空室リスクとは?空室率を低くするための効果的な対策も解説
賃貸経営をする上で、空室リスクは常に起こり得ます。収益を損ねる重大な問題なので、賃貸経営のオーナーとして、空室リスク対策は欠かせません。
空室リスクを測る数字として「空室率」がありますが、空室率はさまざまな要因で変動します。空室リスク対策をするためにも、原因や効果的な対策を知っておきましょう。
今回は空室リスクが顕在化するとどのような問題が起こるのか、空室率を低く抑えるにはどのような対策が有効なのかを解説します。
空室リスクとは
空室リスクとは、投資用不動産において入居者が見つからず、家賃収入が得られない状態のことです。不動産投資をする際には、もっとも気を付けるべきリスクの一つといえます。
空室期間中は賃料が発生しないため、収入を得られません。不動産投資を行う目的は「収益を得るため」である以上、空室リスクの発生はできるだけ避けるべきでしょう。
もし空室期間が長引くと、予定していた投資利回りを下回る結果となります。また、投資物件のローン返済が滞ると物件の売却を余儀なくされ、不動産投資から撤退する事態になりかねません。
空室リスクが顕在化するとどうなるか
不動産投資をしているオーナーにとって、空室リスクはできるだけ低く抑えるべき問題です。
まずは、実際に空室が発生して空室リスクが顕在化すると、どのような問題が発生するのかを解説します。
家賃収入を得られなくなる
空室が発生すると、家賃収入を得られなくなります。家賃収入は、ローンの返済や管理費を支払うための原資でもあるため、家賃収入を得られなければ賃貸経営の根幹が崩れかねません。
例えば、以下のような投資物件を所有しているケースを考えてみましょう。
- 月額家賃:8万円
- 管理費・修繕積立金:1万円/月
- 住宅ローン返済:5万円/月
- その他固定費(火災保険、固定資産税等):1万円/月
入居者がいれば、8万円の収入から住宅ローンの返済や諸経費を含めて7万円を支出し、最終的には1万円が残ります。
しかし、空室が発生すると家賃収入が0円となりますが、7万円の支出は変わらずに発生します。家賃収入が得られない中でも支出は継続して発生するため、毎月自己資金から赤字分を補填しなければなりません。
新規入居者募集のための費用として広告宣伝費も発生するため、さらにマイナスは拡大します。想定していた資産形成を実現できなくなるだけでなく、自己資金がどんどん減少してしまうため、精神的な負担にもなりかねません。
原状回復費用が発生する
入居者を確保できたものの、長期的な入居につながらず頻繁に退去が発生すると、原状回復費用が発生します。原状回復費用は借主負担となる部分と貸主負担となる部分に分けられますが、経年劣化部分に関しては貸主が負担しなければなりません。
退去時の状況にもよりますが、原状回復費用として30万円~40万円程度の費用が発生することもあります。壁のクロスやフローリングなど、さまざまな箇所を回復させなければなりません。
ほかにも、次の入居者確保のために設備の更新や内装のグレードアップをすることがあるかもしれません。一連の工事で100万円近い出費となるケースもあるため、オーナーとしては大きな負担といえるでしょう。
入居者を集めるための費用が発生する
多くの場合で、入居者を募集する際には不動産会社に集客を依頼します。オーナー自身で入居者の募集を行うことも可能ですが、情報発信力に限界があるため、不動産会社に依頼するのが一般的です。
空室が発生たら、不動産ポータルサイトへの掲載料やチラシ・DMの作成費用などの宣伝広告費が発生します。空室期間が長引くほど負担は重くなるため、収益をどんどん圧迫してしまうでしょう。
入居者が決まったら、不動産会社へ仲介手数料を支払います。入居者の入れ替わりが激しいほど、仲介手数料の負担が重くなるため注意が必要です。
長期の空室が発生すると、著しく収益性が低下してしまうことが分かります。そもそも退去が発生しづらい環境づくりや、効果的な募集戦略を立てることが、長期的に賃貸経営をする上で重要です。
物件の資産価値が低下する
空室が長引いてしまうと、物件の資産価値が低下します。資産価値が低下すると、売却するときに希望の価格で売却できない可能性が高まり、損失につながってしまうでしょう。
空室により家賃収入が得られないことは、物件の収益力の低下を意味します。不動産投資家にとって収益性が乏しい物件は魅力的ではないため、価格がどんどん引き下げられてしまうでしょう。
特に、不動産投資における物件価値は現在だけでなく将来の収益も折り込んで決定するため、空室が長期化するほど資産価値が低下してしまうのです。
さらに、空室期間中は実際に住む人がいないため、日常的な換気や清掃が行き届きにくくなります。適切なメンテナンスや修繕が行われなくなり、カビの発生や設備の劣化が進んでしまい、物件の魅力が低下してしまうでしょう。
空室率が高くなる主な要因
空室率が高くなる要因は、人口動態の変化や需給バランスの変化など、さまざまです。
また、入居者が利便性や快適性を感じられるかどうかも影響します。以下で、空室率が高くなってしまう主な要因を解説します。
人口の減少
一般的に、人口の減少は空室率の上昇につながります。人口が減少すると必然的に住宅の需要が減少するため、なかなか借り手が見つからない、という事態になりやすいのです。
人口が減る一方で建物は簡単には減らせないため、供給過多の状態になります。その結果、少なくなっている人を巡って競争が生じ、空室率が上昇してしまうのです。
特に、地方部では若者の都市部への流出により、人口や世帯数の減少が進んでいます。将来的にも賃貸住宅の需要がさらに低下することが想定されるため、長期的に賃貸経営ができない可能性があります。
なお、需要が減少して空室が発生すると、賃料の下落圧力が強まります。場合によっては、賃料を下げても入居者が見つからない状況が発生し、物件を手放さざるを得ない事態になりかねません。
地域の魅力の低下
地域の魅力が低下し、生活の利便性を感じられないと空室率の上昇につながります。例えば、大型スーパーや医療機関が減少したり、電車やバスの本数が削減されたりすると、日常生活の利便性が低下します。
地域全体の住みやすさが劣化してしまうと、人口の流出が進むでしょう。その結果、賃貸物件が供給過多の状況に陥り、空室が発生しやすくなります。
地域のにぎわいが失われ、街の活気が低下すると人口の流入は見込めません。さらに、治安や住環境の悪化により地域の安全性や住環境の質が低下すると、さらに人口が減少する悪循環に陥るでしょう。
地域の将来性を見極め、適切に評価しなければ長期的に安心して賃貸経営はできません。地域の状況に詳しい不動産会社から情報を得つつ、最適な投資判断を下しましょう。
賃貸物件の過剰供給
賃貸物件の供給が増えると、一般的に空室率は上昇します。現在は競合物件が少なくても、今後賃貸物件が増えると見込まれる場合、空室率が上昇してしまう可能性を織り込んでおく必要があります。
例えば、新築マンションやアパートが多数建設されて賃貸物件の供給が増えると、既存物件との競争が激化します。新築物件は設備や外観が新しく、家を探している人から選好されやすいため、相対的に既存の物件は不利になりがちです。
さらに、供給過多になると物件間で家賃の値下げ競争が発生し、収益性が損なわれてしまいます。場合によっては、家賃を下げても入居者が確保できない状況が発生するおそれも考えられるでしょう。
入居者の満足度が低い
入居者の満足度が低いと、退去が発生しやすくなり空室率が上昇します。満足度が低い入居者は契約更新を見送る可能性が高くなり、その結果として頻繁な入居者の入れ替わりが発生すると、空室期間が生じます。
特に昨今は、インターネット上で評判や口コミが容易に拡散されるため、入居者に悪い印象を与えてしまうのは問題です。SNSやインターネット上で物件の評判が拡散されてしまうと、家を探している人から敬遠されてしまうでしょう。
例えば、管理会社の対応が悪いと、オーナーに対する信頼性も低下してしまいます。その結果、短期間での退去につながったり、新規入居者の獲得が困難になったりする問題につながりかねません。
入居者の要望に適切に対応し、物件の価値を高く保つために誠実に動いてくれる管理会社に管理を依頼しないと、空室率は上昇してしまうでしょう。
空室率を低く抑える方法
空室率は、低いに越したことはありません。空室の発生はオーナーにさまざまな不利益をもたらすため、できるだけ発生しないように工夫すべきでしょう。
以下で、空室率を低く抑えるための具体的な対策を解説します。
多くのポータルサイトに掲載する
家を探している方の多くは、不動産のポータルサイトで情報を収集します。物件の露出を増やすために、SUUMOやHOME’Sをはじめとした多くのポータルサイトに物件情報を掲載しましょう。
さまざまな層の入居希望者に響く宣伝文句を掲載すれば、多くの層にアプローチできます。また、動画や画像を活用して視覚的に物件の魅力や特徴を伝えることも効果的です。
家を探している人が「このような雰囲気なのか」「どのように家具を配置しようかな」など、イメージが湧くように情報を掲載すれば、反響が増える可能性が高まるでしょう。
ただし、掲載費用が増加したり情報更新の手間が発生したりする点に注意が必要です。また、正しい情報を掲載しないとトラブルに発展するリスクがあるため、正確な情報掲載を意識しましょう。
SNSを活用して情報発信する
昨今はSNSを活用して情報収集する人や、情報発信をする不動産会社が増えています。SNSは情報発信のツールとして有用なので、活用しましょう。
SNSのメリットは、リアルタイムな情報発信ができたり、興味を持った人と直接コミュニケーションを取れたりする点です。物件に関する質問に直接回答したり、空室情報をスピーディーに告知したりすれば、多くの層にアプローチできるでしょう。
SNSによっては、室内や共用部を動画で配信できます。また、360度カメラによるバーチャルツアーや入居者の生活イメージの提案も可能です。
集客力が高い不動産会社に依頼する
集客や営業活動を不動産会社に依頼する場合は、集客力が高い不動産会社へ依頼しましょう。家を探している人にとって窓口となるのは不動産会社となるため、信頼できる会社を選ぶべきです。
集客力が高い不動産会社は、豊富な集客チャネルを持っています。不動産ポータルサイトへの掲載だけでなく、独自のWebサイトやSNSでの情報発信を行い、多くの潜在的な顧客にアプローチしてくれるでしょう。
さらに、自社が保有している独自の入居希望者データベースを活用し、多くの人へ情報発信をしてくれる可能性があります。より多くの人の目に留まれば反響が増えることが期待できるため、空室期間を短縮できるでしょう。
不動産会社の中には、効果的な物件PRの方法として、プロによる物件写真や動画の撮影を行っているところがあります。また、専門的なノウハウを生かして、競合物件との差別化戦略の立案や適切な価格設定のアドバイスも行ってくれるでしょう。
実際に問い合わせを受けたら、迅速な返信や内見のスケジュール調整などをスピーディーに行ってくれる会社を選ぶとよいでしょう。入居希望者の取りこぼしを防げれば、空室期間を短縮できる効果が期待できます。
競合物件の情報を確認する
自分の物件の魅力を確認し、適切な家賃設定をするためにも、競合物件の情報確認は欠かせません。
同じエリアにある類似物件(築年数・床面積・設備状況など)の家賃相場を把握すれば、適正な家賃の相場をイメージできます。家賃が高すぎると入居者がなかなか見つからない一方で、低すぎると本来であれば得られた利益を失ってしまうため、適切な家賃設定は欠かせません。
また、競合物件にない設備を導入したり優れた管理サービスを提供したりすれば、差別化につながります。自分の物件の強みを明確にすれば、効果的な広告を打てるようになるでしょう。
ターゲットに対して効果的な広告を打つ
地域の特性や周辺環境などに応じて、入居対象となるターゲットは異なります。ターゲットを絞り、効果的な広告展開をすることで物件に関心を持つ人が増え、早期の入居につながるでしょう。
例えば、ターゲットに響きやすい訴求の例は以下のとおりです。
社会人向け |
通勤利便性 セキュリティ重視 |
学生向け |
学校までの距離 無理のない家賃設定 |
ファミリー向け |
家族構成に合った間取り 周辺環境の充実 治安のよさ |
シニア向け |
バリアフリー 医療施設へのアクセス |
ターゲットが求めているであろうニーズにアプローチする広告を打てば、長期入居につながる可能性があります。無駄な広告を減らすことで、宣伝広告費を削減できるメリットも期待できるでしょう。
効果的な訴求ポイントを設定するためには、ターゲット層の具体的なニーズを分析し、ニーズを叶えられる強みを有していることを分かりやすく伝える必要があります。家を探している人に「自分に合っている物件」と感じてもらえれば、成約につながりやすくなるでしょう。
入居者の満足度を高めて入居期間を長くする
現在の入居者に長く住んでもらうために、入居者の満足度を高めることも効果的です。「この物件に長く住みたい」と感じてもらえれば、空室の発生を抑えられるでしょう。
入居者の満足度を高めるためには、入居者に安心感を与えるのはもちろん、快適性や利便性を感じてもらう必要があります。迅速に対応してくれる管理会社に管理を委託したり、最新の設備を導入したりすることで、満足度を高められるでしょう。
長期間にわたって入居してもらえれば、安定した収益を確保できるだけでなく、新規募集にかかる広告宣伝費を削減できます。また、原状回復工事費用も抑えられるため、賃貸経営の効率を高める上でも効果的です。
さらに、空室の発生を防げれば物件価値の維持・向上にもつながります。入居者が適切に物件を使用し、不具合があれば早期に発見できるため、長期的に資産価値を維持できるのです。
「どのようにして新規の入居者を確保するか」だけでなく、「どのようにして既存の入居者に住んでもらうか」も、空室率を抑える上で重要なポイントといえるでしょう。
最新設備を導入する
最新設備を導入すれば、物件の利便性が向上します。利便性が向上すれば満足度もアップし、長期的な入居につながるでしょう。
他物件にはない設備を導入すれば競合物件と差別化でき、相対的に自分の物件の魅力を高められます。物件のアピールポイントが増えれば、家を探している人からの関心を引きやすくなり、空室期間を短縮できるでしょう。
実際に入居者を確保した後も、快適に生活できる環境であれば退去を防げます。セキュリティを強化して安心感を高めたり、浴室乾燥機や食洗機を導入して家事の負担を軽減したりすれば、物件価値が向上します。
なお、導入を検討すべき最新設備の例は以下のとおりです。
- 電子錠(スマートロック)
- 宅配ボックス
- 防犯カメラ
- IoT対応インターホン
- 床暖房システム
- 高機能浴室乾燥機
- 食洗機
- 温水洗浄便座
導入コストや採算性はきちんと検討する必要がありますが、入居者のQOL(生活の質)を高められる設備を導入すれば、空室率を低く抑えられるでしょう。
物件の清潔感を保つ
物件の清潔感を保つことで、入居者は安心して居住できます。
共有部だけでなく専有部分の清潔感を保てば、内見時の印象が向上し、早期に入居者を確保できるでしょう。さらに、既存の入居者にもよい印象を与えられ、長期の入居につながります。
物件の内部だけでなく、外観の生活感を保つことも大切です。内見したときに「住みたい」と感じられる状態であれば、成約に至りやすくなります。
逆に、共有部にゴミが散乱していたり掲示板の張り紙が煩雑だったりすると、「管理がずさんなのではないか」という印象を与えてしまうでしょう。きちんと物件を管理してくれる管理会社に依頼し、良好な物件状態を保つことが大切です。
敷金と礼金を安くする
敷金と礼金を安く設定することにより、家を探している人に経済的なメリットを提供できます。「できるだけ初期費用を抑えたい」と考えている人の心理的なハードルを下げられれば、効果的なアプローチとなる可能性があります。
新社会人や若手社会人、学生などは十分な金融資産を持っていないケースが一般的です。また、転勤により急な引越しを検討している人にとって、初期費用を抑えられる物件は魅力的に映ります。
競合物件よりも敷金や礼金を抑えれば、資金面での競争力が向上します。また、ポータルサイトで検索されたときに表示されやすくなるため、紹介や内見が増えると考えられるでしょう。
入居者の審査を緩和する
一般的に賃貸物件のオーナーは、入居者の家賃支払い能力や安心して物件に住まわせられるかをチェックします。審査を緩和して多くの人を入居対象にすれば、空室が埋まりやすくなるでしょう。
例えば、一般的に収入が不安定とされるフリーランスや個人事業主の入居を可能にしたり、外国籍の方でも入居できるように条件を緩和したりする方法があります。また、保証会社を利用して、学生や高齢者の入居を認める方法も考えられるでしょう。
対象者が広がれば物件に多くの人が関心を持つため、問い合わせや内見の機会が増えるでしょう。保証人の要件を緩和したり、所得基準を柔軟にしたりすれば、空室期間の短縮が期待できます。
また、実際に家を探している人に情報を提供する不動産会社からしても、審査が通りやすい物件は紹介しやすいでしょう。幅広い入居者層への提案が可能となれば、成約率の向上が見込めます。
空室リスク以外にも知っておくべき賃貸経営のリスク
賃貸経営をする際にもっとも気を付けるべきリスクは空室リスクですが、ほかにもさまざまなリスクがある点に留意する必要があります。
以下で、具体的なリスクを解説します。安定的な賃貸経営をするためにも、できる範囲でリスクを軽減しましょう。
家賃の下落リスク
家賃下落リスクとは、物件の経年劣化や競合物件の増加により、賃料収入が減少するリスクです。一般的に、建物の築年数が経過して経年劣化を起こすと、建物の価値が低下して家賃もつられて下がります。
ほかにも、近隣に新築物件が建設されて競争が発生したり、人口減少や高齢化により賃貸物件の需要が低下したりすると、入居者を確保するために家賃を引き下げることがあります。入居者を確保できても、家賃収入が減れば収益性が低くなってしまうでしょう。
家賃の下落リスクの対策としては、定期的なリノベーションを行って物件の価値を維持しつつ、周辺相場の定期的なチェックと適切な家賃設定を行うことが大切です。
また、競合物件にはなく、自分が保有している物件が有している強み(設備の状況やサービス提供など)をアピールすることも効果的です。
不動産価値の下落リスク
不動産価値の下落リスクとは、建物自体の価値が経年劣化や周辺環境の変化により下落するリスクです。経年劣化は避けられないとはいえ、メンテナンスが不足していると老朽化に拍車がかかってしまうでしょう。
また、近隣で商業施設がなくなって生活の利便性が悪くなったり、公共交通機関のサービス低下や路線廃止が発生したりするケースもあります。地域全体の価値が下がると不動産の価値にも影響するため、地域経済の状況にも注意を払うべきです。
不動産価値が下落すると、不動産を売却しようとしたときに希望価格で売却できない可能性があります。また、担保価値が低下して、融資を受ける際に支障が出るケースも考えられるでしょう。
リスクを軽減するためには、立地の将来性を十分に調査したり、人口動態や開発計画などの地域分析を実施したりすることが欠かせません。また、計画的に修繕費用をプールしておき、計画的な修繕・リノベーションを実施しましょう。
修繕リスク
修繕リスクとは、経年劣化により建物の修繕が発生するリスクです。建物の外装や内装の清潔感が欠けていると入居者が見つかりづらくなるため、定期的な修繕は欠かせません。
例えば、外壁の劣化や配管設備の老朽化への対応などが挙げられます。ほかにも、自然災害や事故による破損、入居者の使用による予期せぬ損傷など突発的に発生する修繕にも備えなければなりません。
また、築年数が経過すると15年~20年に1度程度のペースで大規模修繕が発生します。これらの修繕費用はオーナーが負担しなければならず、修繕費用が発生すると収益にも影響を与えるでしょう。
修繕リスクに備えるためには、適切な修繕積立金の設定や、定期的な建物診断の実施が効果的です。リフォーム業者や建物診断業者と良好な関係を築き、専門的なアドバイスを受けるとよいでしょう。
金利上昇リスク
金利上昇リスクとは、ローンの金利が上昇することで返済負担が重くなるリスクです。ローンを組んで賃貸経営をする場合、金利上昇リスクに注意する必要があります。
借入額が大きいほど、金利上昇の影響も大きくなります。適用金利が1%上昇するだけで、年間の返済額が数十万円増加する可能性もあるため、賃貸経営の収益に影響を及ぼすでしょう。
金利上昇リスクに備えるためには、事前にゆとりのある返済シミュレーションを立てておくこと、固定金利での借入を検討する方法が考えられます。資金繰りに注意を払い、繰り上げ返済するための資金を確保しておくとよいでしょう。
家賃滞納リスク
家賃滞納リスクとは、入居者が家賃を支払えない状況に陥り、家賃収入を得られなくなるリスクです。入居者がいても、実際に家賃収入が入らなければ意味がありません。
入居者に収入の急激な減少が発生したり、病気やケガにより支払い能力が低下したりすると、家賃の滞納が発生するリスクがあります。
さらに、滞納家賃の回収コストが発生したり、法的手続きが必要になると弁護士費用も発生したりします。モラルの観念が乏しい入居者だと、退去命令を受けてもなかなか退去してくれないケースも考えられるでしょう。
家賃滞納リスクを軽減するには、一定の入居審査基準を設けたり、緊急連絡先の提出を求めたりする方法があります。また、保証会社の利用を求める方法も効果的です。
自然災害リスク
自然災害リスクとは、地震や水害をはじめとした自然災害の発生により、物件が損壊してしまうリスクです。日本は自然災害が起こりやすい以上、賃貸経営をする際には自然災害を念頭に置く必要があります。
例えば、地震が発生すると建物が損傷を受けたり、地震の規模によっては倒壊したりするおそれがあります。水害が発生すると、浸水により建物・設備の損壊や排水設備の損傷につながる事態が想定されるでしょう。
自然災害により建物が被害を受けると、建物の修繕費用や設備の修理・交換費用が発生します。また、災害後の清掃や復旧に関するコストも発生するため、賃貸経営に大きな影響を与えるでしょう。
修繕期間中は家賃収入が入らない上に、物件価値が下落してしまうリスクもあります。
自然災害リスクに備えるためには、事前に耐震診断や補強工事を実施したり、適切な損害保険へ加入したりする方法が考えられます。ハザードマップの確認や、定期的な建物・設備の点検も欠かせません。
自然災害リスクは予測や完全な防止が困難ですが、事前の備えや適切な保険への加入により、リスクを軽減できます。建物の立地に応じて、どのような備えが必要かを考えてみましょう。
火災リスク
火災リスクとは、火災により建物が焼失してしまうリスクです。入居者の不注意に起因した火災や、自然災害を起因とした火災など、さまざまな要因が考えられます。
実際に火災が発生すると、建物の全損または一部損壊に修繕の必要が生じます。第三者に損害賠償請求を行えない場合は、オーナー自身で修繕や建て替えのコストを負担しなければなりません。
火災リスクを最小限に抑えるためには、消防設備の設置や定期的な点検が欠かせません。入居者に対して防火に関する注意喚起をしたり、適切な火災保険への加入を求めたりすることも効果的でしょう。
まとめ
賃貸経営をする際には、常に空室リスクが伴います。物件の価値や魅力を高く保っても、入居者の都合で空室が発生するリスクはあるため、常に空室率は意識すべきでしょう。
空室率に影響を与える要因はさまざまで、人口動態や地域全体の魅力・活力、競合物件の有無などが関係します。きちんとリスクを織り込んだ上で、どのような対策が必要かを考えてみてください。
また、不動産投資を始める方は、ぜひ不動産に関するセミナーや塾に参加し、基礎知識を身に付けてから投資を行うことをお勧めします。
なぜなら、経験やノウハウを持つ積まれている経験者の話を聞ける環境は非常に有効だからです。