資物件は家賃収入が下がると、資産価値が低下してしまいます。資産価値が下がると、物件の売却価格もその分だけ低下するのが一般的です。

予定していた価格で売却ができなくなる可能性もあるため、住宅需要の高い地域の物件を選ぶ、利便性の高い立地の物件を選ぶなど、物件購入時からの対策が大切になります。同時に、物件を適切に管理して競争力を保ち、可能な限り家賃の低下を防ぐのも重要です。

 

金利上昇のリスク

金利上昇のリスクとは、住宅ローンの金利上昇によって月々の返済額が増えてしまうリスクです。

ローンの返済額が増えれば、その分だけ得られる利益は低下します。利益が下がればキャッシュフローが悪化してしまうため、他の物件に対する投資にも影響が出てしまう恐れがあります。場合によっては貯蓄を崩して月々の返済に充てる必要が出てくるなど、日常生活にも支障を来してしまうかもしれません。

金利上昇の影響は借り入れ金額に比例するため、フルローンでの融資を利用している場合には特に注意が必要です。繰上返済を積極的に活用するなど、日頃から自己資金を増やせるように意識しておく必要があるでしょう。

 

自然災害のリスク

不動産投資においては、地震や台風などの自然災害も大きなリスクです。

災害によって建物が被害を受けてしまった場合、当然ですが修繕費用が必要となります。被害が大きいほど費用は高額になりますし、修繕工事中は入居者を受け入れられないため、家賃収入も得られません。

自然災害は避けようがありませんので、基本的には火災保険や地震保険での対策が中心となるでしょう。耐震性の高い物件を選んで購入するのも重要です。

 

老朽化による修繕のリスク

築年数が増すにつれ、建物は老朽化が進んでいきます。

入居者が快適に住むために定期的なメンテナンスが必要になるほか、ある程度老朽化が進んだ際には大規模な修繕が必要です。大規模修繕の間隔は建物や設備の状態にもよりますが、12〜18年周期でおこなわれるケースが多いです。

修繕工事の規模が大きいほど多額の費用が必要となりますが、修繕によって物件の資産価値が向上するなど、メリットもあります。計画的に修繕費用を積み立てておくなど、対策しておく必要があるでしょう。

必要な投資額が大きい

不動産投資では数千万円以上の物件が対象になるケースが多く、その分だけ投資額が大きくなる傾向があります。また、不動産投資では金融機関からの融資を活用し、より少ない自己資金で大きな利益を得る「レバレッジ効果」も期待できます。そのため不動産投資ローンを利用するケースが大半で、基本的には毎月返済していかなければいけません。

不動産投資の主な収入源は家賃収入であるため、空室が多くなるほど家賃収入に対する返済の割合は大きくなります。最悪は、自己資金から返済しなければならないケースも発生し得るでしょう。

また、ローンを活用する不動産投資は、運用期間が長くなるケースが大半です。長期間運用するからこそ、安定的に利益を得続けるのは決して簡単ではありません。

こういった点を考慮して、不動産投資はやめておけと考えられている方がいらっしゃいます。

修繕費用がかかる

築年数が増すにつれ、建物は老朽化が進んでいきます。賃貸物件は基本的に新しいほど人気があるため、築古になるにつれて入居者が確保しにくくなりやすいです。そのため定期的なリフォームやリノベーションが必要になるのですが、工事の規模が大きいほど費用も大きくなります。

修繕費用が大きくなってしまうと、全体を通しての利益が想定よりも少なくなってしまいかねず、そういった失敗経験を持っているがために、やめておけばよかったとおっしゃる方もいらっしゃいます。

知識や経験が必要

不動産投資には多額の資金が必要になるだけでなく、さまざまなリスクに備え、適切に対処していかなければなりません。そのため、投資に関する知識だけでなく、物件の選び方や管理方法、ローン、税金、法律など、幅広い知識と経験が必要となります。

たとえば物件選びでは立地が重要ですが、物件の利回りも確認しておいたほうが、どの程度の利益が見込めそうかを計算で割り出せるため、より適切に選定しやすくなるでしょう。

このように不動産投資を円滑に進めるには、普段からの勉強が大切になります。とはいえ本業が忙しく、思うように勉強時間を確保できない、という方もおられるでしょう。こういった点を考慮して、やめておいたほうが良い、とおっしゃる方もいらっしゃいます。

不動産投資に向いていない人の特徴          

不動産投資は投資初心者にもおすすめされるケースも多く見受けられる、人気の投資手段の1つです。とはいえ、決して万人に勧められるわけではなく、中には不動産投資には向いていない方もいらっしゃいます。

ここからは、不動産投資には向いていない人の代表的な特徴を解説します。

不動産投資の勉強に割く時間がない

繰り返しになりますが、不動産投資をおこなうには必要な知識やノウハウを身に付けるため、普段から積極的に勉強をする必要があります。多忙などの理由から、まとまった勉強時間を確保するのが難しい場合、最低限必要な知識を身につけるのも難しくなり、結果として投資の成功率も低くなってしまうでしょう。

勉強自体に抵抗を感じる方や、積極的になれない方も、不動産投資に向いているとは言えません。

用意できる自己資金が少ない

不動産投資では金融機関からの融資を利用するのが一般的ではありますが、ある程度の自己資金も必要です。フルローンを利用すれば自己資金は必要ありませんが、審査に通りにくいほか、月々の返済額が大きくなりやすい、金利上昇のリスクに弱いなど、デメリットも少なくありません。また物件を購入できても、思い通りに部屋が埋まるとは限りません。空室が多く、家賃収入だけでローンを賄えない場合もあるでしょう。定期的に建物のメンテナンス費用も必要になりますし、災害などによってイレギュラーな修繕が必要になるケースも考えられます。

ある程度の自己資金がなければ、これらのケースに対応するのは難しいでしょう。

 

短期的な利益を求めている

不動産投資の魅力は、長期的に安定した収益を得られる点とされています。物件の売却益(キャピタルゲイン)を狙った、短期的な利益を求める不動産投資にもメリットはありますが、複利効果や節税効果など、不動産投資ならではのメリットが活かせません。

物件の資産価値は基本的に築年数が増すほど下がってしまうため、購入価格よりも売却価格は下がってしまいます。ですがキャピタルゲインを狙うには、購入時よりも価値が高くなる物件を探し出して購入する必要があり、知識や経験がない方には至難の業です。

失敗した際の損失も大きくなる可能性が高く、物件を運用して得られる利益(インカムゲイン)を狙った通常の不動産投資よりもリスクが大きいため、おすすめできません。

 

投資物件の管理をしたがらない

不動産投資は事業であり、時には重要な経営判断も求められます。空室などのリスクに備え、日頃から対策を検討する必要もありますし、周辺地域の市場調査や、ライバルとなる競合物件との差別化も必要となるでしょう。これらのケアを怠れば怠るほどリスクは増しやすく、物件の資産価値は低下しやすくなってしまいます。

たとえ管理会社に委託していたとしても、最終的に物件の管理に責任を持つのはオーナーです。自分事として物件を管理できない方は、残念ながら不動産投資には不向きと言えるでしょう。

 

浪費癖がある

手元に資金があれば、あるだけ使ってしまうような浪費癖がある方も、不動産投資には不向きです。

築年数が増すにつれ、建物は老朽化が進んでいきます。入居者が快適に暮らすためには退去時の原状回復だけでなく、定期的な大規模修繕が必要となります。大規模修繕の間隔は建物や設備の状態にもよりますが、12〜8年周期でおこなわれるケースが多いです。修繕工事の規模が大きいほど多額の費用が必要となるため、家賃収入の一部を積み立てておくなど、対策が必要となります。

ですが、毎月の収益を全部使ってしまうような浪費癖がある方の場合、修繕費用の積み立てができない可能性が高いでしょう。自由に動かせる自己資金が少ないと、自然災害で損害を受けた場合など、突発的な支出に対応できないかもしれません。必要な修繕がおこなえなければ自然と空室率は上がってしまい、収益も悪化するでしょう。

不動産投資の成功率を高めるためのポイント

不動産投資の成功率を高めるには、いくつか抑えておきたいポイントがあります。

ここでは、代表的なものをピックアップしてご紹介します。

 

目的を決めて投資する

不動産投資を始める際は、何を目的に投資をするのかを明確にしておきましょう。明確な目的は判断基準となるため、計画を立てる際や物件を選ぶ際に迷いにくくなりますし、問題が発生した際にも適切に軌道修正しやすくなります。物件の管理を委託する際も、投資目的を伝えたほうが担当者と意識をすり合わせやすくなるでしょう。

 

物件の調査・選定は慎重におこなう

投資物件を選ぶ際は、物件そのものの調査はもちろん、周辺の相場なども念入りに確認し、慎重に決めるようにしましょう。

周辺相場が確認できれば、その物件が相場に比べて安いのか高いのか、あるいは妥当なのかが判断できるようになります。物件の利回りが確認できれば、損益を計算しやすくなりますし、一見しただけでは分からないリスクに気付けるかもしれません。立地条件や地域の住宅需要を確認するのも大切です。長期的に運用する物件だからこそ、後悔のないようさまざまな角度から慎重に判断するのがおすすめです。

 

信頼できる不動産会社を探す

不動産投資では、信頼できる不動産会社や管理会社を探せるかもポイントとなります。

手数料や実績、サービスの質なども重要ですが、管理を任せる物件に対する姿勢や誠実さも大切です。中には、オーナーや入居者の利益よりも、自社の利益を優先してしまう不動産会社や担当者も存在します。

安心して長く付き合える不動産会社に巡り合うためにも契約先の即決は避け、十分な時間をかけて、複数の会社を比較・検討するのがおすすめです。

不動産投資の成功事例    

不動産投資の成功事例を紹介します。

<成功した投資した物件>

● 投資額:5,000万円

● 間取り:1K-8世帯

● 毎月の家賃収入:33万円

● 返済額:20万円

● 築年数:8年

 

毎月13万円の利益が得られる物件に投資しました。
本物件の入居者は大学生で家賃も5.5万円と相場と変わらない程度です。
築年数も比較的浅いことから、直近で大きな修繕費用がかからないと判断できた物件です。
本件の成功ポイントは「入居者ターゲットが明確」であることです。
大学生をターゲットとするため、間取りは単身向けで、なおかつ相場家賃を調べている点もポイントです。

大学生の家賃を出すのは、どちらかというと親の方が多いです。
親としては、できれば安い家賃の物件と考えるでしょう。
しかし子どもの要望としては比較的新しい物件に住みたいと考える傾向にあります。
その間を取って築8年の物件に投資し、家賃も適切であれば親も承諾しやすくなります。

さらに古い物件より比較的新しい物件であれば女性の学生もターゲットとなりやすくなります。入居者が明確であると、対策もできやすくなり、空室リスクを軽減させることができます。
この物件の場合、さらにネット料金の無料などにすると、より空室率を軽減させることができるでしょう。

ただし、大学生のみに頼る経営とならない様、周囲に大学以外の需要、例えば工場などがあると尚良く、リスクの少ない経営をしていく事が出来ます。

不動産投資の失敗事例    

続いては失敗した不動産投資の例です。

<失敗した投資した物件>

● 投資額:8,200万円

● 間取り:3LDK-4世帯

● 毎月の家賃収入:44万円

● 返済額:33万円

● 築年数:10年

 

本物件は入居期間が長いファミリータイプの物件に投資しました。
1世帯当たりの家賃は11万円となっていますが、1世帯空くと家賃と返済額が同額となるリスクが伴います。
また家賃11万円であれば、場合によっては住宅ローンを借りて家を購入した方が安くなる可能性も高いです。
その結果入退去の回数も増え、収益が安定しなかった失敗例です。
本物件は1室の空室が大きなダメージとなり、なおかつ家賃が高いことから家を購入した方がお得と捉えられてしまいます。
そのため不動産投資をする際は、「ある程度空室が発生しても返済できるか」「退去されない理由があるのか」がポイントとなります。

 

まとめ

さまざまな理由からやめておけと言われている不動産投資ですが、より良い物件を選び、適切に運用できれば、十分な利益を生み出すのは難しくない投資方法です。
一方で、物件をほったらかしにしていれば簡単に競合物件に負けてしまう、厳しい面も持ち合わせています。これから不動産投資を始める方は、いかにして適切な運用方法を学ぶかが重要です。

弊社では初心者の方でも成功しやすい投資の方法だけでなく、さまざまな不動産の買い進め方をレクチャ―しております。これから不動産投資で始めたいという方はぜひ一度ご相談くださいませ。

 

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