空室率とは何か?調べ方や平均値、低くするための対策を解説

最終更新日:2025年3月24日

マンションやアパートの賃貸経営をする上で意識すべきポイントが、空室率です。空室率が高いと安定的に収益を得られず、不動産投資で失敗してしまうおそれがあるためです。

空室率が低いエリアの物件を選ぶことに加えて、オーナーとして空室率を下げるための工夫を行えば、安定した収益を得られるでしょう。安定した収益を得られれば、賃貸経営を拡大でき、より多くの収益を得られる可能性が生まれます。

今回は、空室率の計算方法や、空室率を確認すべき理由などを解説します。賃貸経営を始めようか検討している方に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。

空室率とは

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空室率とは、建物全体の部屋数に対して空室となっている部屋の割合を示す指標です。「空室率(%)=(空室数÷総部屋数)×100」という計算式で計算できます。

例えば、20室のアパートで2室が空室の場合の空室率は「(2÷20)×100=10%」です。

空室率が高いほど家賃収入が減少するため、投資物件の収益性を判断する際の重要な数値といえるでしょう。適切な空室率は地域や物件タイプによって異なるものの、空室率はできるだけ低いに越したことはありません。

空室率は賃貸経営の収益性を直接反映するため、賃貸経営をする際には常に意識すべき数字です。収益力を測るのはもちろん、ローンの返済に影響を与えるため、長期的に安心して賃貸経営をするためにも、意識的に把握するとよいでしょう。

なお、空室率は物件の立地条件や周辺環境などが影響するため、エリアごとに相場を把握することが大切です。エリアの相場と比較して空室率が高い場合、状況を改善するための対策が必要といえるでしょう。

空室率の目安

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IREM JAPAN・公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会・株式会社LIFULLによる「全国賃貸住宅実態調査 報告書」によると、2022年における単身向け物件とファミリー向け物件の平均空室率は以下のとおりでした(全国平均)。

単身向け物件

2.33%

ファミリー向け物件

1.27%

地域の人口動態によって不動産需要は異なるため、都道府県によって空室率には差が生じます。あくまでも目安ですが、賃貸物件の経営をする際には、空室率5%以下を目指すとよいでしょう。

なお、空室率について、、同資料では単身者向けの物件に関しては、「関東地方と中部・近畿地方では昨年比で横ばい~やや改善傾向に、その他の地域では悪化の傾向にある」とされています。また、ファミリー向けの物件については、「北海道・東北地方以外では下落傾向が見られる」とのことです。

市区町村や建築タイプ(鉄筋や木造など)によっても空室率は異なるため、詳細な情報を知りたい場合は、地域の不動産事情に詳しい不動産会社で相談するとよいでしょう。

空室率の種類

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空室率と一口にいっても、主に3つの種類があります。それぞれ特性やメリット、使用すべき場面が異なるため、状況に応じて使い分けましょう。

以下で、空室率の具体的な計算方法を解説します。

現時点の空室率

現時点の空室率は、空室率の中でもシンプルで分かりやすい指標です。「現時点で空いている部屋の割合」を示すため、リアルタイムの物件状況を把握する際に役立ちます。

計算が簡単で、物件の現状を直感的に理解できるため、現在の収益力を測る上で有用な情報といえるでしょう。

例えば、現時点の空室数が2部屋で全体の部屋数が10部屋の場合、空室率は「2÷10×100=20%」となります。

デメリットとしては、今現在の情報しか把握できず、季節変動の影響を受けやすい点が挙げられます。一時的な状況で数値が大きく変動することもあるため、過去のデータは反映されていない点に注意が必要です。

また、地域性や物件特性を考慮されないため、現時点での空室率だけで実態を把握するのは困難でしょう。

稼働想定の空室率

稼働想定の空室率は、将来的な収支予測のための指標です。現在だけでなく「今後どうなるか」も含めている数字なので、長期的な運用を見据えた数値といえるでしょう。

過去の実績と市場動向を反映しているため、よりリアルな投資判断に使用できます。過去の空室率の推移や周辺エリアの需給動向、物件の競争力(築年数、設備など)などを総合的に見て数値化しているため、将来にわたる収益力を測る際に役立ちます。

稼働想定の空室率は、「(空室数×空室期間の日数)÷(全体の部屋数×365日)×100」で計算します。例えば、10部屋中1部屋が60日間空室の場合「(1×60)÷(10×365)×100=1.64%」です。

現時点での空室率よりも現実的な収益予測が可能で、長期的な経営判断の指標として有用です。

実稼働家賃の空室率

実稼働家賃の空室率は、実際の収入状況を反映した空室率です。物理的な空室以外の収入減少要因も含んでいるため、もっとも実態に即した指標といえるでしょう。

物理的な空室による損失や賃料の値引き影響、賃料滞納などを含めて分析しているため、賃貸物件の経営実態を金額ベースで把握できます。

賃貸経営ではさまざまなコストが発生するため、実際の収入にフォーカスした情報を得たい場合、実稼働家賃の空室率を重視するとよいでしょう。

実稼働家賃の空室率は、「(満室時の年間賃料収入-実際の年間賃料収入)÷満室時の年間賃料収入×100」で計算します。例えば、満室時の年間賃料収入が1,200万円で実際の年間賃料収入が1,140万円の場合、空室率は「(1,200万円-1,140万円)÷1,200万円×100=5%」となります。

実際の経営状態を正確に反映できるため、現在の収益性だけでなく今後の収益性を把握する際にも役立ちます。管理上の問題点も分析できるため、改善施策の効果測定も可能です。

もし実稼働家賃の空室率に問題があることを確認できれば、適切な賃料設定の見直しや効果的な募集戦略の立案など、具体的な対策が見えてきます。

賃貸経営をする際に空室率を重視すべき理由

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賃貸経営をする際には、空室リスクが常につきまといます。

空室リスクを客観的に分析する上で空室率は非常に重要な指標となるため、定期的に確認することが大切です。

以下で、空室率を重視すべき理由を解説します。

利益率に直接関わるから

空室率は、賃貸経営の利益率に直接影響します。空室率を確認せず、安易に賃貸経営を始めると想定どおりに利益を得られない可能性があるため、注意しましょう。

例えば、20室のアパートを建築して賃貸経営をするケースで考えてみましょう。

【想定条件】

  • 1室あたりの家賃:5万円
  • 満室時の月間家賃収入:100万円(5万円×20室)
  • 毎月の経費(ローン返済、管理費等):70万円

空室率

収益の内訳

満室の場合(空室率0%)

月間収入:100万円

月間経費:70万円

月間利益:30万円

空室率10%(2室が空室)の場合

月間収入:90万円(5万円×18室)

月間経費:70万円(※経費は変わらない)

月間利益:20万円

空室率20%(4室が空室)の場合

月間収入:80万円(5万円×16室)

月間経費:70万円

月間利益:10万円

賃貸経営の際、手数料や税金をはじめとした経費は、空室の有無に関係なく発生します。空室が発生し家賃収入を得られなくてもローン返済は継続しなくてはならず、赤字になってしまうケースが考えられるでしょう。

空室が増えるほど損失が大きくなるため、影響がより深刻になります。赤字が続くと資金繰りが悪化し、賃貸経営を諦めざるを得なくなる可能性もあるため、注意が必要です。

空室が発生するとキャッシュアウトが発生し続けるから

空室が発生すると、以下のようにキャッシュアウト(支出)が発生し続けます。賃貸経営ではさまざまな経費が発生するため、事前にどのようなキャッシュアウトが発生するのか確認しておくことが大切です。

  • ローン返済
  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 火災保険料
  • 管理費
  • 広告宣伝費

空室が長期化すると、収入が得られない中でキャッシュアウトが発生し続けるため、賃貸経営に悪影響が出てしまうでしょう。毎月のように赤字が続くと、賃貸経営を始めた意味がありません。

空室期間が長引くと収益物件としての魅力が薄れてしまい、売却が難航するおそれもあります。家賃収入を得られないだけでなく、最悪の場合は購入価格よりも安い価格での売却を余儀なくされる事態になるかもしれません。

空室が発生すると精神的にも負担になるから

空室は、賃貸物件のオーナーにとって避けられないリスクです。空室の発生は収入が得られないことを意味するため、経済的にも精神的にも重い負担となります。

一時的な赤字ならまだしも、赤字が長期化すると毎月の収支が気になってしまうでしょう。ローンの返済が継続しなければならない上に、予期せぬ修繕費用への不安や家計への影響も、精神的なストレスにつながります。

「いつ入居者が見つかるか分からない」「家賃設定は適切なのか」「経営計画の見直しは必要か」など、さまざまな不安も生まれるでしょう。

精神的なストレスが大きくなると正常な投資判断を下せなくなるおそれもあるため、事前に空室率の確認と、保守的なシミュレーションは欠かせません。

空室率に影響を与える要素

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賃貸物件の空室率は、さまざまな要素が複雑に絡み合っています。物件の魅力はもちろん、人口動態やエリアの将来性なども関係しています。

以下で、賃貸物件の空室率に与える要素を具体的に解説します。

地域の人口

地域の人口は、賃貸物件の空室率に影響を与えます。例えば、住居を探す人が多く賃貸需要が安定している地域は、空室率が低くなりやすいでしょう。

具体的には、転入者が多いエリアや若い世代の流入が続いているエリアは人口が増加しやすく、安定した賃貸需要が見込まれます。また、人口増加地域では長期的な入居が期待できる点も、空室率が低くなりやすい要因です。

逆に、人口の流出が続いているエリアは賃貸物件の需要が低くなりやすく、空室率が高くなりやすい傾向があります。例えば、若者の流出や高齢化の進行が続いている地方では、空室率が高くなりやすいでしょう。

過去5年の人口推移や将来の人口予測、年齢構成を確認すれば、賃貸物件の需要をおおよそ把握できます。「どのような人が、どのような間取りの家を求めているのか」というリサーチは、賃貸経営を成功させるに欠かせません。

賃貸物件数・賃貸需要のニーズ

賃貸物件数と賃貸需要のニーズも、空室率に影響を与えます。需要が供給よりも大きい状況だと空室が埋まりやすく、空室率は低い水準で推移するでしょう。

例えば、若手社会人や学生の多いエリアであれば、単身向けアパートやワンルームマンションなどの需要が見込めます。ファミリー層が多いエリアであれば、一戸建てやファミリータイプの間取りの賃貸物件であれば、低い空室率を実現できるでしょう。

一方で、需要よりも供給が多い場合は空室が発生しやすく、空室率が高くなりやすいでしょう。供給の多さは競合物件が多いことを意味するため、入居者を確保できたとしても、短期間で退去してしまうおそれがあります。

このように、賃貸物件数と需要のバランスは空室率に大きな影響を与えるため、常に市場動向を注視する必要があります。

賃貸管理会社の質

賃貸物件の管理は、賃貸管理会社に任せるのが一般的です。優れた管理会社は効果的な広告宣伝を行い、安定した入居者を確保してくれる可能性があります。

また、入居者からの問い合わせに対して丁寧に対応してくれるため、入居者の満足度を高めてくれるでしょう。その結果、長期的な入居につながり、低い空室率を実現できる可能性があります。

一方で、管理会社の質が低いと集客力が弱く、募集活動が不十分になる可能性があります。入居者からの対応が遅かったりずさんだったりすると、短期間での退去につながってしまうでしょう。

賃貸管理会社は、入居者にとって最初に問い合わせ窓口となる存在です。信頼できる会社に管理を任せないと、入居者の満足度を損ねてしまい、空室率を高めてしまいかねません。

物件の築年数や利便性

物件の築年数や利便性は物件の魅力に直結し、空室率にも影響を与えます。一般的に、築年数が浅いほど入居者からの注目を得やすく、設備の新しさや生活感が高く評価される可能性があります。

一方で、築年数が経過している物件は設備が老朽化していたり、デザインが古かったりして入居者からの関心を得づらいデメリットがあります。競争力が低く、競合物件よりも不利になりやすい点は否めません。

利便性に関しては、公共交通機関の使いやすさやアクセスのよさ、周辺環境などが重視されます。一般的に、アクセスがよい物件ほど人気を得やすいため、駅近物件は空室率が低くなりやすいでしょう。

ほかにも、スーパーや医療機関が近くにあったり、飲食店や商業施設へのアクセスがよかったりすると、長期的な入居につながりやすいと考えられます。入居者が「暮らしやすい」と感じると転居する必要性が乏しくなるため、自然と空室率が低くなりやすいのです。

家賃の設定金額

家賃の設定金額は、空室率に大きな影響を与えます。家を探している人は「家賃はできるだけ安く抑えたい」と考えるのが一般的なので、競合物件やエリアの相場をリサーチした上で、適切な金額を設定しなければなりません。

適正な家賃を設定していれば、入居者が不満を感じにくく、長期的な入居につながるでしょう。また、競合物件と比較しても大きな差がなければ、入居者がスムーズに見つかる可能性が高まります。

リサーチが不足しており、相場から離れた金額を設定してしまうと、空室が長期化したり問い合わせが少なくなったりします。

同じエリアで似たような広さ・間取りの物件があった場合、家賃が低いほうに入居者は流れてしまうでしょう。競合物件との比較で負けてしまうと空室率が上昇してしまい、賃貸物件の経営がうまくいきません。

空室率を低く抑える方法

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賃貸経営をする際に空室率を低く抑えるには、物件の魅力を高め、信頼できる不動産会社と良好な関係を保つことが大切です。

以下で、賃貸経営をする際にオーナーとして意識すべきポイントを解説します。

集客力が高い不動産会社・賃貸管理会社に依頼する

賃貸経営をする際には、集客力が高い不動産会社・賃貸管理会社に依頼しましょう。実際に入居者を募集するのは不動産会社の窓口となるケースが多いため、集客力が高ければ空室期間を短縮できる可能性が高まります。

集客力に優れた不動産会社は多様な広告展開をしており、複数の大手ポータルサイトへの掲載やSNSを有効活用しています。物件の特徴やメリットにも精通しており、入居者のニーズに合わせて最適な提案をしてくれるでしょう。

また、内見の問い合わせ対応を受けたときの対応が迅速で、電話やメールでの対応が丁寧だと信頼できるでしょう。入居者にとって住まい探しは重要なライフイベントなので、誠実に対応してくれる不動産会社に依頼すべきです。

賃貸物件の管理は、賃貸管理会社に依頼するのが一般的です。共有部の清掃や入居者からの対応などをするため、賃貸管理会社がきちんとしていないと、物件の魅力が損なわれてしまいます。

例えば、専有部分の備品が故障したときは賃貸管理会社が初期対応を行いますが、対応が遅かったりずさんだったりすると入居者は安心して生活できません。その結果、短期の退去につながり、空室率の上昇につながってしまうでしょう。

需要の有無を見極める

賃貸物件の需要の有無を見極め、「どのような層からの需要が見込まれるのか」と分析することは欠かせません。単身世帯が多ければ単身向けのマンションやアパート、ファミリー世帯が多ければファミリー向けの物件を建てる(または購入する)べきでしょう。

例えば、ファミリー向けの賃貸物件であれば、学区の評判や公園・遊び場の有無、治安のよさが重視されやすいと考えられます。エリアがファミリー向けのニーズに合致しているか、きちんとリサーチする必要があります。

また、エリアにおける人口動態をチェックし、将来性があるのかどうかを確認することも欠かせません。人口が減少しているエリアは空室率が高くなりやすいため、そもそも賃貸経営に向かない可能性があります。

具体的な調査方法としては、実際に自分で歩く現地調査が効果的です。最寄り駅やバス停への移動時間、スーパーや商業施設の状況などを確認し、生活しやすいかどうか確認しましょう。

併せて、不動産会社や地域住民から生の声を聞いて情報収集することも検討しましょう。どのような人が住んでおり、どのような層からの需要が見込まれるのか、さまざまな経路から情報を集めましょう。

競合物件の有無を確認する

競合物件の有無を確認し、どの程度の競合物件が存在するのか、競合物件はどのような家賃設定をしているのかリサーチしましょう。

競合物件に関する情報を集める際には、主に以下の情報に注目します。

  • 家賃相場
  • 築年数
  • 間取り
  • 専有面積
  • 駅からの距離
  • 収納スペース
  • セキュリティ
  • インターネット環境

競合物件と条件が同じであれば、競合物件と同程度の家賃を設定しなければ入居者は集まりづらいでしょう。

自社物件の強みを見つける際にも、競合物件の調査は有用です。立地がよかったり、設備や管理体制が充実していたりと自分の物件に優位性があれば、差別化につながるでしょう。

具体的な調査方法としては、不動産ポータルサイトを見たり実際に自分の足で現地調査したりする方法が挙げられます。併せて、不動産会社から情報収集をして、さまざまな意見を参考にしてみてください。

フリーレントの導入や敷金・礼金の削減を検討する

期間限定で家賃を無料にする「フリーレント」の期間を設けたり、敷金や礼金を削減したりすることは、空室率の改善に効果的です。「1カ月無料」「2カ月無料」など、フリーレントを導入すれば入居者の初期費用負担が軽減され、入居のハードルが下がるでしょう。

また、敷金・礼金を削減することも、同様に入居者の初期費用負担を軽減できます。その結果、入居者が経済的なメリットを感じて、入居に至る可能性を高められます。

特に、学生や新社会人など資金力が限られた層への訴求力が高く、競合物件との差別化につながると考えられます。競合物件で同様のサービスが行われていなければ、相対的に魅力が高まるでしょう。

なお、これらの施策は一時的な対策としては効果が期待できる一方で、持続的な空室率改善につながらない可能性があります。根本的に空室率を改善するためには、物件の価値向上や入居者満足度の向上などが欠かせません。

借主のターゲットを絞る

借主のターゲットを絞り、ターゲットに合わせて賃貸経営をすることも空室率を低くする上で効果的です。どのような需要があるのか、ターゲットはどのような物件を求めているのかリサーチしましょう。

例えば、若手社会人をターゲットにする場合はコンパクトな間取りの1Rや1Kの需要が高いです。また、駅近物件やネット環境が完備されている物件は、人気を集めやすいでしょう。

一般的に若手社会人は収入が低いため、コストパフォーマンスを重視すると考えられます。また、セキュリティが充実しており、清潔感のある物件は人気を得やすいでしょう。

一方で、ファミリー向け世帯をターゲットにする場合、2LDK以上の間取りで広めの収納があると好印象を持たれやすいでしょう。生活音が気になる場合は防音設計の物件が好まれ、共働き世帯であれば宅配ボックスがあると、利便性が高いと感じられます。

子どもがいる場合は学区の評判や学校へのアクセス、治安のよさも意思決定に影響します。

ターゲットを明確にすることで、ターゲットに響きやすい募集戦略を立てられるでしょう。アピールポイントを明確化し、周辺情報が充実している旨を広告でアピールすれば、入居者がスムーズに見つかるはずです。

入居期間を長くする工夫を施す

空室率を下げるためには、できるだけ入居者に長く住んでもらうことも効果的です。入居期間を長くする工夫を施し、長期的な入居を促進しましょう。

例えば、入居者と丁寧にコミュニケーションを取りながら関係性を深め、「このオーナーなら安心して住み続けられる」という印象を与える方法があります。設備のトラブルが発生したときはスムーズに対応し、要望を受けたら可能な範囲で柔軟に対応するとよいでしょう。

設備面に関しても、防音対策を施したり防犯カメラを設置したりしてセキュリティを強化すれば、より快適な居住環境を整備できます。入居者が「快適に生活できる」「安心して生活できる」と感じれば、長期の入居につながるはずです。

可能な範囲で礼金を安くしたり家賃の減額に応じたりして、経済的なメリットを提供することも効果的です。また、インターネット無料や駐車場料金の割引などを行えば、満足度を高められるでしょう。

空室率を高められた事例

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賃貸経営を成功させるには、実際の成功事例を参考にするとよいでしょう。

以下で、空室率を高められた事例を3つ紹介します。賃貸経営をする際には、実際の成功事例を取り入れてみてください。

賃貸不動産の需要を綿密に行った

Aさんは、東京都の郊外で賃貸経営を検討しており、大規模な企業の工場や大学があるT市に目を付けました。

現地調査や競合物件をリサーチした結果、独身会社員と学生の入居割合が高いことが判明し、Aさんは総戸数28戸のワンルームマンションを購入します。ワンルームマンションは独身者や学生の需要が高いため、結果的に低い空室率を実現できたようです。

具体的に、Aさんは当該物件のセキュリティの高さや、インターネット環境が整備されている点に注目したようです。「リモートワークやリモート授業の需要に対応できるだろう」と考え、購入に至りました。

賃貸経営を始めてから3年が経過しますが、空室率は2~3%程度を維持できているとのことです。不動産需要の詳細な情報収集やエリアの特性に注目した結果、安定した収益を確保できています。

適切な家賃を設定した

Bさんは以前から不動産収入を得たいと考えており、人口が安定して推移しており、安定した不動産需要が見込めるY市の賃貸マンションを購入します。

賃貸経営を始めた当初は安定した入居を実現できていましたが、年数の経過とともに空室率が上昇してしまい、焦ってしまったとのことです。

そこで、Bさんは周辺の競合物件を調査し、適切な家賃水準を再検討します。自分の物件は築年数が経過していることを折り込み、相場よりも低い賃料を設定した結果、安定した入居を実現できるようになったとのことです。

周辺の競合物件の情報を収集するにあたって、不動産のポータルサイトを活用して平均賃料の推移を毎月チェックしていたとのことです。また、不動産会社とも良好な関係を築いて相場の情報を定期的に入手し、常に最新情報を得ていました。

当面はリノベーションを行う予定はなく、今後は礼金を1カ月から0.5カ月分に引き下げることを検討しています。状況に応じて、フリーレントも選択肢として考えているようです。

このように、競合物件と比較して自分の物件を客観的に評価し、適切な家賃を設定すれば安定した入居を見込めます。相場よりも低い家賃を設定すれば「お得感」を印象付けられ、より多くの人の目に留まるでしょう。

ターゲットを絞り込んだ

Cさんは、賃貸経営をするにあたってターゲットを絞り込んで低い空室率を実現しました。都心部ではワンルームマンションの需要が高いことを見越して、駅から近いワンルームマンションを購入します。

Cさんは「年齢層は25~35歳くらいの独身者で、年収帯は500~600万円程度」と、具体的にターゲットを絞り込みました。若者のライフスタイルに対応するために、部屋にWi-Fiを完備し、さらにオートロックや宅配ボックスが完備されている物件を厳選した、とのことです。

また、保証人を用意できない独身者のニーズを見越して、保証会社の利用を可能としました。これによりさまざまな独身者のニーズに対応でき、長期的な入居につながっています。

実際に、Cさんの物件の住んでいる入居者は若いサラリーマンで、Cさんの狙いは的中している状況です。平均空室率は5%を下回っており、転勤に伴って退去する以外、長期的に入居者がいる状況が続いています。

このように、ターゲットを具体的した上でニーズを把握し、適切な設備がそろっている物件を購入すれば、安定的に入居者を確保できるでしょう。

まとめ

賃貸経営をする上で、空室率は必ず確認すべきデータです。空室率が高いと想定どおりに賃貸収入を得られず、最終的に物件を手放さざるを得なくなるおそれがあります。

また、売却が思うように進まないと、毎月赤字が続く状態になりかねません。経済的にも精神的にも疲弊してしまい、「不動産投資をやらなければよかった」となりかねません。

空室率を抑えるためには、賃貸不動産の需要を見極めること、適切な家賃設定をすることが欠かせません。また、入居者や仲介会社と良好な関係を築き、退去者が発生しないように備えることも大切です。

また、不動産賃貸経営をするにあたり、多岐にわたる情報収集や費用対効果を見越した対策の継続が成功の成否を大きく左右します。既に経験された大家さんが集う、不動産賃貸経営を学べる塾やセミナーに参加し、良質な情報やノウハウを学び続けることをお勧めします。

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