不動産投資ローンを借り換えるメリットは?デメリットや手続きの方法を解説
- 不動産投資ローンを借り換えるタイミングはいつがいいのか
- 不動産投資ローンを借り換えるメリット・デメリットとは
- 不動産投資ローンを借り換える方法が知りたい
不動産投資をするときに、なんとなく流れに身を任せてローンを組んでしまったといったケースは珍しくありません。
ローンの仕組みを理解し始めると、本当にこのままでも良いのか気になってくるでしょう。
現在のローンの支払いが苦しくなっていたり、もっと良い条件で融資が受けられる金融機関が見つかったりしたら借り換えも一つの方法です。
そこで、こちらの記事では不動産投資ローンを借り換えるタイミングはいつがいいのか、借り換えのメリット・デメリットをご紹介します。
手続きの方法や、借り換えるときの注意点についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 不動産投資ローンの借り換えのタイミング
- 不動産投資ローンを借り換えるメリット
- 不動産投資ローンを借り換える・デメリット
目次
不動産投資ローン借り換えとは
不動産投資ローンの借り換えとは、現在利用しているローンから条件が良いほかのローンに借り換える行為です。
借り換えの際に、金利や融資期間の見直しが行われます。
不動産投資をするときに、ほとんどの人が金融機関から融資を受けます。
不動産物件を購入するため、融資額は数千万円から数億円に上るケースも珍しくありません。
金額が大きくなれば融資期間が長いだけではなく、少しの金利の差で総額に大きな差が出てきます。
すこしでも有利な条件で融資をしてくれる金融機関があれば、借り換えを検討したほうが良いでしょう。
不動産投資ローンを借り換えるタイミング
では一体いつが不動産投資ローンを借り換えるのに良いタイミングなのでしょう。
効果的に借り換えをするのであれば、しっかりタイミングを見極める必要があります。
不動産投資ローンの借り換えを検討している人は、タイミングが合っているのかチェックしてみてください。
物件購入から10年以内
借入期間が長いほど、少しの金利差が総額に大きな影響を与えます。
物件を購入してから10年以内であれば、残りの返済期間が長く、借り換えによるメリットを得られやすくなるでしょう。
また、ローンの借り換えには手数料が必要となりますが、返済期間の残りが長い方が減額分が大きくなります。
返済期間間際での借り換えにおいては、手数料の方が減額分より高くなる可能性があるため注意が必要です。
変動金利で契約をしている場合は、金利上昇に備えられるのも魅力でしょう。
金利が上がってから慌てて借り換えをしても、借り換え後の金利も上がってしまいます。
金利上昇が予想されたタイミングで、早めに借り換えをすれば恩恵が受けやすくなるでしょう。
金利の固定期間終了
金利には固定金利と変動金利があります。
金融機関や契約内容によって異なりますが、固定金利タイプは約3〜10年を固定金利の期間としているケースが多いです。
固定金利の期間とは、経済状況に関係せず一定の金利を支払う期間となっていて、不景気でも金利が変動しません。
安定したローンの返済ができるので、収支計画が立てやすくなります。
固定金利の期間が終了すると変動金利へと切り替わります。
変動金利の方が安いイメージがありますが、固定金利の期間が終了するタイミングで、金利が上昇する可能性もゼロではありません。
社会情勢によって金利が上昇すれば、返済の負担は増えてしまいます。
金利が上がる前に、別の固定金利タイプへ借り換えれば、金利が固定されるため安定した返済計画が見込めます。
キャッシュフローがマイナス
不動産投資ローンを契約する時には、無理のない返済計画を立てていたでしょう。
しかし、空室が増えて家賃収入が減ってしまい、返済計画が崩れてしまうケースは少なくありません。
収入と支出のバランスが崩れてしまっている状態では、不動産投資の運用は厳しくなってしまうでしょう。
もちろん、空室がなくなり家賃収入が安定すれば、キャッシュフローも改善されます。
しかし、自分の意志で空室を改善できるものではありません。
キャッシュフローが悪化してしまい、返済が苦しいときに金利の低い不動産投資ローンへ借り換えれば、毎月の返済額を減らせて負担が軽減できます。
与信の状況の変化
与信とは、取引相手に与える信用を指します。
金融機関がいくらまで融資や融資枠を与えるかを検討するための指標です。
たとえば収入が増えたり、遅延なくローンの返済がおこなえていたりすると、与信が良くなる傾向です。
大企業へ転職したタイミングも、与信が良くなりやすいです。
与信が良くなると、より良い条件で融資が受けられる可能性が高くなります。
しかし、反対に退職をしたり、フリーランスへ転向したりすると与信が悪くなってしまう傾向です。
与信が悪くなればローンの借り換えが厳しくなります。
退職や独立を検討している人は、与信が悪くなる前に借り換えを済ませるのも選択肢の一つでしょう。
不動産投資ローン借り換えのメリット
では、不動産投資ローンを借り換えるメリットは何があるのでしょうか。
負担が軽減できる点以外にも、メリットはあります。
上手に借り換えをすれば、不動産運用がよりスムーズになるでしょう。
不動産投資ローンは返済期間がとても長いものです。
少しの金利の変化が、総額に大きな影響を与えます。
こちらでは不動産投資ローンの借り換えメリットをチェックしてみましょう。
返済への負担が軽減して収支の改善が見込める
不動産投資ローンの返済期間は非常に長いものです。
数十年の返済期間があるため、少しの金利の変化で総額に大きな影響が出てきます。
金融機関ごとに金利は異なるため、借り換えによってキャッシュフローを改善できる可能性があります。
今よりも低金利の金融機関を選択したり、固定金利から変動金利にしたり、ベストな方法を選択しましょう。
キャッシュフローが改善されれば、支出が軽減でき、収益性が向上します。
収益性が向上すれば、より効果的な資産運用が可能となるでしょう。
ローン借り換えの特典を受けられることがある
金融機関によって、新しいローンの契約をすると特典や優遇条件が受けられる場合があります。
最近では借り換えをおすすめする金融機関が増えており、魅力的な特典を用意しているケースもあります。
代表的な特典としては、低金利や固定金利の提供、手数料の免除、キャッシュバックなどです。
ほかにも、年会費無料でゴールドカードの作成が可能になったり、ATM手数料や振込手数料が無料になったりする特典もあります。
ただし、あくまでも金融機関によるオプションサービスになるため、必ず特典があるとは限りません。
金融機関ごとに条件は異なるため、比較検討が必要です。
リフォームやリノベーションを検討できる
不動産投資ローンの借り換えによって毎月の返済額を少なくできれば、資金に余裕が生まれます。
今までは余裕がない運営だった場合でも、借り換えによって余裕ができればリフォームやリノベーションを検討できるでしょう。
リフォームやリノベーションによって建物の美しさや安全性を高められれば、物件の資産価値を向上できます。
入居者の満足度もアップできるため、退室の予防にもなるでしょう。
中古物件など、建物の老朽化が進むと入居者が集まりにくく空室リスクが高くなってしまいます。
キッチンやバスルームなどの水回りは、特に気にする人が多いです。
水回りをリフォームするだけで、物件に対する印象が大きく変わり、入居者が見つけやすくなるでしょう。
不動産投資ローン借り換えのデメリット
借り換えによるメリットはたくさんありますが、その反面でデメリットもあります。
デメリットもしっかり把握したうえで、借り換えを検討しないと思っていた結果と違うものになってしまうかもしれません。
デメリットを理解したうえで、自分に合っているのかしっかり考えましょう。
借り換えできない可能性がある
不動産投資ローンの借り換えができれば、金利が安くなったり、毎月の返済負担が軽減できたりします。
しかし、借り換えをしたいと思っていても、誰でも借り換えができるわけではありません。
一般的に借り換え先の金融機関のローン審査に通過すれば、借り換えは可能です。
しかし、過去に滞納の記録や、収入が不安定など社会的信用が低くなっていると、審査が通りにくくなってしまいます。
投資物件の価値が低い場合や、市場価値が下落している場合も、希望の借り入れ額に対して物件を担保にできません。
投資物件の価値が確保できなければ、借り換えは困難になるでしょう。
諸経費がかかる
不動産投資ローンの借り換えをするときには、諸経費がかかります。
ローンの借り入れをするときには、新規契約手数料、鑑定費用、登記費用が必要です。
これは最初のローンを契約するときにかかった費用とほとんど同じでしょう。
借り換えの場合は、この費用にプラスして既存のローンを解約するための手数料が必要です。
違約金と一括繰り上げ返済に必要な手数料が必要となるため、資金調達をしなくてはなりません。
借り換え先の金融機関によっては保証料や保険料なども必要となるため、事前に見積もりを作ってもらうと安心です。
見積もりをもとに、借り換えによる減額よりも諸経費が上回っている場合は、借り換えを検討したほうが良いでしょう。
不動産投資ローン借り換えの手続き方法
不動産投資ローンの借り換えを検討し始めたら、まずは現在のローンの利用状況や残債の確認をしてください。
現在の金利や返済スケジュールなどを再度確認しなければ、他の金融機関との比較ができません。
利用状況を把握できたら、より条件が良い借入先を探します。
各金融機関のホームページや比較サイトを利用すると、自分のニーズに合った金融機関を見つけやすいでしょう。
借り換え先が見つかったら、借り換えたときのシミュレーションを作ってみましょう。
条件が合えば審査を受け、通過したら借り換え先との手続きに進みます。
借り換えが決定したら、現在の金融機関に解約の意思を伝え、手続きをおこないます。
返済の方法や手続きに必要な書類を用意し、不備がなければ完了です。
まとめ
不動産投資ローンの借り換えは物件購入から10年以内がベストなタイミングです。
想定していたキャッシュフローよりも悪化している場合や、固定金利の期間が終了するタイミングなども不動産投資ローンの借り換えのきっかけとなるでしょう。
借り換えをすれば、金利が低くなり毎月の返済負担が軽減できます。
しかし、希望をすれば誰でも借り換えができるわけではありません。
金融機関によって審査が必要となります。
また、借り換えによる諸費用が、金利で減額される金額よりも上回るときは借り換え計画を見直した方が良いでしょう。
不動産投資ローンの借り換えをするときには、まずは現状をきちんと把握して、より良い条件の金融機関を見つけるのが大切です。
上手に借り換えをして、よりスマートな運用を目指しましょう。
不動産投資には多岐にわたる情報収集や費用対効果を見越した対策の継続が成否を大きく左右します。既に経験された大家さんが集う、不動産賃貸経営を学べる塾やセミナーに参加し、継続的に良質な情報やノウハウを学ぶことをお勧めします。
参考サイト
不動産投資ローンの借り換えに適切なタイミングは?失敗しない進め方を徹底解説|【アットホーム】住まい・不動産のお役立ち情報&ツール
不動産投資ローンを借り換えすべきタイミングは?コツ・メリットと注意点も解説 – 不動産投資TIMES | 失敗しないための不動産投資ナレッジ
不動産投資ローンを借り換えたい方は必見!ローン借り換えのメリットとは!? | TOCHU|投資マンション売却のプロフェッショナル