不動産投資で自己破産する?失敗事例と自己破産を避ける方法について解説!
- 不動産投資が原因で自己破産する可能性はある?
- 不動産投資によって自己破産に至ってしまう理由や要因を知りたい
- もしも自己破産することになったら、どうなってしまうのか?
比較的ローリスクと言われる場合もある不動産投資ですが、キャッシュフローが著しく悪化してしまうと、自己資金によるローンの返済を余儀なくされてます。
自己資金が尽きるまでに状況を改善できなければ、自己破産せざるを得なくなるでしょう。
この記事では、不動産投資で自己破産する可能性や、自己破産してしまう理由、自己破産を回避するための対処法を解説します。
自己破産するとどうなるのかや、自己破産までの流れにも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 不動産投資で自己破産する要因
- 自己破産を避けるための対策
- 自己破産するとどうなってしまうのか
目次
不動産投資で自己破産する可能性は非常に低い
不動産投資は、リスクが低く安全な投資と言われる場合もありますが、投資である以上、大きく損をしてしまう可能性があります。
その結果としてローン返済が滞り、最終的に自己破産せざるを得なくなる可能性は、ゼロではありません。
とはいえ実際のところ、不動産投資が原因で自己破産に至ったケースは、非常に少ないと考えられます。
そもそも自己破産とは
自己破産とは、裁判所に申し立てて借金を返済できる見込みがないと認めてもらうための手続きです。
申し立てが認められた場合、まずは一定以上の財産が没収され、借金の返済に充てられます。
それでも借金を返しきれなかった場合に、借金の免責が認められます。
逆に言うと、自己破産しても免責されなければ、借金はゼロにならないのです。
不動産投資での自己破産は免責が認められない可能性がある
自己破産は、借金で苦しんでいる方に対して、再生する機会を与えるための制度です。
そのため借金をゼロにできる、非常に強力な機能を有しています。
ですが自己破産さえすれば必ず借金がゼロになってしまうのでは、制度の悪用が誘発されてしまいかねません。
そのため、免責すべきでない理由で借金を作った場合に関しては免責を認めない、というルールが設けられています。
それが免責不許可事由です。
免責不許可事由の内容は法律で定められていますが、その事由の中にギャンブルや投資を意味する「射幸行為」が含まれています。
つまり不動産投資の失敗を原因として自己破産を申し立てた場合、免責不許可事由に該当するため免責が認められない可能性があるのです。
実際は免責が認められるケースが多い
しかしながら実際は、投資で作った借金が原因で自己破産をした場合でも、裁判所の裁量によって免責が認められるケースが多いようです。
ただし免責不許可事由に該当する場合は、「管財事件」として扱われてしまいます。
管財事件の場合、そうでない場合よりも手続きに時間がかかるうえ、最低でも50万円の費用を支払う必要があります。
不動産投資で自己破産する要因
不動産投資によって自己破産に至る要因は、人によってさまざまです。
ここではそのうち、代表的な4つの要因をご紹介します。
空室が続いた
空室リスクは、不動産投資において最大とも言われる、非常に危険なリスクです。
空室である間は家賃収入が得られなくなってしまうため、空室期間が長くなるほどキャッシュフローが悪化しやすくなります。
自己資金を月々の返済で使い果たしてしまえば、もはや自己破産せざるを得なくなってしまうでしょう。
物件選びに失敗
物件選びに失敗した結果、空室が続いてしまうケースもあります。
立地条件は悪いものの、価格が安く利回りが高い物件を購入した結果、まったく空室を埋められないまま赤字に転落、などのパターンが該当します。
利回りは物件選びの指標として活用される機会が多いですが、表面利回りだけで購入物件を決めてしまうと、このような事態になりかねません。
たとえば、年間家賃収入が60万円の物件の価格が200万円だった場合、表面利回りは30%になります。
一見すると非常に高く、お買い得な物件に感じるかもしれません。
ですが立地が悪いうえに築年数が古く、おまけに空室率が非常に高いがために低価格なのだとしたら、話は変わってくるでしょう。
高金利のローンを利用
頭金を一切用意せず、物件の購入代金を借入金だけで支払う場合をフルローン、購入代金に加えて購入費用も借入金で賄う場合をオーバーローンといいます。
まとまった自己資金が用意できない場合は、フルローンやオーバーローンでの物件購入に大きな魅力を感じるかもしれません。
ですが自己資金が一切含まれない分、月々の返済額が大きくなってしまうため、キャッシュフローが悪化しやすくなります。
金融機関から見た場合、フルローンはリスクが大きい商品になるため、金利も高く設定されがちです。
自己資金が含まれていないため金利上昇の影響も強く受けてしまいやすく、非常にリスキーといえるでしょう。
不動産投資での自己破産を避けるための対策
不動産投資による自己破産を避けるうえでは、不動産投資のリスクに対する理解が必要不可欠です。
状況が悪化する前のできるだけ早い段階で、適切に対処する必要があります。
ここからは具体的な方法を、いくつか解説します。
物件の選び方を学ぶ
問題のある物件さえ購入しなければ、不動産投資の失敗を効率的に回避できるでしょう。
それを実現するためには物件の選び方を学び、理解を深め、経験を積む必要があります。
不動産投資の勉強をするのは大変かもしれませんが、不動産投資をする以上は避けて通れません。
もしまだ十分な知識を得られていないのであれば、この機会にぜひ不動産投資の勉強を始めてみてください。
1人で学ぶのが難しい場合は、セミナーなどに参加してみるのも良いでしょう。
不動産投資塾で共に学ぶ仲間を見つけたり、不動産投資経験者のアドバイスを受けるのもおすすめです。
出口戦略を決めておく
出口戦略とは、その物件への投資を成功の状態で終わらせるために、最適なタイミングでの売却を目指す戦略です。
物件の売却利益(キャピタルゲイン)は、家賃収入(インカムゲイン)よりも遥かに大きいです。
もしも売却に失敗して損を出してしまったら、それまでの運用で積み上げてきたインカムゲインを打ち消してしまうかもしれません。
そうなってしまったら、それまでせっかくうまくいっていた投資が失敗に終わってしまいます。
一方で、キャッシュフローがマイナスの状態だったとしても出口戦略にさえ成功すれば、うまく売却益を確保できるかもしれません。
したがって出口戦略を決める際は、手残りが残るのかがポイントとなります。
あらかじめ出口戦略を決めておき、その戦略に適した物件を購入できれば、より成功しやすくなるでしょう。
高金利ローンの利用を避ける
高い年収や豊富な自己資金を有していない限り、フルローンなどの高金利ローンの利用は避けたほうが無難です。
そもそも自己資金を投入する余裕がない時点で、その物件の購入には相当の無理があります。
余裕のある運営を実現するためにも、無理のない返済計画を心がけましょう。
収支シミュレーションを怠らない
物件の購入を決める前に必ず収支シミュレーションをおこない、収支のバランスなどを確認しておきましょう。
さまざまなパターンを確認していく中で、気付けなかったリスクを発見できる可能性もあります。
購入前の段階でリスクを発見できれば、ゆっくり対処法を検討できるでしょう。
対処が難しいリスクの場合、購入を諦めれば確実に回避できます。
慣れないうちは面倒に感じてしまうかもしれませんが、ぜひ意識して取り組んでみてください。
自己破産するとどうなってしまうのか
もしも不動産投資に失敗して自己破産をしてしまったとしたら、具体的にどうなってしまうのでしょうか?
借金がなくなる
自己破産によって借金の免責を受けられた場合、その段階で残っていた借金がゼロになります。
多くの場合自己破産は、この借金の帳消しを目的としておこなわれます。
なお借金の中に連帯保証人を設定していたものが含まれていた場合、残された借金の返済義務が連帯保証人に移ってしまいます。
連帯保証人に返済能力がなかった場合は、自己破産せざるを得なくなるでしょう。
財産が処分される
その時点で所有している、20万円以上の価値を持つ財産はすべて処分され、借金の返済に充てられます。
自己破産によって免責されるのは、そのうえで返しきれなかった借金です。
99万円以下の現金や、生活するうえで最低限必要と判断された財産については、処分されずに残されます。
ブラックリストに登録される
ブラックリストとは、ローンの滞納などの信用情報に関する事故情報の記録です。
ブラックリストはカード会社や金融機関などが加盟している信用情報機関に共有されるため、クレジットカードの利用や作成、新たなローンの契約などが一切できなくなってしまいます。
ブラックリストは5〜7年程度記録が残り続けますが、登録期間を過ぎれば情報が削除され、クレジットカードやローンが再び利用できるようになります。
官報に名前が掲載される
官報とは、国が発行する機関紙です。
自己破産をすると、この官報に住所や氏名などが掲載されてしまいます。
官報を日常的に閲覧しているのは信用情報登録機関や金融機関、不動産会社などだけです。
基本的に一般の方の目に入るのはまれなため、家族や友人、周辺住民などに自己破産が知られてしまう心配は、ほとんどないでしょう。
自己破産までの流れ
不動産投資の失敗から自己破産までの流れは、およそ以下の通りです。
- ローン返済の滞納
- 督促状が届く
- 債権が保証会社に移る
- 物件が競売にかけられる
- 残債の一括返済を求められる
ローン返済の滞納
不動産投資の失敗によってキャッシュフローが悪化するなどして月々のローン返済が苦しくなると、やがて自己資金を使って返済せざるを得なくなります。
状況を改善できないまま自己資金が尽きてしまった場合は、いよいよ滞納の開始です。
滞納したからといって即座に次の段階に進むわけではなく、多くの場合1〜2ヶ月経過後となります。
督促状が届く
滞納したまま1〜2ヶ月が経過すると、金融機関からローンの支払を求める督促状が届きます。
反応しない場合は、更に督促状が送られるほか、電話や訪問でも支払いが求められ始めるでしょう。
債権が保証会社に移る
滞納から3〜6ヶ月が過ぎると、代位弁済がおこなわれます。
代位弁済とは、ローンの契約者に代わって保証会社が残債を一括返済する手続きです。
これにより債権は金融機関から保証会社に移り、以降は保証会社によって手続きが進められていきます。
物件が競売にかけられる
滞納から8〜9ヶ月程度で、物件が競売にかけられます。
落札価格の目安は、市場価格の6〜7割程度です。
残債の一括返済を求められる
落札価格で支払い切れなかった残債の、一括返済が求められます。
ここで返済できない場合、自己破産を選択せざるを得なくなります。
まとめ
不動産投資に失敗した結果ローン返済が滞り、自己破産に至ってしまうケースは実際に起こり得ます。
長期に渡る空室や物件選びの失敗などが、自己破産に至る代表的な理由です。
自己破産を避けるための対策としては、物件の選び方を学ぶ、出口戦略を決めておく、などが挙げられるでしょう。
既に経験された大家さんが集う、不動産賃貸経営を学べる塾やセミナーに参加し、
継続的に良質な情報やノウハウを学ぶことをお勧めします。
お勧めする最大の理由は、リスクへの事前対策ができるからです。
不動産投資には、空室、家賃下落、修繕費の増加、災害、融資の引き締めなど、
さまざまなリスクがつきものです。ですが、これらはあらかじめ知っておけば、
回避したり、軽減したりする方法があるんです。
勉強会や実践者との交流を通じて、実際に失敗した人の事例や成功者の工夫を学べば、
「知らなかった」では済まされないリスクを未然に防げます。
つまり、「学び」や「会に参加する事」は、高いリターンを狙うための行動というより、
損しないための保険。成功の裏には、正しい知識と準備がある。
それを実感する場こそが、学びと出会いの場です。
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