不動産投資における固定資産税とは?税額に影響する要素や対策方法を解説
- 固定資産税はどのような税金?
- 不動産投資で支払う固定資産税の目安は?
- 固定資産税を抑える方法があれば知りたい
不動産投資用の土地や建物を所有していると、固定資産税が課税されます。
固定資産税は不動産の価値に応じて納税額が決まるため、少なくない負担となるケースが多く、キャッシュフローに影響する可能性があるため注意が必要です。
この記事では、固定資産税について概要や納税額の目安、計算方法、軽減措置や対策方法などを解説します。
この記事でわかること
- 固定資産税の概要
- 固定資産税の目安
- 固定資産税の軽減措置、対策方法
固定資産税とは

固定資産税とは、土地や建物といった固定資産に対して課せられる税金です。
固定資産を保有する人は年に1回、その固定資産の所在地である自治体に対して、固定資産の価値に応じた固定資産税を支払う必要があります。
不動産投資においては、投資用に購入した物件が固定資産税のおもな対象です。
アパートやマンションなど、一戸建てに限らない点に注意してください。
固定資産税は、土地と建物それぞれに対して課税されます。
たとえば土地と一緒に建物を購入した場合は、土地の固定資産税と、建物の固定資産税の両方を支払わなければなりません。
そのため借りた土地に建物を建てた場合は、所有しているのは建物だけであるため、建物のみに課税されます。
1月1日時点での不動産所有者に課せられる税金
固定資産税は、毎年1月1日時点での所有者に対して、向こう1年分の金額が課せられます。関東の場合では1月1日、関西の場合は4月1日を起算日とした年税として扱うのが一般的です。
1年分を先払いする形となるため、年の途中で売却して所有者が変わった場合は、別途精算が必要になる点に注意してください。
買主は、物件の引き渡し日から12月31日(関西の場合は翌年の3月31日)までの固定資産税を日割りで計算した金額を、売主に支払うのが一般的です。
たとえば、ある物件を売却して8月10日に引き渡した場合、売主はすでに1年分の固定資産税を支払っているため、買主は売主に対して8月10日から12月31日(関西の場合は8月10日から翌年の3月31日)までの固定資産税を支払います。
このときに支払われる固定資産税を、固定資産税清算金といいます。
固定資産税は3年ごとに更新される
土地と建物にかかる固定資産税は、土地と建物それぞれの固定資産評価基準をもとに算出されますが、この評価基準は3年ごとに評価の見直しがおこなわれます。
そのため、納税額も3年に1度変動する可能性があるので注意してください。
このように固定資産税評価基準が見直される年を、基準年といいます。
なお2020〜2030年までの基準年は、2021年、2024年、2027年、2030年です。
固定資産税の目安はどのくらい?
具体的に固定資産税がいくらかかるかは計算しなければわかりませんが、物件価格の0.3〜1%程度が目安になるとされています。
たとえば5,000万円の物件にかかる固定資産税の目安は、15〜50万円程度です。
ただし実際の税額は、建物の構造や面積、築年数などによっても変化します。
あくまでも参考程度の金額として考えてください。
より具体的な金額を割り出したい場合は、これからお伝えする計算方法を用いて確認するのがお勧めです。
固定資産税の計算方法
固定資産税の税額は、以下の計算式で求められます。
|
固定資産税額 = 不動産の固定資産税評価額 × 税率 |
固定資産税評価額とは、不動産の固定資産税を求める際に基準となる金額です。
土地の固定資産税評価額は国が定める「固定資産税路線価」を基準として、建物の固定資産税評価額は「再建築価格方式」を用いて、その不動産の所在地である自治体が決定します。
保有する不動産の固定資産税評価額は、毎年自治体から郵送される納税通知書に添付されている課税明細書に記載されているので、こちらを確認するのが手軽です。
課税明細書が手元にない場合は、各自治体の役所で閲覧できる固定資産課税台帳を確認するか、役所で固定資産税評価証明書を発行してもらう必要があります。
建物の固定資産税の計算方法
建物の固定資産税は、再建築価格方式を用いて算出される固定資産税評価額に税率をかけて求められます。
|
建物の固定資産税額 = 建物の固定資産税評価額 × 税率 |
再建築価格方式とは、その建物を新築した場合にかかる費用を求めたうえで、経年劣化分などを考慮して価格を求める計算方法(固定資産評価基準)です。
建物の基礎や外壁など、部分ごとに評価点を求める複雑な計算式を用いるため、正確に計算するのは難しいですが、物件の購入価格の5〜6割程度が目安になるとされています。
たとえば購入価格が3,000万円の木造住宅の場合、3,000万円の5〜6割程度である1,500〜1,800万円が固定資産税評価額の目安です。
固定資産税の税率は原則1.4%とされていますが、各市町村が徴収する地方税であるため、必要に応じて市町村が独自に税率を変更できる点に注意してください。
土地の固定資産税の計算方法
土地の固定資産税は、固定資産税路線価を基準として自治体が算出する固定資産税評価額に税率をかけて求められます。
|
土地の固定資産税額 = 土地の固定資産税評価額 × 税率 |
固定資産税路線価とは、土地における固定資産税評価基準です。
具体的には、その路線(道路)に接している土地の1㎡あたりの価格を指します。
固定資産税路線価に土地の面積をかけた金額が、その土地のおおよその固定資産税評価額です。
|
土地の固定資産税評価額 = 固定資産税路線価 × 土地の面積 |
たとえば固定資産税路線価が15万円で、土地の広さが30㎡だった場合、その土地の固定資産税評価額はおよそ450万円となります。
固定資産税の税率は、建物と同じく原則1.4%です。
自治体によって税率が異なる場合があるので、注意してください。
なお固定資産税路線価は、一般社団法人資産評価システム研究センターが運営するWebサイト「全国地価マップ」で確認できます。
土地の購入前に固定資産税額を確認したいなど、正確な固定資産税評価額がわからない場合には、固定資産税路線価からおおよその金額を割り出してみるのも方法の1つです。
固定資産税の支払い方法
ここからは、固定資産税の基本的な支払い方法を解説します。
一括払いか分割払いで支払う
固定資産税は、毎年4〜6月に自治体から送られてくる納税通知書から支払います。
通知書には一括で支払うための納付用紙の他に、分割して支払うための4枚の納付用紙が同封されていますので、希望するほうを選びましょう。
分割で支払う場合の基本的なスケジュールは以下のとおりですが、自治体によって多少前後します。
|
支払い期 |
納付時期 |
納付期限 |
|
第1期 |
6月1日~6月30日 |
6月30日 |
|
第2期 |
9月1日~9月30日 |
9月30日 |
|
第3期 |
12月1日~12月27日 |
12月27日 |
|
第4期 |
2月1日~2月28日 |
2月28日 |
利用可能な支払い手段は自治体によって異なる
納付用紙から固定資産税を支払う手段は、役所の窓口での支払いや、銀行や郵便局での振込が一般的です。
しかし近年は自治体によっても異なりますが、クレジットカードでの支払いや電子マネー、ペイジーなど、さまざまな納付方法が用意されています。
以下は、代表的な納付方法です。
- 窓口での支払い
- コンビニエンスストアでの支払い
- 口座振替
- クレジットカードでの支払い
- ペイジー(Pay-easy)での支払い
- スマートフォン決済での支払い
- 電子マネーでの支払い
- eLTAX(地方税ポータルシステム)での支払い
eLTAX(エルタックス)とは、インターネットから地方税の納付ができるシステムです。
インターネットバンキングやクレジットカードを用いて、簡単に納付できます。
初めて利用する際は届け出をおこない、利用者IDを取得しておく必要があるので注意してください。
固定資産税の税額に影響する要素
固定資産税の税額は、おもに以下の4つの要素によって変化します。
- 家の構造と広さ
- 保有する固定資産
- 土地の価格
- 固定資産税の税率
それぞれ詳しく解説します。
家の構造と広さ
建物にかかる固定資産税は、基本的には面積が広くなるほど高くなりますが、建物の構造や設備によっても変化します。
たとえば同じ広さであっても、木造よりも鉄骨造の建物のほうが税額は高くなりますし、同じ広さ・構造の建物でも設備に違いがあれば、その分だけ税額が変化するので注意してください。
保有する固定資産
固定資産税のおもな課税対象は、土地と建物です。
ですが資産によっては、固定資産税の対象となるので注意してください。
たとえば、所有している投資物件に付属している駐車場や自転車置き場、ゴミ捨て場、アスファルトやコンクリートによる舗装、門、フェンスなど、家屋に含まれない設備は償却資産とみなされ、課税対象となります。
他にもヘリコプターや飛行機、ボートなどの乗り物も課税対象となりますが、自動車は自動車税の対象となるため、償却資産には含まれません。
土地の価格
土地の固定資産税には、土地の価格が強く反映されます。
基本的に建物は経年劣化によって資産価値が下がっていきますが、土地に関しては価格が上昇する可能性がある点が大きな違いです。
たとえば周辺地域の再開発などによって利便性が向上した場合や、賃貸需要が増加した場合には、それに応じて地価も上昇する可能性があります。
反対に何らかの要因で需要が低下した場合は、地価も相応に低下する可能性が高いでしょう。
とくに価格が上昇した場合は、固定資産税も大きく増加する可能性があるため注意してください。
固定資産税の税率
固定資産税の税率は原則1.4%となっていますが、固定資産税は地方税に分類されるため、各自治体が必要に応じて税率を変更できます。
たとえば東京都の固定資産税は標準税率の1.4%ですが、鳥取県米子市は1.5%、青森県青森市は1.6%(いずれも2025年8月現在)です。
税率が異なれば、固定資産税額も当然異なってきます。
不動産所在地の税率は自治体のホームページなどで確認ができますので、あらかじめチェックしておきましょう。
固定資産税の軽減措置と特例
一定の条件を満たしている不動産を所有している場合、固定資産税の軽減措置や特例が受けられます。
通常よりも納税額が少なくなるので、不動産投資をおこなう場合はとくに意識しておくのがお勧めです。
免税点
同一市町村内で個人が所有している土地、建物、償却資産の固定資産税評価額の合計が一定の金額以下となる場合、その不動産の固定資産税が免除されます。
この免除される基準となる一定の金額を、免税点といいます。
土地の免税点は30万円未満、建物は20万円未満、償却資産は150万円未満です。
たとえば固定資産税評価額が25万円の土地を所有していた場合、免税点である30万円を下回るため、課税されません。
ただし評価額25万円の土地に加えて、評価額10万円の土地を所有していた場合は、評価額の合計が35万円となり、免税点を上回ります。
この場合、土地の固定資産税は通常どおり課税されるので注意してください。
小規模住宅用地の特例
小規模住宅用地の特例とは、要件を満たす住宅用の土地に建てられた住居を所有している場合に、その土地の固定資産税評価額が最大で6分の1に軽減される特例制度です。
小規模住宅用地とは、住宅を建てるための土地として区分された区域内の、200㎡以下の土地を指します。
小規模住宅用地の場合、その土地の固定資産税評価額は6分の1となります。
土地の面積が200㎡を超える場合は、一般住宅用地と見なされます。
この場合の固定資産税評価額は、3分の1です。
ただし土地の面積が200㎡を超える場合、200㎡に満たない部分に関しては小規模住宅用地と、200㎡を超える部分は一般住宅用地と見なされる点に注意してください。
たとえば評価額が500万円である500㎡の土地に建っている住宅を所有している場合、500㎡のうち200㎡の部分(200万円分)は小規模住宅用地と見なされるため、評価額が6分の1(約33万円)となります。
残りの300㎡(300万円分)に関しては一般住宅用地と見なされるので、評価額は3分の1(100万円)です。
したがって最終的な評価額は、これらを合計した額(約133万円)となります。
新築住宅にかかる固定資産税の減額
新築住宅にかかる固定資産税の減額制度は、令和8(2026)年3月31日までに建てられた新築住宅のうち、一定の要件を満たした場合にのみ適用される制度です。
おもな要件は以下のとおりです。
- 建物の居住用部分の面積が50㎡以上、280㎡以下(一戸建て以外の場合は40㎡以上、280㎡以下)
- 店舗件住宅などの場合、居住用部分が全体の半分以上
これらの要件を満たしている場合、120㎡までの部分の固定資産税評価額が新築後3年間、2分の1に減額されます。
また以下の基準を満たしている場合、減額期間が延長されます。
- 3階以上の建物で耐火構造、または準耐火構造である場合:新築後5年
- 認定長期優良住宅の場合:新築後5年
- 3階以上の建物で耐火構造、または準耐火構造かつ認定長期優良住宅の場合:新築後7年
認定長期優良住宅の場合は別途申告が必要になるので、注意してください。
不動産投資における固定資産税対策
不動産投資をおこなうにあたり、固定資産税は無視できない負担です。
ここからは、固定資産税を抑えるための具体的な対策を解説します。
軽減措置や特例の対象となる物件を購入する
もっとも基本的な対策は、すでにお伝えした軽減措置や特例の対象となる物件を購入し、運用する方法です。
とくに小規模住宅用地の特例と、新築住宅の減額制度は効果が大きいので、積極的に活用しましょう。
逆にこれらの制度を活用できない場合、固定資産税を抑えるのは難しいです。
できるだけ損をせずに済むよう、購入予定の物件と各種減額制度の要件をしっかり見比べましょう。
売却する際は年をまたがないようにする
所有する物件を売却する場合は、売却タイミングに注意してください。
固定資産税の起算日である1月1日を過ぎてしまうと、1年分の固定資産税が課されてしまいます。
物件の引き渡し日までの固定資産税については、日割り計算したうえで買主から支払われるのが一般的です。
とはいえ、ある程度まとまった金額を納めなければならない点は変わりません。
できる限り基準日をまたがないよう、年内に売却を済ませるのがお勧めです。
まとめ
固定資産税は、所有している不動産に対して課せられる税金です。
納税額は、不動産ごとに設定されている固定資産税評価額に、税率をかけた金額となります。
固定資産税の負担を減らすには、小規模住宅用地の特例などの軽減制度を利用するのが効果的です。
固定資産税の負担はキャッシュフローにも少なからず影響を及ぼすため、積極的に軽減制度を活用しましょう。
弊社では不動産の税金の仕組みや節税方法について定期的なセミナーや塾も開催しております。
初心者の方でも成功できる投資物件の紹介だけでなく、さまざまな不動産の買い進め方をレクチャ―しております。これから不動産投資を始めたい方はぜひ一度ご相談くださいませ。
不動産投資を始めるにあたって、「学び」や「会に参加すること」は非常に重要です。
なぜなら、不動産は金額も大きく、失敗が許されにくい投資だからです。
書籍や動画だけでは得られないリアルな情報や最新の市況感を得るには、
実際に経験者と話すことが近道です。



















































