不動産投資の融資先の選び方|属性別の審査ポイントや担保価値などを解説

最終更新日:2026年1月26日

不動産投資で融資を検討する際、「本当に審査に通るのか」「自分にはどの金融機関が合っているのか」と悩む方は少なくありません。融資は年収や自己資金だけで決まるものではなく、物件の状態や融資先の選び方、事前準備によって結果が大きく変わります。

 

この記事では、不動産投資向けの融資審査で見られるポイントを整理し、物件状態や融資先、融資商品、事前準備までを解説します。安定して資産を増やしていくために欠かせない、無理のない融資計画を立てるための参考にしてみてください。

不動産投資の融資審査では何が見られる?

不動産投資の融資審査は、単純に「年収が高いか」「自己資金」だけで決まるものではありません。多くの金融機関では、返済能力や物件の収益性、資産性、事業として継続できるかという複数の視点を組み合わせて総合的に判断しています。まずは、事前に意識しておきたい融資審査での見られ方を属性別に整理します。

サラリーマン

サラリーマンの場合、安定した給与収入がある点が融資審査において強みになります。とくに勤続年数や雇用形態、返済比率などは融資審査で注目されるものです

 

ただし、住宅ローンや自動車ローンなどの借入状況によっては審査が慎重になることもあります。現在の家計と投資後の収支を整理して、無理のない返済計画を示せる状態を整えておくことが大切です。

 

<必要書類>

・源泉徴収票

・給与明細

・勤務先の情報

・既存借入の一覧

・購入予定物件の資料

個人事業主

個人事業主の場合、毎月の収入額そのものよりも、確定申告の内容や収入の継続性が重視される傾向があります。売上の推移や経費の使い方によって、事業として安定しているかどうかが判断されるためです。


公庫や地方銀行では、事業としての計画性が評価されるケースも多くあります。節税だけを意識した申告ではなく、融資を見据えて事業実態が伝わる形になっているかを意識しましょう。

 

<必要書類>

・確定申告書:直近2〜3期

・青色申告決算書または収支内訳書

・事業内容がわかる資料

・既存借入の一覧

・購入予定物件の資料

 

個人事業主として賃貸業を行っている場合、購入予定物件の資料では収支計画や賃貸の条件などもまとめておくのがおすすめです。

企業・法人

法人で不動産投資を行う場合は、決算内容や財務状況を通じて、法人として継続的に経営できるかが見られます。売上や利益だけでなく、借入状況や自己資本のバランスも含めて判断されるため、投資家としては数字の背景を説明できる状態を整えておくのがポイントです。

 

地銀や信用金庫、ノンバンクなど、法人向けの選択肢は比較的広く、物件規模や投資フェーズに応じた融資先選びがポイントになります。

 

<必要書類>

・法人決算書

・試算表

・法人登記簿謄本

・購入予定物件の資料

不動産投資の融資審査で重視される物件状態

融資審査では申請者の属性だけでなく、購入予定の物件が長期的に安定して運営できるかも重視されます。これは融資の可否だけでなく、無理なく運営できるかを見極めるためでもあるのです。ここでは、融資を見据えて押さえておきたい物件状態のポイントを整理します。

耐用年数

融資期間を検討する際、多くの金融機関では建物の耐用年数が一つの目安として確認されます。耐用年数は建物の構造によって異なり、木造・鉄骨・RCなどの違いが、融資期間や返済計画に影響するケースがあります。

 

まずは、建物構造ごとの耐用年数の目安を整理しておきましょう。

 

建物構造

法定耐用年数

木造

22年

木骨モルタル造のもの

20年

鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの

47年

▲出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表

 

※耐用年数は税務上の基準であり、融資期間や返済計画を考える際の参考指標として扱われます。

 

月額返済負担を抑えたい場合、耐用年数に着目するのもひとつの方法です。ただし、耐用年数が長い鉄骨鉄筋コンクリート造は修繕費用が木造に比べて高額になりやすいため、さまざまな観点から建物の状態を見極める必要があります。

担保価値・収益性

融資では、物件がどれだけ安定して収益を生み、将来的にどの程度の価値が見込めるかも判断材料になります。賃料水準や空室リスク、利回りなどは、収益性を測るうえで基本となる要素です。

 

ここで注意したいのが、耐用年数が残っていても、建物の状態が悪ければ収益性は下がりやすいという点です。たとえば鉄骨のサビや外壁の劣化、共用部の管理状態が悪い場合、入居付けのために修繕が必要になり、想定よりコストがかかることがあります。

 

「きれいな状態で安定して貸せるか」どうかをチェックしましょう。建物の状態が良く、無理のない収益計画が立てられる物件ほど、結果として融資条件も安定しやすくなります。

立地・需要

立地や賃貸需要は、融資とその後の運営の両面に影響します。人口動態や周辺環境、駅からの距離などは、空室リスクを判断するうえで基本的な要素です。

 

需要が安定しているエリアの物件は、入居が決まりやすく収益がブレにくいため、結果として融資を見据えた運営もしやすくなります。購入時点の価格や利回りだけでなく「このエリアで今後も借り手がつくか」という視点で立地を見極めることが重要です。

 

具体的なエリア選定や、融資判断のポイントを学びたい方は、不動産投資セミナーでくわしく解説しています。

おもな不動産投資の融資先6選

不動産投資の融資先は金融機関ごとに特徴や考え方が異なります。「どこが一番借りやすいか」ではなく、自分の属性や物件、投資フェーズに合うかで選ぶことが大切です。ここでは、投資家が検討することの多い6つの融資先について解説します。

1. 日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、不動産投資として利益を得ることだけを目的とした融資は原則対象外とされており、不動産賃貸業を事業として行っている場合の運転資金として検討される融資先です。

 

投資物件の購入資金というより、購入後の修繕や運営改善を目的とした資金であれば、使える可能性があります。

 

項目

内容

融資条件

不動産賃貸業としての事業性があること

投資目的

原則不可

担保

※要相談

金利

2.00〜4.00%

融資期間

設備資金:20年以内(据置期間2年以内)

運転資金:7年以内(据置期間2年以内)

融資希望額

7,200万円(うち運転資金4,800万円)

必要書類

事業計画書

▲出典:日本政策金融公庫「企業活力強化資金

 

一般的な不動産投資ローンと比べると融資期間は短めになるため、無理のない返済計画を立てておくことが重要です。また、事業主として融資を受ける前提となるため、事業計画書の内容も評価対象になります。賃貸経営としての考え方や、収支の安定性を整理して伝えましょう。

2. 信用金庫・信用組合

信用金庫・信用組合は、地域密着型の金融機関で、物件の立地や地域性を重視する傾向があります。不動産投資においては、投資初期〜中規模の物件や、地元エリアでの賃貸経営を行う投資家にとって相談しやすい融資先です。

 

画一的なスコアリングだけで判断されにくく、物件内容や投資の背景を個別に見てもらえるケースがある点が特徴です。地域との関係性や、長期的な取引を前提とした姿勢が評価につながることもあります。

 

以下は一例として横浜幸銀信用組合の不動産購入ローンの内容です。

 

項目

内容

融資条件

組合の営業区域内で事業を営む法人・個人事業主・個人

投資目的

可能

担保

融資対象不動産

金利

年1.8〜3.8%

融資期間

30年

融資希望額

原則購入物件価格90%以下

必要書類

<個人>

・本人確認書類

・取引を行う目的を証明するもの

<法人>

・履歴事項演舞証明書(発行後6か月以内)

・本人確認書類

・事業内容を証明するもの

▲出典:横浜幸銀信用組合「不動産購入ローン

 

信用金庫・信用組合の融資は、担保価値と収益性を重視する傾向があり、物件選びが結果に直結しやすい点が特徴です。投資家としては、利回りだけでなく、立地や管理状態を含めて「地域で安定して貸せるか」を整理して説明できるようにしておきましょう。

 

また、最初は融資額が抑えめになることもありますが、取引実績を積み重ねることで条件が広がるケースもあるため、長期的なパートナーとして考える選択肢にもなります。

3. 地方銀行

地方銀行は、信用金庫・信組とメガバンクの中間的な存在として、物件規模が中〜大程度の投資家にも対応しやすい融資先です。同じ「地方銀行」であっても、取引状況や借入金額に応じて金利の引き下げ幅や審査姿勢が異なるため、比較検討が重要になります。

 

実務では、支店担当者とのコミュニケーションや、取引実績・口座連携などの金利引き下げ条件をうまく活用することで、条件が改善するケースもあります。

 

以下は一例として滋賀銀行の不動産担保型ローンの内容をまとめました。

 

項目

内容

融資条件

安定収入のある給与所得者、企業代表者、自営業、パート・アルバイト、年金受給者の方など

投資目的

可能

担保

融資対象不動産

金利

年2.250〜5.275%(変動金利)

融資期間

最長35年

融資希望額

300万〜1,999万円:最下限2.350%

2,000万〜2,999万円:▲0.05%、最下限2.300%

3,000万円以上:▲0.10%、最下限2.250%

必要書類

・本人確認書類など

▲出典:滋賀銀行「スピードローンジャストサポート(不動産担保型)(目的型)」

 

地方銀行は不動産ジャンルのローン商品でも、取引状況や他借入実績、申込者の属性などをトータルに評価し条件が変わるため、複数行で比較したり交渉したりすることでより良い条件を引き出せる可能性があります。

4. 都市銀行・信託銀行

メガバンクは、全国展開を行う大手銀行として、不動産投資ローンの取り扱いがあり、属性が強く返済計画が明確な投資家にとって選択肢になるケースが多いです。 ただし、審査基準は比較的厳格であり、収益性や担保価値の評価が重視されやすいという特徴があります。

 

以下は三井住友銀行のアパートローンの内容です。

 

項目

内容

融資条件

18歳以上の個人

不動産管理会社のお借り入れも可能

投資目的

可能

担保

融資対象物件

金利

変動金利・固定金利(窓口相談)

融資期間

1年以上最長35年以内

融資希望額

200万円以上

必要書類

・本人確認書類

・確定申告書(3期分)または源泉徴収票(直近分)

・法人申告書(3期分)※法人のみ

・固定資産税課税明細書等

▲出典:三井住友銀行「直担アパートローン

 

メガバンクは総合的な属性評価が強く反映されやすいため、サラリーマンや法人で安定収入・財務状況が整っている場合に条件がそろいやすい傾向があります。

 

他金融機関より審査ハードルが高めである点を前提に、勤続年数や収入の安定、信用情報など属性の強みや、物件評価を整理して臨むことがポイントです。

5. ネットバンク

ネットバンクは、金利が比較的低め・手続きがオンライン中心で効率的な融資先として知られています。審査は機械的・システム的な要素が強く、物件評価や属性が基準に合致していれば条件が出やすい反面、基準から外れると不透明に感じられることがあります。

 

以下は楽天銀行の不動産担保ローンの内容です。

 

項目

内容

融資条件

継続した安定収入のある満20歳以上70歳未満で完済時年齢満80歳未満の方

投資目的

可能

担保

保有不動産

金利

固定金利(5年ごと見直しあり)

融資期間

1年以上25年以内

融資希望額

100万円以上1億円未満

必要書類

・本人確認書類

・収入証明書類

・担保関係書類

▲出典:楽天銀行「不動産担保ローン

 

上記の楽天銀行の場合、使い道は原則自由のため、購入だけではなく修繕やリフォーム資金を考えている人にも便利です。ただし法人対象ではないため、事業として融資を受けたい場合は別のネットバンクを検討したほうがよいでしょう。

 

また、システム評価が中心のため、物件の状態や法的資料の不備などがあると審査に時間がかかる、あるいは条件が出にくいことがあります。必要書類をていねいにそろえることでスムーズに審査を受けることができます。

6. ノンバンク

クレジット会社やローン専門会社などのノンバンクでも、不動産担保ローンや不動産投資ローンの取り扱いがある場合があります。銀行・ネットバンクと比べて審査の柔軟性が高く、スピード重視で進めたい投資家に向くという特徴があります。ただし、金利はやや高めになる傾向があります。

 

以下は、セゾンファンデックスの不動産投資ローンの内容です。

 

項目

内容

融資条件

対応エリアにお住まいで安定収入のある満20歳以上70歳以下で完済時85歳未満の方

投資目的

可能

担保

融資対象物件

本人・親族が所有する不動産

本人・親族が共同所有する不動産

金利

年4.15〜5.55%(団信の有無で変動あり)

融資期間

5〜30年

融資希望額

500万〜5億円

必要書類

・本人確認書類

・住民票(世帯全員)

・源泉徴収票など収入証明書類

・納税証明書など

▲出典:セゾンファンデックス「不動産投資ローン

 

ノンバンクは、銀行やネットバンクと比べて審査柔軟性が高く、属性が弱めでも通りやすいケースがあるという評価があります。

 

とくに築古物件や属性に難がある場合でも相談できる場合がありますが、その分金利は高めです。「属性+担保価値+収益性」のバランスを整理し、自分の投資戦略と照らし合わせて選ぶことが重要でしょう。

 

不動産投資は事前の融資計画が大切

不動産投資では「どこで借りるか」「どんな物件を選ぶか」「どんな条件で融資を受けるか」を購入前に整理しておくことが大切です。融資先や条件は後から簡単に変えられるものではなく、判断を誤ると長期間にわたって影響が残ります。不動産投資で失敗しないために大切な事前の融資計画について解説します。

まずは不動産投資について知識をつける

融資の仕組みや、金融機関がどこを見て判断しているのかを理解しておくと、物件選びや融資先選定の精度が高まります。

知識がないまま進めると、「借りられると思っていた条件で進まなかった」「物件は良いが融資条件が合わなかった」といったズレが起きやすくなるためです。初心者ほど、基礎的な理解を先に整えておくことが重要です。

 

不動産投資の融資の基礎知識を効率よく身につけたい方は、まずは初心者に役立つ不動産投資の情報を定期的に取得していくことが大切です。

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自分に合った投資方法・物件を選ぶ

融資条件は一律ではなく、資金力や属性、投資目的によって選択肢が変わります。さらに、物件の耐用年数や担保価値、立地・需要といった条件も融資の成否や条件に直結するものです。自身の状況に合わない物件を選ぶと、融資条件が厳しくなったり、計画そのものが進まなくなることもあります。

 

自分に合う投資スタイルや物件選びを深く知りたい方は、より多くの投資スタイルや不動産投資の成功実績などを知っておくことが大切です。その中から、自分に合った投資方法や物件を選んでいくことで、成功に近づきます。

 

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正しい不動産投資戦略を経験者から学ぶ

不動産投資では、金融機関の特徴や融資条件、書類の整え方など、実際に経験してみないとわからないことが多くあるものです。

 

経験者から学ぶことで、自分に合う融資ルートを早期に見つけやすくなり、判断ミスや遠回りを避けることができます。無理のない融資計画を立てるために、不動産投資セミナーやコミュニティへの参加も検討してみるとよいでしょう。

 

不動産投資の融資や相談は神スキルをもつ大家に聞こう

不動産投資の融資は、条件や制度を調べるだけでは判断しきれない部分が多くあります。金融機関ごとの特徴、物件と融資の相性、書類の整え方などは、実際に投資を経験してきた人だからこそ分かる感覚も大きいものです。

 

神・大家さん倶楽部では「借りられるかどうか」だけでなく、その後も無理なく運営できるか、長期的に安定した投資になるかという視点でアドバイスが可能です。ひとりで悩み続けるよりも、経験者の視点を取り入れることで、判断の精度も高めやすくなります。

融資先の選び方や物件との相性、今の属性で現実的な進め方など、少し相談するだけでも見える景色が変わることがあるのです。

 不動産投資を安心してスタート・継続するためにも、経験者の知見をうまく活用することを検討してみてください。

 

■︎参考URL

日本政策金融公庫|企業活力強化資金

 

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